【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第3分科会 石巻に虹を架けよう! ~被災地の今を見る、知る、触れる、考える~ |
東日本大震災では津波による被害の他に、液状化現象による家屋への被害、道路・水道・下水道などライフラインへの大きな被害が発生しました。液状化により死者は発生していませんが、その復旧・復興には多額の費用がかかり、地域住民には大きな負担となっています。千葉県香取市での液状化とその対策について報告します。 |
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1. 東日本大震災における香取市の被害 (1) 香取市の地形概要 | |||||||
(2) 2011.3.11 | |||||||
(3) 液状化した場所の特徴
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2. 液状化対策事業 (1) 液状化対策事業とは
国土交通省ではこれと併せて液状化対策事業のガイドラインを作成し、これにのっとり多くの市町村で液状化対策事業の検討が始まりました。このガイドラインが推奨する工法として①地下水位低下工法、②格子状地中壁工法の2つが挙げられており、①の工法により茨城県潮来市や神栖市、千葉市など、②の工法により浦安市での事業化が進んでいます。 |
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(2) 香取市におけるガイドラインによる工法の検討 3. 香取市の被害の特徴を踏まえた液状化対策事業の模索 (1) 側方流動現象の確認 |
香取市では地震後地盤の変動を確認するために、市役所周辺に都市再生事業で設置されていた基準点について、その位置と高さの再測量を行いました。その結果、国道356号より利根川寄りの、昭和初めころに利根川の浚渫土で埋め立てられた地区において地盤の低い河川に向かって地盤が最大2m水平方向に移動していることが確認されました。航空写真を見ても、地震前と地震後で小野川の川幅が狭くなっていることが確認できます。 |
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(2) 側方流動の対策を液状化対策事業に |
4. おわりに 2016年には側方流動に対する液状化対策事業が完了しました。しかし、残念ながら液状化で被害を受けた数多くの家屋への対策ができたわけではありません。私見としては、液状化対策事業のような建物が建ったままでの面的な対策を行うことは、狭い場所での工事になり工事費が多額になること、液状化の状況は家の建っている場所により違うこと、建物の基礎をしっかりとしたものにするわけでないことから、将来的な建て替えの際に更地にしたうえで基礎杭を入れる等の地盤対策を行う方が個人にとって経済的で安全性の増した建物とすることができると考えています。 |
(出典) |