4. 「結」⇒「先人の苦労に感謝 未来に責任」
(1) ザ・自治研
① レポートの山
数多くのキーワードから生まれたテーマはレポートの骨格を成すものであったが、調査研究を進める間にテーマひとつひとつがレポートそのものに匹敵する内容になっていった。推進委員7人が7本のテーマで「戦後70年をふりかえる」予定が、時間とともに7本のレポートになりつつあった。それはツアーで各テーマの報告書を作成したとき「A4-1枚で報告を」の確認に対して「表1枚」と「裏表1枚」の2種類のレポートが出されたことでも明らかであった。
② テーマはどこにでもある
テーマを考えると悩み、それが自治研活動のネックになっているような事があるが、何となく並べる単語や、最近気になる事業や出来事。そんなところから今回のテーマは生まれ、テーマに基づき調査する人は、自分と関係の深いテーマに落ち着いていく。「知りたい」という気持ち願望が全体の中で膨らんでいくと調査は一気に進んでいくが、結局は「やる気」の問題だ。
③ 「始まり」は、「集まり・話し合う」ことから
ひとりでは何も思いつかないが「自治研」をはじめようとする声掛けに集まり、「何をするか」の少ないキーワードに基づき話し合うことから方向性が出てくる。具体的な実行案件(会議など)も、一人だと諦め避ける事が、みんなで分担し考えていくと実行できるものである。組合員の休日にツアー企画を実行するなど到底一人では諦めていた。やりたい、どうすれば出来るか、みんなで悩むと答えも結構出てくる。
(2) 温故知新
① 振り返ることで、わかったこと(先人の苦労)
今でこそ当たり前の「総合計画に基づく行政運営」や「予算主義に基づく財政規律」。初めて取り組んだ先輩の話には「この人が、今の財政運営の基礎をつくったんだ」と感心するしかなかった。昔、財政破綻し国の管理下におかれた町村が多数あった、という話がとても身近に感じられた。
② 振り返ることで、わかったこと(未来への責任)
先輩たちの苦労で今の私たちの平和で安定した生活があると考えると、私たちは、それに感謝しながら、私たちの後輩や子や孫に責任ある社会を残す、創る責任があることに気付いていく。今回の活動で、いま私たちが、行っている仕事や運動は、未来の安心、安定社会の源になるとあらためて確信できた。
(3) アーカイブ「記録に残す」
① 「始まり」は、未来では宝物
今回の自治研活動は8年追い続けた「自治基本条例」の集大成を思い描きながら、地方本部の統一テーマとの二兎を追う予定でスタートした。結果として地本テーマの「戦後70年をふりかえる」に収斂した。そしてレポートは戦後70年の歴史と自治研活動実践を並列して報告するものとなった。少し厄介なレポート構成になったが、この10年の自治研活動の実践方法の報告を付加することで、このレポートがまた次回のレポートのスタートになる「現在進行形のレポート」になったのではと考える。
さらに今回「始まり」を振り返ることでメンバーが感じたことは「資料・記録が無い」ことである。聞き書きが重要な情報源であった。小さな町の歴史だがアーカイブスとして残していくことの重要性を身に染みて感じた。今は、大したことではない事柄でも、担当課の文書として編纂されていても保存年限で処分され、将来わからなくなる可能性が高い。今からでも遅くは無く、記録を残すマニュアルの整備、そして過去の出来事の聞き書きを、行政の仕事として位置づけることが大事だと思う。
| 歴史の上に、今の私たちの安定した生活がある。 | |
| 私たちの運動の上に歴史(未来)は創られる。 | |
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