1. 昨年(2015年)研究の考察
■大和高田市について
大和高田市は、奈良県中西部に位置しており近年は人口が減少傾向であるが、昼間人口は多く、中核都市としての性格が表れている。
大和高田市の面積は16.48平方キロメートル(周囲26.4km、東西4.8km、南北5.1km)であり、人口は約67,045人(2016年7月1日現在)、県内で最も人口密度が高い。
市の西北部には5世紀の大型前方後円墳があり、馬見古墳群の南端を形成している。また飛鳥時代に造営された横大路が市内を東西に貫通している。
江戸時代には諸藩領や天領が錯綜しており、中期以降綿作が盛んになると本郷地域を中心に市場町として発展し、近代には紡績工場が設置されたことで繊維産業の中心地となった。1960年代以降、この紡績工場が閉鎖され、最近では中国製品との競合もあり、地場産業である繊維産業は外国製品に押されているのが現状である。
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昨年の自治研活動では、大和高田市に焦点を当て、地域活性化の視点から大和高田市既存施設の活用研究を行った。既存施設を活用する方法を軸に大和高田市の地域おこしについて考察した。
大和高田市の既存施設の中でも、その市内中心街には商店街が複数存在し、かつてはその商店街を中心として、映画館や商業施設が建ち並び、「買い物=大和高田」と言われ、人々が行き交っていた。しかし、全国の状況と同じく近年の都市環境の急激な変化にともない、中心市街地の空洞化が進んでいる。買い物客は、大都市である大阪や近隣の大型ショッピングセンターへ流出し、大和高田の商店街はかつての賑わいを失いつつある。商店街に人々を再び呼び寄せ、地域の活性化、地域おこしを図ることが求められていることから、2015年は第1ステップとして、今の大和高田の街を活かした地域おこしを多面的な観点から考えるため、商店街の活性化という点について、次の通り取りまとめた。
(1) 子育てしやすい街づくり
子どもが活き活きとしている街は、「子育てしやすい街」としてアピールすることができることから、次代を担う子どもを大切にし、親として子育てしやすい街づくりを行っていくことが地域の活性化につながる。
(2) 映画のまちで街づくり
かつては市内に多くの映画館があり、そこに集った人々の記憶は今も忘れ難い大切なもののはずである。そこで、「新しさ」と「懐かしさ」を兼ね備えた映画プロジェクトを考える。文化建築や古民家を映画館として再利用し、子ども向けアニメ、昔の映画、邦画洋画にかかわらず名作を上映するなどして、人々を街に集め、大和高田の良さを知ってもらう機会を創出する。
(3) さまざまな人々を呼び込む街づくり
大規模イベントなどで一時的な集客を考えるのではなく、人々が何度も商店街に来たくなる仕掛けづくりが必要である。
例えば、商店街近隣には高校や大学があることから、学生を商店街に呼び込むような空き店舗を活用して自習場所、談笑できる場所、手作り物品を販売する場所、子どもに宿題を教える場所などを設けたり、食べ歩きができる商店街づくりを行ったり、商店街マップや観光パンフレットを置いて休憩できる場所を設けたりなど、大和高田市の良さを肌で感じてもらい、普段の出かけ先に大和高田を加えることが重要である。
2. 昨年(2015年)研究のまとめ
商店街を取り巻く現状は厳しいものがあるが、地域とともに存在する商店街をめざして、商店街に地域貢献の機能を持たせることは重要である。地域コミュニティの向上、高齢社会への対応、防犯・防災活動への取り組み、環境活動の推進、地域産業との連携など街全体の課題に商店街が関わっていくことが必要である。
手法はさまざまであるが、まずは人々に商店街の良さを再認識してもらうことが第一である。そのためには、「何もできない」ではなく、「何かしてみる」という商店街再生を考える人々の集団をつくる。行政として金銭面だけではなく、人材育成の観点から支援を実施していく。全く、新しいものを作る必要はなく、今あるものを活かしていく。そのような地域活性化をめざすことが必要であるとの結論に至った。
今年は、そのまとめから更に具体化した取り組みができないか、第2ステップの取り組みを研究することとした。
3. JR高田駅及び近鉄大和高田駅周辺商店街の現地調査
