【自主レポート】 |
第36回宮城自治研集会 第11分科会 じちけん入門!! ~じちけんから始まる組合活性化~ |
今年4月から実施が義務づけられた「人事評価制度」の導入に先立ち、組合員・住民にとってよりよい制度としていくために、当局を巻き込みながら制度設計してきた取り組みについて紹介します。 |
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1. 喜茂別町の概要 2017年に開町100周年を迎える、『人と自然がきらめく町』喜茂別町は、札幌市と隣接する農業のまちで、北海道南西部、羊蹄山東部の麓にある、人口2,246人、総面積189.5km2の小さなまちです。 |
2. 喜茂別町役場職員組合の概要 喜茂別町役場の職員数は72人(うち任期付職員2人、臨時職員7人)です。 |
3. 人事評価制度の検討について 本町では、2014年10月、当局より人事評価制度導入にあたって検討委員会設置の協議があり、「賃金抑制など処遇管理型(成果主義型)ではなく、人材育成に重点を置き、組織としての総合力を高めるための人事評価制度とする」ことを確認し、組合、当局両者による検討委員会を設置して、これまで先進地視察や毎月の定例会議などを行い、検討を重ねてきました。そして2015年11月から2016年2月までの試行期間を踏まえて、4月より制度が本格導入されています。
視察した長野県松川町では、単なる格付けの制度ではなく職員の能力向上を組織的に推進するためのツールとしており、人事評価制度を導入して9年が経過しているものの、より良い制度運用のため試行錯誤を繰り返している状況であったことから、制度ができたらゴールではなく、そこからがスタートであることを検討委員会全体で認識することができました。 視察研修をふまえ、本町の人事評価制度は、人材育成を主眼とすることを検討委員会全体の共通認識とし、制度の作成を進めてきました。 検討協議を重ねて作成した人事評価制度について、11月から2月までを試行期間とし、組織目標シート・個人目標管理シートの作成、管理職との個人面談、評価を行いました。 個人目標管理シートの作成や管理職との個人面談により、自分自身の仕事に対する至らない点や評価されている点などが理解でき、これまで考えることが不足していた仕事に対する向き合い方や進め方を意識して考える時間ができた一方、管理職が作成しなければいけない組織目標シートを完成させた管理職が少なく、管理職・副町長との個人面談が行われなかった部署が多かったこと、全職員対象の説明会が行われたものの、制度の進め方の理解が不足するなど、試行の中で課題点、疑問点が多く見えてきました。 制度実施前に、制度の理解不足の改善や、管理職による組織目標シート作成、個人面談の実施の徹底、既に設置済であるセクシャルハラスメント対策委員会の機能を拡充させた、あらゆるハラスメント対策を含めた人事評価制度等に対する苦情相談窓口となる委員会設置を協議・事務レベル協議等で求め、当局より徹底させる旨の回答を引き出すとともに、「人材育成に重点を置き、組織としての総合力を高めるための人事評価制度とすること」を再確認してきました。 2016年4月に制度が開始されましたが、職員一人ひとりが本制度の主眼を正しく認識することで、経験年数の浅い職員がゼネラリスト・スペシャリストとして育成され、組織の総合力を高めることに結びつき、結果として住民サービス向上に繋がることとなるので、当局に対し制度運用の徹底を求めていくとともに、職員が一丸となって本制度を運用し、住民が安心して暮らせる『人と自然がきらめく町』をめざしたいと思います。 |