⑤ その他欄については、中津市、杵築市が国の人材支援制度を受け入れているので、補足記入した。
⑥ 手書き記入の分については、活字にした。
(6) 目玉のプレミアム商品券~新たな消費喚起率は?
創生策の当面の目玉はプレミアム商品券である。県内では18市町村全てで総額約130億円の商品券が発行される。これまで国の経済対策の一環として消費喚起を狙ったものは、1999年の「地域振興券」や09年の「定額給付金」がある。しかしいずれも新たな消費喚起率は、30%程度にとどまったとみられている。市町村では、地元商店で消費されるようさまざまに工夫を凝らしているが、勤労者の可処分所得が全体的に増えていない中、これまで同様一過性の消費刺激にとどまり、新たな消費増はさほど期待できないであろう。
以下、各自治体の調査表及び地方創生人口ビジョン・総合戦略一覧
2. 地方創生(まち・ひと・しごと)に関する調査について
(1) 安倍政権、「地方創生」推進へ
① 骨太方針2014(14.6.24)
人口急減、超高齢化、人口一億人キープ、東京一極集中是正、地域再生
② 推進体制
*まち、ひと、しごと創生本部設置(14.9.12 石破地方創生相)
* 〃 創生会議設置(14.9.19)
* 〃 創生法成立(14.11.21)
* 〃 創生長期ビジョン(14.12.27 閣議決定)
* 〃 創生総合戦略( 〃 )
(2) 「地方創生」をかかげた背景
① 「消滅都市論」ショック
*『中央公論』(14.6)増田論文「消滅可能性都市896全リスト」
*若年女性(20~39歳)が5割以下に減少(2010~40年の間)
*人口再生産力の低下と大都市への人口流出
*1万人以下の市町村523に(消滅市町村)
② 息切れ気味のアベノミクスにテコ入れ
*ローカルアベノミクス~財政出動
③ 2015統一地方選対策
*地域衰退の不満をそらす
(3) 「地域再生」の焼き直しか
① 地域再生策の経過
*2003年 地域再生本部設置(小泉内閣、地域再生相)
*2005年 地域再生法(改正を重ね施行中、14.11改正)
小泉構造改革で衰退した地域への処方箋
地域経済の活性化、地域雇用の創出、地域活力の再生、自治体の地域再生計画の認定、交付金等の特別措置
② 地域再生法と地方創生法の同時進行
*事業の棲み分けをするのか、創生法に一本化するのか
(4) 創生法、長期ビジョン、総合戦略、予算
① 創生法(資料参照)
*生活安心の地域社会、多様な人材の確保、地域の就業機会の確保
② 長期ビジョン(資料参照)
*東京一極集中の是正、若い世代の就労、結婚、子育て希望の実現、地域の特性に即した地域課題の解決
③ 総合戦略(資料参照)
*地方における雇用の創出、地方への新しい人の流れをつくる、若い世代の結婚・出産・子育て希望の実現、安心な暮らしを守る時代にあった地域づくり、地域と地域の連携
*地方創生特区の指定
*都道府県、市町村も総合戦略(5ヵ年)の策定、地方創生本部の設置
④ 15年度予算
*14年度補正予算で地方創生先行予算として5,783億円
*地方創生関連事業費1兆3,991億円
創生事業費1兆円(ただし5千億円は既存の事業費の振替)
*地方の本格的予算措置はおおむね16年度以降
(5) 自治体は新たな広域連携へ
① 選択と集中、集約とネットワーク化
*定住自立圏、地方中枢拠点都市、コンパクトシティなど
② 連携と事務の代執行
*小規模町村
③ 連携中枢都市圈の推進
*地方中枢拠点都市(総務省)、高次地方都市連合(国交省)、都市雇用圏(経産省)の統合
(6) 地方(地域)衰退の要因は何か
① 経済成長至上主義がもたらした東京一極集中
*ヒト・モノ・カネ・シゴト~地方から東京へ
② 「国土の均衡ある発展」に失敗した国土計画
*一全総(全国総合開発計画 1962~ 池田内閣)
拠点開発構想、新産都
*二全総(新全国総合開発計画 1969~ 佐藤内閣)
大規模プロジェクト構想
*三全総(第三次全国総合開発計画 1977~ 福田内閣)
定住構想、テクノポリス
*四全総(第四次全国総合開発計画 1987~ 中曽根内閣)
多極分散型、リゾート構想
*五全総(第五次全国総合開発計画 1998~ 橋本内閣)
多極型国土軸
*国土形成計画法(全総廃止 2005 小泉内閣)
*国土形成計画(2008~ 福田内閣)
開発中心型から広域ブロック別の、多様で自主的な国土構造の構築
③ 対症療法に終始の地方(地域)対策
*過疎対策法(1970~ 佐藤内閣)
*ふるさと創生1億円事業(1989年~ 竹下内閣)
*地域再生法(2005~ 小泉内閣)
*地方創生法(2014~ 安倍内閣)
④ 衰退の経済的要因
*市場経済のグローバル化、大企業のリストラ、海外移転、進出企業の閉鎖、規制緩和(シャッター通り、農林漁業の衰退)
⑤ 衰退の社会的要因
*人口減少、高齢化、若者の流出、生活基盤(雇用、教育、医療、交通など)の悪化、市町村合併
(7) 地域を甦らせるために
① まやかしの「消滅都市論」の克服
*人口減少で集落の消滅は有り得るとしても、自治体は消滅しない
*「平成の大合併」でこそ多くの自治体が消滅した
*福島原発事故による自治体消滅の可能性も
② 経済成長市場主義からの脱却を
*ヒト・モノ・カネ・シゴトの流れを変える
③ 分権的地方創生の推進を
*自治体の自発的志向にもとづく創生策を
*選択と集中~周辺地域切り捨ての危険性
*自治体の広域化、効率化よりも公共サービスの狭域化と充実を
地域自治、コミュニティ自治の構築
*"向都離村"から"離都向村"ヘ
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