2016年2月11日に、再度大和高田の商店街の現状を把握するため、大和高田市職の協力のもと、商店街の方々への取材をしながら現地調査を行った。
(1) JR高田駅から近鉄大和高田駅周辺
① 取材内容
ア かつて大和高田市は、工場の町としてたくさんの従業員が生活をし栄えていた。しかし、現在は車社会になっているので、お客さんは駐車スペースが広くて品揃えの多い大型店舗に行ってしまう。また、後継者がいない店が多く、かつてのアーケードは維持できなくなり撤去された。その結果、日差しで商品が傷んだり、商品の値札が風で飛ぶなど、商売がやりにくい。それでも、一番の問題は商店街に人が来なくなったことであると深刻さがうかがえた。
イ 行政に対する要望を聞いたところ、イベントが少なくなり人が来なくなったと感じている店が多く、道路整備で道を広くし、イベントが増えればとの意見が多い。
② 現地調査の感想
ア お店を取材して、商売をすることの難しさを痛感した。徒歩や自転車での生活が当たり前の時代は商店街で買い物をしていたが、現在は車社会で大型スーパーにて買い物をするのが当たり前になっている。人々のライフスタイルは急激に変化をしている。そんな中、商店街はどのように変化してきたのだろうか。商店街だけがかつての時代のまま取り残されているように感じる。
イ もし行政が新しいイベントを実施したとしても、一時的な集客しか見込めない。商店街を活性化するには、根本的にその商店街の現状と今後のビジョンを共有することが前提として必要ではないのだろうか。まず今後の商店街の方向性やプランを検討していくことが重要であり、例えば年に1回の大きなイベントではなく、年4回の小さなイベントを実施する方が集客を見込めると考える。
(2) JR高田駅周辺 【さざんかストリート(天神橋筋商店街)】
天神橋筋商店街振興組合の北林理事長(当時:今徳青果店)、笹岡副理事長(当時:台所用品・厨房器具・伝統道具・贈答 ささおか)はじめ4人の方にさざんかストリート(以下、天神橋筋商店街)の現状について取材を行った。取材結果の概要については、次の通り。
① 現 状
ア 大和高田の商店街は、サティという核となるチェーンストアを中心に共栄してきたが、サティの撤退とイオンモールなど近隣市の大型店舗の出店で、来客数が大幅に減少し、これまでの対応について大きな転換が求められている。
イ 天神橋筋商店街は、JR高田駅に隣接しアーケードを付けた商店街。最盛期は48店舗ほどもあった店も今では、21店舗。午前10時に開店し、午後5時~6時に閉店する店がほとんどである。また、さざんかホールに合わせて月曜日定休の店が8割ほどであり、月曜日は特に閑散としてしまう。
ウ 天神橋西商店街は、取材当時に現在開いている店舗は2店舗のみで、お客さんのほとんどが大型店舗に流れている。近所の公園でラジオ体操をされる方が利用してくれるということで、朝6時開店という店もある。こちらのお店は、学校などの商品納品などの努力もあり、大和高田市内に複数の店舗を展開している。
② 天神橋筋商店街をはじめとする活性化にむけた取り組み
天神橋筋商店街、大和高田市、夢咲塾によるものとに大別される。
【天神橋筋商店街】
商店街への人の往来が、商店街の利用につながるという考えから、イベントの開催や空き店舗対策に取り組んできた。
<イベントの開催>
ア フリーマーケット:1996年から2007年まで、28回の開催。ピーク時には1日で5千人ほど、6日間では3万人ほどの利用者もあったが、商店街に受け入れる力がなかった。
イ リサイクルショップさざんか:利益ではなく、人集めを目的として、2002年から市のクリーンセンターと提携して3店舗を立ち上げ、現在まで運営している。(小物・家具・古本)を年間300日運営している。当時は珍しいものはないかと覗きに来てくれるリピーターも多かった。また、2002年から10年ほど夢咲塾の方に運営のお手伝いをしていただいていた。
ウ お地蔵さんの日:毎月24日を「お地蔵さんの日」として、天神地蔵を中心に、掃除やぜんざいのふるまい等を行っている。店主もお客も高齢化し、イベントをしても人が集まらない。そこで、高齢者の参加率の良いお地蔵さんに関する催しを行っているが、給料日前で集客力が弱く、「しんどいからやめよう」との声も上がっている。
