1. はじめに
一昨年の「集団的自衛権行使容認の解釈改憲を行わないこと」「特定秘密保護法廃止について」の意見書採択の取り組み(2014年12月定例会12対13で否決)から、市民団体や女性会等が議会に対して、平和で安心できる社会(三次市)実現にむけた取り組みの要請があり、民主的議員が過半数以上になるよう議会内外で取り組んできました。
そうした中、7月16日に自民・公明の強行採決で「戦争法」が衆議院を通過しました。しかし、8月30日に市議会議員12人が呼びかけ人となり、法案阻止に向けて市民集会・デモ行進を行い、市民へ「戦争法廃案」に向けたアピールを行ってきました。
2. 安全保障関連11法案の廃案をもとめる意見書を採択・可決
2015年6月三次市議会定例会に三次市女性会・市民団体から「安保法案の廃案を求める意見書」が提出され、三次市議会総務委員会で審議しました。
その中で賛成意見では「違憲である法案を通過させたら法治国家でなくなる」「平和に対するこだわりを三次市議会として持つべきである」「国民の声をしっかりと聴くべきである」。そして反対意見では「国防は一市民が考えることではない、政府が決めること」「違憲かどうかは憲法学者が決めることでなく最高裁が決めること」など意見の対立となり関係者傍聴のなか、委員会採決は4対4の同数となり委員長判断で否決となりました。しかし本会議では委員会判断を覆して13対12で採択・可決となりました。
本会議でも賛成討論3人・反対討論1人が行われ、その内容は「この法案は立憲主義を無視するものであり、法治崩壊となる権力の恣意の抑制のためにある憲法」、「憲法9条1項では言うまでもなく『正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』、2項では『陸海空軍その他の戦力』を保持しないとし、国の交戦権を認めていないことをみても法案は明らかに憲法違反である」こと、「憲法の理念の平和主義は平和に価値を置き、その維持と擁護は政府が努力しなくてはならない。この法案はまるで反対方向である。世界に先んじて日本が絶対平和主義の旗振り役となり、率先して世界の非武装の方向に変えていくことがより持続可能な安全保障である」こと、「戦後70年、被爆70周年の年でもあり、平和の実現が急務の社会状況であるにも関わらず、安倍政権により日本の針路が大きく誤った方向になっている。憲法前文や9条の戦争放棄・戦力不保持・交戦権の否認は日本の宝であり、憲法学者や国民が憲法違反である事を指摘している」こと、「戦争加害国である」こと、「長崎・広島での原爆被害を受け、なお苦しんでいる人々の声は市政に反映すべきである」など、廃案への正当性が訴えられました。
反対討論では、「軍備をもって抑止力とすべきである」「安全保障の隙間のない体制を構築すべき」「日本はアメリカの占領下から脱却しなければならない」など時代錯誤や軍備容認の憲法違反の発言がされ、市民が見守る中、戦争法11法案廃案に賛成する議員13人、反対する議員12人と1人差では有りましたが「廃案」を求める意見書は7月1日採択・可決となりました。
三次市市議会として賢明な判断であり、歴史的汚点にならなくてよかったと思っています。
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