【自主レポート】 |
第35回佐賀自治研集会 第1分科会 住民との協働でつくる地域社会 |
"まち"の人々にとって市職員は、何処にいるのか、何をしているのか分からない、遠い存在となってしまっているのが現状です。このような状況に甘んじていては、真の地域活性の実現は適いません。なぜなら、その担い手であるはずの市民と市職員との結束が保たれていないからです。本稿では、このような現状を打破するための方策として、"まち"と市職員との接点を保つための取り組みを報告し、その実施効果を検証します。 |
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1. "まち"の人にとっての市職員 (1) 不幸な連鎖 (2) "まち"の人に知ってもらうこと、"まち"の人を知ること (3) 相思相愛、にこれからなる |
2. "まち"に飛び出すためのちょっとした一押し (1) まちなかランチ助成事業 |
ウ 期間中のまちなかランチ状況:下図は、事業期間中のまちなかランチ回数を、事業前の平常時と比較して増減を聞いたものです。(第1回)、(第2回)ともに「あまり変わらない」が最も多い回答となりました。特筆すべきは、「増えた(週1回程度)」が(第2回)で大幅に多くなっていることで、(第2回)コンセプト「週に1回くらいは……」が的を射たものであったと言えます。 エ 事業後のランチ状況:下図は、事業終了後のまちなかランチ回数を尋ねたものです。およそ1/3の職員がまちなかランチが増えたと回答していることから、一定の事業効果が得られているものと考えられます。 オ 飲食店員とのコミュニケーション:下図は、飲食店における店員とのコミュニケーションの状況を尋ねたものです。上述のとおり、(第1回)の利用者の方が、日常的にまちなかランチ行動をしている職員が相対的に多かったものと推定していましたが、この回答結果からは(第2回)では、職員のコミュニケーション力が向上し、会話等が定着している点が特筆されます。 カ 飲食店での振る舞い:下図は、まちなかランチ時の飲食店内での振る舞いを尋ねたものです。「市の職員だと覚られないよう」が(第1回)と比して(第2回)では増加している点が気になりますが、「市の職員として臆することなく……」という回答が増加している点で救われています。 キ 総括:冬季を跨いだ実施期間であったにもかかわらず、市職員のまちなかランチ促進に、一定の寄与が認められたものと考えます。(第1回)の実験実施の際には、既に日常的にまちなかランチ行動をしていた職員が申請者の半数を構成していたのに対し、(第2回)では、まちなかランチ行動が定着していないような職員も助成申請していることが窺われました。また、詳細は割愛していますが、まちなかランチを通じた自身の変化を聞いた設問では、「同僚との会話、コミュニケーションが増えた」という回答が42.7%(M.T)あり、精神衛生の改善にも寄与していることも分かりました。
この2つの事業は互いに連携し、補完しあう間柄になります。助成事業の対象になるまちなかランチ店は、「まち×ペディア」に掲載されていることがルールになり、市職員は、「まちなかランチ助成事業」を一つのきっかけにまちなかランチに出かけ、「まち×ペディア」を頼りに新規開拓を楽しみ、まちなかランチ店に対するインスピレーションを再び「まち×ペディア」に還流する。これを一つのサイクルとして回転させることで、市職員が元気で明るく"まち"の人々に信頼され愛される存在になるまで、一歩ずつ進めていくことが、私たちの当面の目標です。 |
3. "まち"の人に信頼される市職員が地域の力に 市職員の勤務条件の維持改善を図ること。それは市職労が果たすべき大きな役割の一つです。しかしながら、市職員が市民に信頼されること。そして市職員が施す施策がしっかりと実行力を伴うことという課題について、市職労として無関心ではいられません。今後も引き続き、市民に信頼される市職員となれるよう、市職労としてもしっかりとサポートしていくための工夫を重ねていくこととします。 |
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