【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第9分科会 QOD(Quality of Death)を迎えるために ~地域でできること~ |
野々市市では、2020年頃から超高齢社会になると推計されている。高齢者の増加にともない、医療・介護ニーズが増大されるとともに、複雑で多様化した高齢者の生活課題が出てくる。
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1. はじめに 野々市市は、石川県のほぼ中央に位置し、肥沃な土地と良質な地下水に恵まれた手取川扇状地の北東部にあり、面積は13.56km2とコンパクトながら多くの商業施設が立ち並び、充実した交通網にも恵まれ大変生活しやすいまちである。
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2. 超高齢社会と向き合う 2009年度では高齢者単身世帯と高齢者夫婦世帯の合計が2,166世帯であるのが、2012年度では2,795世帯、2014年度では3,365世帯となっており、明らかに高齢者は増加している。このような状況を受け、今後ますます医療・介護ニーズが増大されるとともに、介護保険サービスや市福祉サービスだけでは対応できない複雑で多様化した課題が出てくると考えられる。
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3. 地域支え合いマップの取り組み その手段の1つとして住民流福祉総合研究所の木原孝久所長が考案した「地域支え合いマップ」を参考とした。
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4. コミュニティカフェの取り組み そのような動きの中で、地域住民が気軽に立ち寄り、住民同士で新しいつながりを生み出せるような居心地の良い場所を作ろうという動きが急速に高まっていった。
さらに、高齢者だけでなく子育て世代や学校帰りの小学生が集うようになり、幅広い年代の方が交流している。「高齢者が小学生の宿題を教える」「子育て世代の悩みを高齢者がアドバイスする」など、当初の予想を上回る効果も生まれた。
その結果、高齢者の集う場として運営形態は様々だが、少しずつコミュニティカフェが市内に立ち上がってきた。例えば、あるお寺では、お寺を利用して茶話会のほかにヨガ講座を開設している。子どもから高齢者まで幅広い年代の人にも利用してもらいたいという想いで、本堂を子どもたちが遊べる場所としても提供している。 |
5. 一人ひとりの人生から考える 厚生労働省の社会保障審議会介護給付分科会の資料として公開しているNPO法人高齢社会をよくする女性の会が、2014年9月に実施した調査では、「地域包括ケアシステム」について、「よく知っており、理解している」と回答したのは、全体の2割にも満たない数(17%)という結果であった。
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6. 今後に向けて 以上のように、野々市版地域包括ケアシステムを構築するにあたり、市民や関係機関の当事者意識の醸成を図ることが必要不可欠である。しかし、まだまだ地域包括ケアシステムの認知度は低いのが現状である。地域包括ケアシステムという言葉を理解していなくても、既に関連する活動に取り組んでいる場合がある。 |