【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第9分科会 QOD(Quality of Death)を迎えるために ~地域でできること~ |
市民が住み慣れた地域で人生の最期まで自分らしく暮らせるまちづくりのため、西東京市に最もふさわしい(西東京市らしい)地域包括ケアシステム、言うなれば「オール西東京モデル」を模索しつつ施策を進めてきました。本レポートでは、これまでの西東京市における取り組みや、これから我々が取り組もうとしていることについて、在宅療養・介護連携推進事業を推進している現場職員の立場から報告します。 |
|
1. 西東京市の現状
(1) 西東京市の概要
(2) 市の将来予測
また、同じく2025年には、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることで、後期高齢者数が前期高齢者数を上回り、これまでのような医療・福祉・介護の体制では高齢者をささえきれなくなることが予想されています。 ③ 高齢者の単身世帯が増加 さらに、高齢者の増加に並行して高齢者の単身世帯の増加も予想されています。 市の推計では、高齢者の単身世帯は2013年時点の約7,600世帯から2025年には約12,600世帯へと増加することが予想されています。 ④ 都内で認知症高齢者が増加 また、都内で見守りや支援が必要な認知症高齢者(日常生活自立度Ⅱ以上)の数も、2013年と2025年を比較すると約1.6倍に増加することが予想されており、すでに、西東京市においては、認知症高齢者(日常生活自立度Ⅱ以上)は2015年3月末現在で5千人を超えています。
(3) 市民のニーズ |
2. これまでの西東京市内各団体の医療と介護の連携に関する
(1) 有志で連携について考える場を設置
(2) ケアマネジャーによる取り組み
(3) 在宅医療・介護連携を進めるための市の体制整備 |
3. 在宅医療・介護連携について議論する場
(1) 在宅療養推進協議会の設置
(2) 在宅療養推進協議会部会の設置
この部会を設置するにあたって、最初に検討が必要な要素と段階的な計画を立案することから始めました。 在宅療養環境整備のために必要であると我々が考えた要素は、在宅医療・介護連携の相談窓口づくり、医療・介護の資源づくり、在宅療養者を支えるための受け皿づくり、多職種連携のしくみづくり、市民への普及啓発、調査・ヒアリング等になります。このため、上記のテーマについて、その実現に向けて共に考え、実践していただける、市内で中核となる人材を集め、各部会に参画いただくことにしました。 ③ 市主導の部会運営 この部会を立ち上げるにあたって、我々が重要なことと考えたのは、部会長を誰にするのかという点です。他市の例をみると、医師や専門職が部会長に相当する職に就く傾向があります。 その中で、我々は部会長を市職員としました。これは、担当部署である我々と密に連絡を取りながら、共に部会の議論を進めていただき、医療側、介護側に偏らない公平な立場から意見をまとめられることをめざしたからです。 ④ 部会メンバーの選定 そして、いよいよ部会を立ち上げることになった際に、一番難航した部分が部会のメンバー選定でした。理由としては、これから西東京市に合った地域包括ケアシステムを今後10年間かけて構築していく際に、これらの部会が強力なエンジンとなるために、以下の要件について考慮したためです。 その要件とは、(ア)これまでの専門職としての活動実績や常に公的な意識をもっていること、(イ)医療と介護の連携について改善したいと考えていること、(ウ)市民のために自分たちの専門性を向上したいと考えられること、(エ)何より部会のテーマを議論するにあたって必要な人材であると考えられること、の4点です。 ⑤ 今までの経験が活きたメンバー選定 そのような、西東京市の正に宝ともいえる人材を選定していくにあたって、以前から長く市内の高齢福祉分野に携わってきた私の専門職としての経験や、人とのつながりが大きく役立ちました。一般的に、市役所の中で行政職として長く同じ部署に在籍できる専門職は本当にわずかですが、長く在籍できることのメリットが今回発揮できたのではないかと考えています。
(3) 在宅療養推進協議会の市への移管
(4) 新たな部会の設置
|
4. 在宅医療と介護の連携拠点
(1) 在宅療養支援窓口部会での議論
(2) 西東京市に合った在宅療養支援窓口とは
(3) 今後の検討課題 |
5. いざというときでも安心できるしくみづくり
(1) 在宅医療における後方支援病院との連携事業
(2) 在宅療養後方支援病床確保事業
(3) 今後の検討課題 |
6. 「オール西東京モデル」の構築に向けて
(1) 市内多職種連携の推進
(2) 他市町村との連携の推進
(3) 医師会との連携の推進
(4) 市民の選択と心構え
(5) 市役所がやるべきこと
(6) 「西東京市に一番ふさわしい地域包括ケアシステム」の模索 |