【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第9分科会 QOD(Quality of Death)を迎えるために ~地域でできること~ |
認知症高齢者の暮らしをこれからどうやって支えていくか。自治体にとって大きな課題です。今回このレポートで豊後大野市のオレンジカフェの取り組みを紹介し、一方で、認知症高齢者の暮らしを支えるのは市民活動だけではなく、実態に即した法や制度の整備を早急に進めなければならないことを報告します。 |
|
1. 笑顔が集まるオレンジカフェ
「おはようございます」 |
2. オレンジカフェが関係者みんなの自己実現の場所に
あんしん研究会がオレンジカフェを始めたのは、一昨年(2013年)9月14日。始めたばかりの頃は、どれくらいの参加者があるか不安だったらしいのですが、始めてから段々と口コミで広がって、今では参加者はだいたい30人くらいになっています。多い時には40人も参加者が。スタッフの皆さんは大変なようですが、何があっても笑顔でとスタッフミーティングで申し合わせ活動しています。カフェが認知症高齢者やその家族だけでなくて、ボランティアスタッフの生きがいにもなっているそうです。 |
3. 「認知症」を「痴呆」と言っていた頃、あんしん研究会設立
介護保険がスタートした頃、また「認知症」を「痴呆」と言っていた2001年9月、三重町役場の一室(現在は合併して豊後大野市三重町)で認知症高齢者の在宅介護に悩む家族が集まって話し合いました。
設立から12年。認知症家族が集まって情報を交換し合う活動から出発して、今は、認知症の啓発活動や市の認知症関係会議へ出席して発言するなど、年々その活動の領域は広がっています。 高齢化が進む地域で認知症をどう支えるかは大きな課題です。ズバリそれは地域社会の様々なシステムを大きく変えていかなければならないと思います。あんしん研究会のような市民活動が県内各地で行われ始めていることもその証だと思います。このことで誰もが安心して暮らせる地域を市民自身で創ることにつながると思います。 |
4. 認知症の老老介護を支える体制整備を
しかし誰もが安心して暮らせる地域づくりは市民の活動だけでは実現できないことも事実です。たくさんの課題がある中で、市民の活動をしっかりと支援する行政の政策、法制度の整備などが必要です。 |
注)レポート作成後の2016年3月1日、最高裁は「家族に賠償責任はない」とする判決を出した。 |