【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第9分科会 QOD(Quality of Death)を迎えるために ~地域でできること~ |
点を繋げ線にし、線を増やし面に変えていく。地域コミュニティーの活性化とは、そのような作業ではないだろうか。私たちはサロンを例にとり、サロンの現状、運営における課題、地域に与える影響をみていくことで、高齢者だけでなくあらゆる世代を巻き込んだ地域コミュニティーの再生について考察した。 |
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1. 研究テーマ選定に至る経緯 我々の生活と台風や地震、降灰といった自然災害は切り離せないものである。特に大規模災害では、自治体や個人の力が試される場面は数多い。また、それ以上に地域の力も試される。そのような万が一の状況に備えるため、防犯のため、高齢化社会による孤独を少なくするためなど、様々な理由から地域コミュニティーの再生が声高に叫ばれて久しい。 2. サロンとは 1994年に全国社会福祉協議会によって提唱され、ふれあいサロンやいきいきサロンとも呼ばれている。住民が主体的に取り組む活動で、誰もが自由に参加でき、地域への関心を深め、地域の中の居場所づくりや助け合いを育む地域づくりをめざすものである。2013年現在、全国で6万箇所以上あり、その多くは高齢者を対象にしている(注1)。 3. サロンの運営形態 町内のサロンは、高齢者を対象にしたものが多いが、多世代交流をしているところもある。全国的に見ると近年では、子育て中のお母さんと子どもを対象にした子育てサロンをはじめ、誰でも参加できるサロンや男性のサロン、高齢者に接する機会がない子どもと高齢者のサロンなど、多種多様な活動内容や運営形態がみられるようになってきている。 4. サロンの現状 三股町内のサロンは、以前から地域コミュニティーがしっかりしている地区や元々人の集まる場所、自宅や自宅周辺で実施している場合が多く、利用しやすい環境にあるため、比較的順調に運営されているところが多い。
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5. サロンの課題 課題を明らかにするため、町内の幾つかのサロン運営者及び利用者、また非利用者に聞き取りをしたところ、以下のような意見を聞くことができた。 6. 実 験 研究と併行して、活動内容の参考になればとの思いからロケットストーブを使った実験を行った。ロケットストーブとは、少しの道具と廃材で強力な火がおこせる装置であり、屋外での活動時に利用できるもので、災害時等にも活用が期待できる。 7. 政策提案 サロンを通じた地域コミュニティーの再生を考えたが、我々の考えと運営者および利用者の考え、非利用者の考えに大きな差があることがわかった。それらを踏まえた上で政策提案を行う。 8. まとめ 私たちは、地域コミュニティーについてサロンを例にとり、自治研に取り組んだ。調査を終え、住民の思いや地域の問題が浮かび上がってきた。様々な意見があるのは当然であり、抱えている問題も違う。しかしながら根底にある共通な思いは、人とのつながりの重要性や助け合い精神ということだと感じた。まさに共助であり、地域コミュニティーの大切さを再認識した。 |