エ のぼり・縁起看板・県下初の鐘の鳴る賽銭箱を設置:いずれのイベントにしても、商店街の人手が少なくなり、少数の人に負担がかかる現状があり、新たな方策を考えていくエネルギーがない。
※ ア~エ以外に、2016年度の取り組みとしては次の通り。
取り組み時期 |
取り組み内容 |
毎月24日から1~2週間 |
花の苗販売 |
7月30~31日 |
活活(いきいき)まつり
ビアガーデン、紐引きゲーム、ガレージセール
各店売り出し、まちかど健康チェック |
11月上旬 |
秋の元気市
各店売り出し、ガレージセール、花の苗販売、まちかど健康チェック |
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<空き店舗対策>
ア 1999年アーケードの大規模改装を行い、新しい店舗が参入したい環境整備をはかった。その際に、市からの空き店舗対策の補助金交付が行われた(以下の【大和高田市】の活動参照)
イ 自治労との間で、このような情報交換や交流の機会を設けていただくことは、一つの協力の形としてありがたい。
【大和高田市】
○松田前市長が天神橋商店街の活性化の一環として、1999年に馬冷池(ばれいいけ)を埋め立て、商店街に隣接する形でさざんかホール(最大1,000人収容のホール等)を完成させ、来館者や地域住民の商店街の往来を増やすことをめざした。一方、車での利用を考慮し、JR高田駅に隣接する形で、有料駐車場を設置した。
○1999年に商店街によるアーケードの大規模改装の際に、空き店舗対策の補助金を交付。2店舗が開店したが、内1店舗はすぐに、残る1店舗も3年ほどで閉店。家賃を払いながら経営というのが厳しい模様。なお、多くの店舗(2/3ほど)が2階を住居として使用している関係上、改装してまで店舗を貸そうとはならない。
【夢咲塾】
天神橋商店街に近接する本郷通り商店街仏具屋の水元さんを代表に、建築設計士、主婦、民生委員など地域のリーダー的な方が集まった「街づくりグループ」。映画会や落語会、静御前の象の取り上げ等、行政ではカバーできないことを行ってきた。
商店の活性化に限らず、宇宙飛行士を招いて講演会を開催することで、子ども達に夢の大切さを伝える等、様々な活動を行っている。また、年に1回、会報誌の発行を行っている。
4. 地域活性化に向けた天神橋筋商店街関係者との意見交換
2016年2月11日に現地調査を行ったが、複数ある商店街の中で、天神橋筋商店街は組織的に活性化に取り組まれているにもかかわらず、今ははっきりとした成果が見えない状況であった。
自治研推進委員会としては、2015年の研究結果を発展させる形で、商店街、さらには地域全体の活性化にむけて、何らかの形で支援できればとの思いから、天神橋筋商店街の関係者と意見交換を行い、引き続き自治労側からの情報提供をはじめ協議をしていくこととした。
2016年5月11日に大和高田市さざんかホールにおいて、天神橋筋商店街関係者と意見交換会を行った。その中で明らかになった課題や問題点については、次の通りである。
(1) 商店街の振興にむけた広報活動や事業展開
天神橋筋商店街としては、アーケードの維持補修への対応が最優先課題であり、商店街の振興にむけた広報活動や事業展開を行う体制の確立は十分ではない。取り組みとしては、前述の年間を通じたイベントの実施と、高田川の桜の花見時期などに、多少の看板や横断幕を設置する程度となっている。
(2) 空き店舗の活用
① 空き店舗を活用して、土日にフリースペースとして運営したいが、予算をはじめどのように展開すればいいか悩んでいる。飲食店がないのは課題であるが、新しい人材による参加や市の広報PRなども必要である。
② これらの課題を解決するためには、天神橋筋商店街として、まずもって、リサイクルショップさざんか(3店舗)の維持・発展をはかることが現実的な対応であると考えている。2002年の立ち上げ当初は、ほとんどの商品は、クリーンセンターの協力によるものであり、利益を、福祉団体や夢咲塾(大和高田市まちづくりのボランティア団体)に寄付していた。現在は、終活や断捨離の受け皿としてと商品の需給関係や市民の寄付による運営に変化したため、寄付するまでの財源を確保できず、事業の継続が最優先課題。
(3) 夢咲塾との協力を通じた「地域の活性化」
