【自主レポート】 |
第35回佐賀自治研集会 第1分科会 住民との協働でつくる地域社会 |
政権交代やエネルギー政策の変換などにより、地方においても仕事量が増加し、その結果、決定的な人材不足が発生している。企業ニーズをとらえ、人を育て、地域の活力を高めることが公共職業訓練施設の使命であるが、北海道が示した新たなビジョンでは、地方の声を無視した計画が示された。地域と連携し人材育成に取り組んできたこれまでの取り組みの成果を報告するとともに、地域における職業訓練のあり方について提言する。 |
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1. はじめに 長期化した景気の低迷により疲弊した地域経済。人材育成に手が回らず新規採用を控える企業が大半を占めていたが、政権交代やエネルギー政策の変換、東京五輪の招致決定などを受けて、一時的に仕事量が増加し、その結果地方の企業は決定的な人手不足に追い込まれている。特にものづくり産業や、産業を下支えする建設業などにおいての人材不足は致命的で、さらには団塊世代の退職も重なり、企業内の技術力の低下は著しい。 |
2. 帯広高等技術専門学院の取り組み (1) 帯広市や地域業界との連携 |
② ツー・バイ・フォー住宅の施工カリキュラム
(4) 就職率と就職定着率の向上をめざして
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3. 取り組みの成果 全職員及び地域が一体となって様々な取り組みを進めた結果、2014年度の帯広高等学院の応募・入校状況は全道で一番高い数値となった【表1】。また、2013年度の就職率についても100%を達成した。このうち95%は地元である帯広、十勝管内に就職している【表2】。 |
4. 道立高等技術専門学院運営のあり方に係る検討会の提言と道の方針 帯広高等技術専門学院が様々な取り組みを展開している中、「高等技術専門学院中長期ビジョン」は最終アクションプランである第3期中期構想の策定が進められている。このビジョンは2008年度からおおむね10年間における高等技術専門学院の訓練内容、科目設定、施設の配置等に係る基本方針を定めたものであるが、第一期中期構想(~2010年度)では滝川、網走の地方校が拠点校に統合された。第二期中期構想(~2013年度)では、短期訓練課程を廃止し、札幌、苫小牧、室蘭の道央3校における科目の見直しが進められてきた。 (1) 授業料の水準について (2) 専門学校との科目の重複について (3) 新規高卒者の募集について |
5. 取り組みのまとめと今後の展望 帯広高等技術専門学院では、業界のニーズを反映したカリキュラムの策定や、ものづくりイベントの実施、地域貢献につながる社会貢献活動の実施や、高等学校と連携をした職業人の育成、更には地元に長く務めていける就業環境の整備などを積極的に行ってきた。その結果、募集状況、就職状況は好転の兆しを見せ、地域と連携した人材育成については高等学校からも高い評価をいただいている。 |