3. 労働組合としての支援
(1) 2013被災地に寄り添う支援(講話・ボランティア・現地視察)
① 被災地を知る。
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切々と話す三浦勝美委員長 |
取り組みが遅くなってしまったが、2013年度から「被災地に寄り添う支援事業」として被災地支援を開始。自治労のネットワークを活かし、宮城県本部にご協力いただき、津波に流されながらも生還した南三陸町職員労働組合三浦勝美委員長による講話とボランティア活動を実施。
三浦委員長からは、「とにかく家族や職場の仲間のために、自分自身が生き残ること。」「震災後で一番つらかったのは亡くなった仲間の家族に会うこと。あわせる顔が無かった。」など、凄まじい体験を吐露いただき、参加者は真剣な表情で聞き入っていた。
翌日は職員派遣で交流のできた女川町へ。高台にある女川町立病院の1階が津波に襲われた傷跡(海抜約17m)や無残に残された建物などを見ながら女川町に派遣されていた職員が被災状況や復興計画について語った。
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2班がれき撤去作業 写真右が高橋
啓太さん |
② 刻々と変わるボランティア活動
3班編成延べ62人が今回の活動に参加。ボランティア活動は住民ニーズによって日々刻々と変わっており、全ての班で作業内容が異なっていた。ボランティア活動は社会福祉協議会が中心を担っており、自治体との連携も重要だと感じた。
1班 2013年8月8日~10日 20人
農地整備(コンクリート片、岩石の撤去、除草活動)
2班 2013年8月22日~24日 19人
宅地整備(がれき撤去、木材、タイヤ、衣料品、冷凍食品などが出土)
3班 2013年11月28日~30日 23人
漁業支援(養殖ホタテの準備作業、貝の穴あけ、紐をつなげるなど) |
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農地整備作業後の達成感あふれる1班参加者 |
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養殖ホタテの連結作業をする3班参加者 |
(2) 2014被災地に寄り添う支援(豊田市社協とシンポジウム開催)
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講演する千葉泰広さん |
① 住民への普及・啓発 2014年度は、本市の住民に被災地の当時の状況や現状を知ってもらい、防災対策意識や非常持ち出し袋などの備えを促すため、豊田市社会福祉協議会に協力いただき、福祉健康フェスティバル2014の企画としてシンポジウム「被災地の"今"」を開催した。雨の中ではあったが、多くの来場者が被災地の当時と今の状況に耳を傾けていた。
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日 時 2014年11月9日(日) |
場 所 豊田市福祉センター駐車場内 |
内 容 講演&シンポジウム |
女川町役場職員 千葉泰広氏 |
| ・震災発生後、女川町災害対策本部の運営などに尽力。 |
南三陸町役場職員 三浦勝美氏 |
| ・南三陸町防災対策庁舎に避難し、35人の職員とともに津波に流されるも、畳に乗り、生還する。流された職員の中で唯一の生還者。 |
豊田市社会福祉協議会 栗本氏 |
| ・豊田市からのボランティア派遣団を取りまとめ、陸前高田市への復興支援に従事。 |
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② 女川サンマ600本の振る舞い
女川町の特産品であるサンマを取り寄せ、組合員有志30人が炭火で焼き、来場者に振る舞い義捐金を募った。義捐金額42,516円(女川町と南三陸町へ寄付)
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シンポジウムの様子 |
津波の映像を見る参加者 |
サンマの振る舞いブース |
サンマを焼くボランティア
スタッフ |
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旬の女川サンマは本当にウマイ! |
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抜群の塩ふり技術とステキな笑顔 |
(3) 2015被災地に寄り添う支援「女川さんま感謝祭 in 豊田市」
① 労働組合の取り組みから自治体間の取り組みへ
2014年3月8日、本市は女川町を含む東北5市町と防災協定を締結。女川町は、これまで職員派遣を行ってきた本市に対し、御礼として特産品のサンマ2,000本を無償提供。主管課の防災対策課から、労働組合が持つノウハウを活かしてボランティアの募集と当日の運営をお願いしたいと一任された。
「女川さんま感謝祭 in 豊田市」と銘打ち募集。防災対策課と協力し、中学生ボランティアや自治労愛知県本部三河ブロックの仲間も協力していただき総勢108人で市民に旬サンマの塩焼きを振る舞った。集客力のあるガーデニングフェスタの1ブースとして豊田スタジアムの屋外テントで実施。当初義捐金を集める予定はなかったが、市民の要望で急きょ実施。義捐金総額130,879円(女川町へ寄付)
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<ボランティアスタッフ>総勢108人
組合員有志42人、防災対策課職員3人、女川町副町長始め職員14人、竜神中学校ボランティア34人、岡崎市労連11人、女川町派遣OB4人 |
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サンマが焼けたところは手をあげて呼び込みます |
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長蛇・長蛇・長蛇の列 |
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公務員組合だけあって、保健所の許可に従いテントに 囲いをして調理。テント内はすごい煙です。 |
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高橋啓太さんデザインのオリジナルTシャツ。 ボランティアに御礼のあいさつをする女川町副町長 |
4. ご縁がつなぐ。ご縁でつながる。
(1) 復興から福幸へ
本市派遣職員と女川町職員との絆は深い。簡単に言ってしまえば「困難を乗り越えた同志」ということだと思うが、こうして被災自治体職員との交流を継続的に進めていくと、派遣職員ではない者も被災自治体職員との再会は表現し難い喜びであり、復興支援や公務員としての自覚を呼び覚ます「原点」に返る気持ちになる。
震災前の状況になるには、まだまだ道のりは長いが、新しい街がつくられていく姿を長い目で見て、被災地を忘れないことが重要だ。
今後は、町の活性化のため、仲間に逢いに行き、美味しい物を食べ、買い物をすることが、自分も仲間も幸せにつながる「福幸支援」だと感じている。
心温まる話を1つ述べたい。本市職員で本事業に多大なる貢献を頂いた高橋啓太さんは、派遣先の女川町で現在の伴侶と巡り合い結婚。まさに福幸の象徴だ。
(2) ご縁が熊本支援へとつながる
① 豊田市社協との連携
2016年4月14日から発生した熊本地震。現在、復旧・復興が進められているが、本市においても4月22日から職員を派遣。救援物資については22~23日に市民から募り23日夜に出発。現地へ送った。救援物資の輸送については、豊田市社協が中心に実施したが、その輸送トラックの手配の陰には豊田市職労連が関与し、結果として早期対応につながったことは述べておきたい。このことを通じてこれまで社協と連携したことが次への支援へと活かされていく、つながっていくことを感じた。今年度は熊本支援に向け、豊田市社協と連携した取り組みを進めたい。
② おわりに
豊田市職労連は、今後も労働組合の原点である「助け合い」の精神を忘れずに取り組みを進め、併せて自治労の仲間作りも進めていきたい。
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