【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第6分科会 復興・再興・新興!! ~消滅でも創生でもない地域づくり~ |
この研究では、本町における人口の現状を分析するとともに、住民と九州中央自動車道建設に伴う人口に関する認識を共有しながら、今後めざすべき将来の方向と人口の将来展望を提示するとともに、人口減少に歯止めをかける積極戦略と、人口減少に対応したまちづくりを行う調整戦略のバランスを図りながら、今後の人口の変化が地域の将来に与える影響の分析・考察を行い、めざすべき将来の方向等を提示します。 |
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【目 次】
1. 研究にあたって |
1. 研究にあたって
(1) 研究の背景
(2) 研究の位置づけ |
2. 五ヶ瀬町の人口の現状分析
(1) 人口の動向分析
イ 年齢3区分別人口の推移 「年少人口」(0~14歳)、「生産年齢人口」(15~64歳)は、総人口の推移と比例するように減少傾向が続きます。 「老年人口」(65歳以上)は、平均寿命が上昇したことなどから一貫して増加し続けていましたが、2010(平成22)年の国勢調査では初めての減少となり、前回調査から50人の減少になっています。
1960(昭和35)年と2010(平成22)年の人口ピラミッドをみると、ピラミッドの形が三角形からつぼ型に変化しています。国の人口ピラミッドでは団塊ジュニアによる40歳前後にも大きな膨らみがみられますが、本町においてはそれがみられません。 また、2010(平成22)年は20代の人口が極端に少なく、進学や就職で大部分が町外へ流出していると考えられます。今後、その世代が本町へ戻ってくる施策や魅力ある地域、子育て支援が必要であると考えられます。
ア 出生数と死亡数の推移 本町の出生数は、1980(昭和55)年で90人を超えていましたが、徐々に減少し、ここ数年は20人台で推移しています。死亡数について、50人前後で推移してきましたが、近年は60人を超えており、総じて自然減の状況になっています。
本町の転入数は相対的に減少傾向にあります。1994(平成6)年から1996(平成8)年は転入者が転出者を上回っていますが、五ヶ瀬中等教育学校の開校によるものと予想されます。転出数も、同じく減少傾向にあり、近年は240人前後で推移しています。
本町の合計特殊出生率は、2003(平成15)年~2007(平成19)年の期間に1.76まで低下しましたが、2008(平成20)年~2012(平成24)年の期間で上昇し、1.82となっています。国および宮崎県よりも上回って推移しています。
人口移動の都道府県別の移動状況では、転出先は宮崎県内が472人と最も多くなっています。次いで、熊本県、福岡県と続いています。転入元においても宮崎県内が最も多くなっています。次いで、熊本県、福岡県と続いています。 また、宮崎県内での移動状況は、転出・転入ともに宮崎市が最も多くなっています。 <都道府県別・移動状況(上位10位)>
2010年の本町の常住人口(夜間人口)は従業地・通学地人口(昼間人口)を上回っています。昼夜間人口比率は91.6%となっており、宮崎県内26市町村のうち20番目と下位となっています。この数値は、町内に働く場所が少ないことが要因であると予想されます。
国勢調査を始め、宮崎県推計人口調査、住民基本台帳等の各データにより人口・世帯数の現状分析を行いました。 総人口について、昭和40年代の急速な人口減少は、平成に入り一時的に微減になったものの、近年、再び減少幅が大きくなっています。 階層別データでは、増加を続けていた65歳以上人口が、2010年に減少に転じています。今後については、高齢化率は高い数値で推移していくものの、高齢者数は減少していくと予想されます。人口ピラミッドからは、20歳前後の人口が極端に少ないことが確認されました。進学や就職により大部分が町外へ流出していると予想され、若者が働くことのできる就業環境の整備が必要だと考えられます。 自然増減では出生者数は減少傾向、死亡者数は増加傾向にあり、死亡者数が出生者数の3倍近い数字となっています。自然減を抑制するため、若者の就業環境整備と併せ、結婚、出産、子育て等の支援による出生数増加の対策が必要です。 社会増減では、県内市町及び近隣県への転出者により減少となっています。転出先は県内では宮崎市、高千穂町、延岡市の順で転出者が多く、県外では、宮崎県を除くと熊本県、福岡県などが多くなっており、九州内の都市へ転出する傾向が強いと分析します。現在、九州中央道の整備が進められており、今後、転出先の上位にある熊本市や延岡市などが通勤圏となる可能性もあり、転出抑制に期待が寄せられます。 合計特殊出生率は2003年~2007年の期間に減少しましたが、2008年~2012年の期間で上昇しました。2003年以前の出生率は2.10~2.48と高い数値で推移しており、出産や子育ての支援を充実させることで、出生率の回復は可能と思われます。 昼夜間人口比較では、比率が91.6%と県内市町村でも下位となっており、他の市町村に比べ、昼間は町外で仕事に従事している人や学校に通学する人が多いことがわかりました。本町に働く場が少ないことが要因と思われます。
(2) 将来人口の推計
(3) 人口の変化が地域の将来に与える影響 |
3. 九州中央自動車道による人口推計
(1) 九州中央自動車道計画と進捗状況 嘉島JCT~矢部ICまで開通すると下記表のとおり熊本市までの所要時間が大幅に削減され、熊本市が五ヶ瀬町の通勤圏内になります。 |
4. 人口の将来展望
(1) めざすべき将来の方向
(2) 人口の将来展望
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