【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第6分科会 復興・再興・新興!! ~消滅でも創生でもない地域づくり~ |
近年、様々な条件で遊休公共施設となる施設が増えています。そのままでは、負の遺産でしかないものをみんなで知恵を出し合い有効活用することで、都市部と異なり少子高齢化や過疎化に苦しむ地方をいかに変えることができるかということに坂井市は挑戦しています。 |
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1. はじめに (1) 坂井市と竹田地区
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2. 竹田小中学校の廃校 (1) 休校から廃校までの経緯
現在、日本全国で小・中学校の統廃合についての議論が高まっています。これは2015年1月に出された公立小学校・中学校の適正規模・適正配置等に関する事務次官通知が発端となっています。今後、日本が迎える世界に類を見ない少子高齢化による人口減少時代の到来に向けて、近隣の市町では統廃合となる小・中学校が増えてきています。通常、小・中学校の統廃合は、行政主導で行われるケースが多いのですが、今回の竹田小中学校の場合は、住民からの提案により、休校、廃校に至ったという点では、他自治体のケースとは一線を画しています。最終的に11人であった竹田小学校の児童数ではありますが、坂井市では複式学級のまま存続していく予定でした。しかし、児童の保護者からの「児童数の多い小学校で子どもを学ばせたい。」との意見もあり、竹田小学校の児童は、バスで約25分の近隣の小学校に通うことになりました。その当時の議論は、地区唯一の学校を存続させるという意見も多く、意見が割れましたが、最終的には地区として保護者の方々の意見を尊重し休校となりました。 ③ 廃校の経緯 2010年3月に休校してから、竹田小中学校は閑散とした状態が続いていました。竹田小中学校は、地区の中心地に立地し、閑散とした校舎は、地区の過疎化の象徴のように地区住民の目に映り始めました。そんな中、地区の住民が主体となり、かつての賑わいを取り戻すために2013年度の1年間をかけて、校舎を中心とした竹田地区の将来像を描いた「竹田の里将来ビジョン」をまとめ上げました。しかし、休校のままでは校舎を改修することができないため「竹田の里将来ビジョン」を実現するためには、竹田小中学校を廃校とするしか道は残されていませんでした。地区民が、136年の歴史を持ち地区民の心の支えとなっている竹田小中学校を廃校とすることは大変な決断ですが、地区の将来のため苦渋の思いで市に対し、廃校を申し入れることになりました。2014年3月、竹田小中学校は、多くの住民が名残を惜しむなか廃校となりました。
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3. 旧竹田小中学校改修事業 (1) 市の対応 (2) 改修のコンセプト
④ 施設の愛称決定 完成後の施設の正式名称は、「坂井市竹田農山村交流センター」に決定しましたが、もっと親しみやすい愛称をつけた方が良いのではないかということになり、地元の女子短大のデザイン専攻のゼミ生にお願いし、数回の住民ワークショップを開催し、愛称は、「ちくちくぼんぼん」と決定しました。「ちくちくぼんぼん」とは、竹田の「竹(ちく)」とフランス語で"良い"を意味する「Bon(ぼん)」を掛け合わせた造語です。また、「ぼん」には、竹田地区の方言で、子ども、男の子という意味もあります。 ちくちくぼんぼんホームページhttps://www.chiku-bon.jp/ |
4. 「ちくちくぼんぼん」で村おこし (1) 「ちくちくぼんぼん」がもたらすもの (2) 今後の課題 |
5. 最後に (1) まとめ |