夢咲塾については、立ち上げから20年が経過する中で、商店街の紹介のみならず、地域の案内地図、白拍子舞、秋の元気市に行う夢まちウォーク、地元での映画撮影の依頼、図書館共同で本郷のまち探検など、大和高田を広く知ってもらう取り組みを行っている。
これらの経験や今後の交流を通じて、商店街関係者と地域住民、さらには、自治体との関わりを深めるにはどのようにしていけばいいかを協議していく。夢咲塾は2016年度に商店街の活性化に取り組むことを重点課題としている。
(4) 現状認識の共有をはかるなかで、天神橋筋商店街に対する支援として、現実に何ができるかを検討する
1998年に国・県・市からアーケードに関する補助金が支給され、2000年に今のアーケードの形になったが、国の規制緩和(2000年大規模小売店舗法(旧大店法)廃止)による店の売り上げへの影響は大きい。
商店街を1994年に法人化したが、組合員の減少により予算も減少し、核家族化による横の連携が少ない。アーケードの維持にもお金がかかる。国の予算で照明をLED化したが、自己資金の借り入れの負担も大きい。
5. 地域活性化に向けた天神橋筋商店街関係者との意見交換の際に行った自治労からの提案
2016年5月11日意見交換の際に、商店街関係者から、現在の取り組みや商店街が抱えている課題・問題点を聞いた上で、商店街関係者から何か提案などないかとの依頼があったことから、自治労側から次の提案を行った。
(1) 自治労としての提案
○自治体職員としての取り組み ―― いわゆる自治研活動
・小学校に対する提案
① 社会科見学で、天神橋筋商店街のお店の話を聞きに行く。
② 給食調理員の協力のもと、地元の食材を使用した食育(料理教室)を実施する。
・商店街に対する提案
① さざんかホールでのイベントの際に、地域活性化の観点から、自治体(行政)や商店街関係者との間で、定例的に協議の上、天神橋筋商店街のお店やイベントなどについて、チラシ配布などのPRを行う。
② 4月の桜祭りなど地域活性化に関するイベント(自治体主催に限定しない)がある場合、商店街側からも自らの取り組みを宣伝する。
③ 大和高田市の地域産業が作る企業製品を取り扱う。また、そのための情報提供、支援を大和高田市で実施する。
④ 大和高田市役所の駐車場が行事などで土日に開放しているときに、天神橋筋商店街のお店やイベントなどについて、チラシ配布などのPRを行う。
⑤ 防犯・防災活動への取り組みの一環として、災害時に商店街が避難所となるよう整備する。
⑥ 古民家を活用して明治から昭和に多く存在した映画館や劇場を再現し、古民家と映画をテーマにコミュニティを創造する。
・自治体職員自身に対する提案
大和高田市では、職員自身が結婚を機に市外へ転出することが多く、本来の意味での地域活性化にはならないのではないかという疑問から、若い職員が市内にとどまる魅力をアピールし、結果、市が主体となって、次代を担う人材の育成に取り組む。
○労働組合としての取り組み
・組合員利用による割引サービスを実施する。→非組合員の組織化にも活用する。
・空き店舗で、地域住民に発信できる組合としての取り組みをPRする。
(2) 一般市民(利用者)としての提案
○大和高田市中心街にある旧寺町には江戸中期以降の古い町並みが残っている。また、高田川沿いの桜、祭り、行事にも観光客が押し寄せてくる。歴史に思いをはせて集まる人々、観光客を商店街へと誘導する工夫が必要である。特定の箇所に集まる人々を広範な範囲に移動させるよう、次の取り組みを進めていく。
・街全体を巡るスタンプラリーを開催する。全て集めると地元特産品がもらえる。
天神橋筋商店街以外の商店街や近隣自治会などにも呼びかける。
・地元産農産物を購入するだけではなく食べることができる仕組みを整備する。
(店舗での販売、キッチンカーなど)
○商品を購入するより、利用者が時間をつぶせるスペースを確保する。
空き店舗がある場合、商店街のお店で協力して賃貸借契約を締結し、高齢者、若者、子育て世代が集えるスペースを作る。
具体的には、イベントを実施したい地域住民や希望者に対し、空き店舗の場所を提供する。
(例)片塩商店街では、地元住民が交代で駄菓子屋を運営している。(大和高田市商工会議所青年部運営)
○地蔵まつりを月1回の土日・祝日開催とし、地元自治会共催で、活動の輪を広げることで、企画の柔軟性・自主性、商店街関係者の負担軽減を図る。
