2. 地域の現状と課題
(1) 日之影町の高齢者の現状と介護保険サービス(フォーマルサービス)
① 宮崎県西臼杵郡日之影町は人口約3,900人、高齢者数は約1,800人、10人に4人以上が高齢者で、一人暮らし高齢者、高齢者世帯の割合も高く、また渓谷のまち・日之影町というだけあって、ほとんどが急峻な地形で、中心部から車で1時間くらい要する地区もあり、膝や腰をいためた高齢者が多いことが特徴的です。
高齢化率を全国及び宮崎県のデータと比較すると、全国が26.7%、県が28.6%で、全国及び県平均をはるかに超えています。一般的に、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、さらに高齢化率が21%を超えた社会を「超高齢社会」と呼んでいますが、本町はすでに「超高齢社会」を迎えています。
高齢化の要因としては、平均寿命が延びたことと出生率の低下による少子化及び若者人口の流出による相対的な高齢化の上昇が考えられます。特に75歳以上の後期高齢者、一人暮らしや高齢者の世帯、認知症の高齢者が増加しており、介護が必要な方々が年々増えています。
介護保険に関しては、介護保険のサービス費用の推移表(図3)のとおり、認定者数と給付額ともに2012(平成24)年度をピークに若干減少しており、横ばい傾向と見込んでいます。
第5期保険料は4,900円(県平均が5,142円で26市町村中11番目)、第6期保険料:5,600円(県平均5,482円で26市町村中5番目)で、また上昇率は14.3%(宮崎県の市町村中第6位)でした。
持続可能な介護保険制度の構築に資するために本町では介護給付費、介護保険料の抑制が喫緊の課題です。
今後は、地域包括支援センターを中心に地域包括ケアシステムの充実と認知症の早期発見と早期対応、今年度から開始となった新総合事業など介護保険制度改正への対応で生涯心身ともに健康で活き活きと住み続けられるまちづくりを町民・事業者・関係者等と連携・協働しながら進めていかねばなりません。
利便性には恵まれていなくとも、これまでは地域や近隣の助け合いで補ってきましたが、若年人口の流出や出生率の低下による人口の減少から過疎化・高齢化が進むにつれ、かつての家族や地域における人とひととの繋がりが薄れ、相互扶助機能も弱まっています。いまこそ町民の生活に住民同士の「助け合い」「支え合い」をより強固にしていく地域づくりが求められていると実感しています。
図1 日之影町の人口構造
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図2 日之影町内の65歳以上の人口推移
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図3 介護保険のサービス費用の推移
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図4 介護保険料月額の推移
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② 町内の居宅サービスは以下のとおり
・居宅介護支援事業所:3(社協、法人2)
・通所介護事業所:3(社協、法人2)
・訪問介護事業所:1(法人)
・訪問入浴事業所:1(法人)
・訪問看護事業所:1(町立病院)
・短期入所施設:1施設5床
・認知症対応型共同生活介護:1施設1ユニット
・地域包括支援センター:直営
③ 町内の介護保険施設は以下のとおり
・介護老人福祉施設:1法人45床
他は、町外の特養、老健、療養型施設を利用
④ 地域包括支援センター……保健センター内に行政直営(2013年度から)
(2) 日之影町の介護保険以外のサービス(インフォーマルサービス)
① 地域支援事業は以下のとおり
・通所事業(運動教室、栄養教室、認知症予防教室)
・訪問事業(閉じこもり・うつ予防訪問)
・家族介護教室
・介護用品(オムツ)給付
・介護慰労金支給
② 生活支援ハウス 8床(一時的入所施設 社会福祉協議会運営)
③ 給食配食サービス 週3日 @350円
④ 生活支援訪問サービス(介護保険非該当 軽度支援でのホームヘルプサービス) @200円
⑤ 緊急通報システム
⑥ ミニデイサービス「まさのや」「だるまや」「筋トレ倶楽部」 (社協)
⑦ ふれあいいきいきサロン
⑧ おれんじカフェ (若年性認知症者対応 地域包括支援センター)
⑨ 百歳体操・介護予防事業 (保健センター)
⑩ 高齢者住宅助成事業(県補助)
⑪ シルバー人材センター
⑫ 老人福祉大学・高齢者教室
⑬ 養護老人ホーム八戸清流園(54床)
⑭ 遠距離通所助成事業:中心部から15km以上離れた場所に居住する住民に通所サービスを提供する事業者に費用の一部を助成
⑮ お助け2680(ちょっとした困りごと対応:社協新事業)
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