(2) 香取市におけるガイドラインによる工法の検討
香取市においても、復興交付金により液状化対策事業の検討を始めましたが、細かな地盤調査の結果、粘性土層や粘性土や砂の中間のような層が厚いことがわかり、地下水位低下工法を採用した場合、地盤沈下が発生し家屋に大きな影響があることがわかり採用を断念しました。また、格子状地中壁工法については民地に壁を造る必要があり、個人の負担が数百万円単位でかかること、最近開発された土地のように土地や建物が碁盤目状の整形になっていないため、効果のある格子を実際に組むことが難しいこと、高齢化が進み各戸の経済状況も厳しいことから事業化に至ることはできませんでした。
3. 香取市の被害の特徴を踏まえた液状化対策事業の模索
(1) 側方流動現象の確認
香取市における液状化被害の大きな特徴として、最も被害の大きかった市役所周辺地区で、地盤の低い河川に向かっての側方流動という現象を起因とする被害が確認されました。
側方流動とは、液状化した地盤が土地の低いところに向かって移動することで、アラスカ地震、日本海中部地震、阪神・淡路大震災をはじめとして、特に湾岸沿いの埋め立て地などでその現象がこれまでに確認されています。香取市では側方流動により、河川護岸の損壊、道路の損壊に加え、家屋の傾き、古い家屋の引き裂きなどが発生し建物に大きな被害が発生しました。
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