○商店街にしかないものをPRする。
魚であれば他とは違う調理をしてくれる。野菜であればスーパーと異なるものを販売する。また、商店街の情報を発信する媒体を整備する。
6. まとめ
2015年からの研究で、私たちは商店街活性化、地域活性化への取り組みは、既存施設を活用しながらも、自治会や学校と連携する活動、観光客を呼び寄せるための祭りやスタンプラリーなどの結果としてイベント重視であったり、人やお金が必要な取り組みを考えてきた。
しかし、今回、天神橋筋商店街関係者との意見交換をしたところ、商店街としていろんな取り組みを行ったり考えてきたが、結局のところ、先進的な取り組みには、人の力、資金が必要であることが分かったということであった。
実際、商店街関係者からは、店主の年齢や体力を鑑み、1日か数日にたくさんの人を集める「短距離走型」イベントより、1年を通じて人を集める「ウォーキング型」事業が好ましいといった報告があった。
また、店番が一人だけという個人店があるので、「出張型」事業も控えたいという声もあった。
さらには、自分たちの商店街の立ち位置について、「文化エリア」や「住宅エリア」ではなく、ましてやさざんかホールへの雨のかからない屋根付き通路でもないとの思いから、お客様にはお金の受け渡しを伴う「対面物販事業」を通して、店主の顔が見える「商業エリア」をめざすとの「熱い思い」をうかがうことができた。
私たちは、商店街の良いところ、また、大型ショッピングセンターやインターネットショッピングと違うところは、店主と客の距離が近く、何でも相談でき、マニュアル的なありふれた商品の説明だけでなく、より以上の便利な使い方や食べ物であれば料理の仕方など、心が通った「つながり」を実感できるところにあると考える。まさにこの「熱い思い」をうかがったとき、私たちとマッチングできたと実感した。
今回、天神橋筋商店街振興組合の笹岡健司理事長などから、この「熱い思い」と「リサイクルショップさざんか」3店舗と「お地蔵さんの日」の自主事業や協賛事業への参画を継続させることを基盤に、商店街の振興を通じた地域の活性化をはかるとの話を聞かせていただいた。一方で、アーケードの改修などの課題を抱える現在、新たに「人や資金」が必要となるイベントなどに取り組むだけの余力がさほど残っていないとの本音の部分を聞かせていただいた。
今年は、2015年からの第2ステップとして、天神橋筋商店街の関係者と意見交換の機会を与えられ、皆さんと面識ができ、皆さんとの距離が縮まり、前述の通り、商店街が抱えている本音の部分と「熱い思い」を知ることができたように思う。
しかし、商店街利用者を始め地域の人々はこのような商店街の関係者とお互いの思いを共有するような機会がなく、その交流は希薄であったように感じる。改めて、その交流を深めるためには、豊かな文化財などの資源を活用したり人とのつながりの場を設けることの必要性を、商店街関係者と私たちの間で認識を共有できればと考える。
そこで、さらに次のステップとして、次の取り組みを進めていければと考える。
① 商店街関係者が、地域住民が商店街に求めることを把握することである。
確かに私たち組合員の多くを占める公務員は普段は商売とはほど遠い仕事をしているが、広報活動は経験がある。また、地域の方が何を望んでいるかをリサーチするノウハウも持っている。その力を先進的事例紹介など、何らかの形で関わらせていただけないかと考える。
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② ①の結果を踏まえ、地域活性化に向けて、商店街関係者-市民(利用者)-自治体および職員が相互に「情報発信・収集」という取り組みを進めることである。
大和高田市には、他地域の人々が知らない魅力があるはずである。商店街における活動をはじめ不動院や本郷の100年教会、80年前の高田川付け替え工事による街並みの変化など、魅力ある資源がたくさんある。
私たちは、その資源をもっと多くの人に知ってもらい、そして商店街をはじめ地域で生活する住民の「熱い思い」を情報発信・共有できればと考える。また、そのための支援を続けていけたらと考える。
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