1. 現状と経緯
2011年8月1日に松江市は八束郡東出雲町を編入合併し、市域は支所・公民館を起点として2005年の合併前の旧松江市内を21地区(公民館区)、旧八束郡内を8地区(旧町村区)の29の地域に区分されている。
松江市と八束郡の変遷を、戦後の1947(昭和22)年から時系列で示すと、
① 1市3町28村(計32団体)1947(昭和22)年度当初
1947年12月28日恵曇村が町制施行
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② 1市4町27村(計32団体)1947(昭和22)年度末
1948(昭和23)年10月10日松江市に法吉村が編入合併
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③ 1市4町26村(計31団体)1948(昭和23)年度末
1950(昭和25)年9月21日松江市に竹矢村と乃木村が編入合併
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④ 1市4町24村(計29団体)1950(昭和25)年度末
1951(昭和26)年4月1日松江市に忌部村と大庭村の大字平原地区以外が編入合併
同日岩坂村、熊野村、大庭村の大字平原地区が合併し八雲村が誕生
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⑤ 1市4町21村(計26団体)1951(昭和26)年度末
1953(昭和28)年4月1日松江市に生馬村と持田村が編入合併
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⑥ 1市4町19村(計24団体)1953(昭和28)年度末
1954(昭和29)年4月1日揖屋町、意東村、出雲郷村が合併し、東出雲町が誕生
1955(昭和30)年3月10日松江市に古江村、本庄村が合併
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⑦ 1市4町15村(計20団体)1954(昭和29)年度末
1955(昭和30)年4月3日宍道町、来待村が合併し、宍道町が誕生
1955(昭和30)年4月13日美保関町、片江村、森山村、千酌村が合併し、美保関町が誕生
1956(昭和31)年1月10日大芦村、加賀村、野波村が合併し、島根村が誕生
1956(昭和31)年3月3日恵曇町、佐太村、講武村、御津村が合併し鹿島町が誕生
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⑧ 1市4町6村(計11団体)1955(昭和30)年度末
1959(昭和34)年1月1日玉湯村が町制施行
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⑨ 1市5町5村(計11団体)1958(昭和33)年度末
1960(昭和35)年8月1日松江市に秋鹿村、大野村が編入合併(旧松江市、旧八束郡域確定)
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⑩ 1市5町3村(計9団体)1960(昭和35)年度末
1969(昭和44)年4月1日島根村が町制施行
1970(昭和45)年4月1日八束村が町制施行
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⑪ 1市7町1村(計9団体)1970(昭和45)年度末
2005(平成17)年3月31日松江市、鹿島町、島根町、美保関町、八束町、宍道町、玉湯町、八雲村が新設合併し、新松江市が誕生
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⑫ 1市1町(計2団体)2004(平成16)年度末
2011(平成23)年8月1日松江市に東出雲町が編入合併、現在に至る
となる。
2014年度末時点での地域別人口(総数204,785人)を見ると、
最少 大野地区 1,379人
最多 乃木地区 16,115人
人口規模の差 約12倍
となっており、支所別人口とではなく、旧松江市域において大きな開きが生じていることは注目すべき点である。
なお支所別人口では、
最少 島根支所地域 3,635人
最多 東出雲支所地域 15,507人
人口規模の差 約4倍
となっている。
同時点での松江市全体の高齢化率(65歳以上人口の割合)は27.4%(65歳以上人口56,009人)で、地域別の割合をみると、
最高 美保関支所地域 41.1%
最低 川津地区 19.4%
高齢化率 約2倍
となっている。また、行政サービスの提供体制・システムを検討するうえでは、高齢化率だけではなく、高齢者人口にも着目すべきで、最多であったのは古志原地区で3,816人(高齢化率27.8%)となっている。
今後松江市の人口は減少し、高齢化率は上昇すると予測されており、高齢者ほど「地域コミュニティー」に頼らざるを得ない現実を鑑みると、早い段階から地域コミュニティーの復活・充実を考えておく必要がある。
支所・公民館から本庁舎まで一番遠い距離に位置するのは宍道支所(約20km)だが、移動時間で計ると道路事情もあり、美保関支所で所要時間は約40分である。
次に、地域コミュニティーの基礎となる町内会・自治会連合会への加入状況(2014年4月30日時点)で、加入率が高い地域は
美保関支所地域 83.9%
宍道支所地域 82.1%
となっている。逆に加入率が低い地域は
川津地区 44.8%
津田地区 49.7%
となっている。
加入率が高い地域は、旧八束郡が多く、持ち家の割合が高く、住民の異動が少ない地区が該当するものと思われる。逆に加入率が低い地域は、アパート・マンションが多く、住民の異動が多い地区が該当するものと思われる。 |