【自主レポート】 |
第35回佐賀自治研集会 第1分科会 住民との協働でつくる地域社会 |
2011年3月11日、午後2時46分。マグニチュード9.0の大地震が発生、その地震が津波や原発事故を引き起こし瞬く間に未曾有の危機が襲われました。「想定外」という言葉が多くのメディアで使われるなど、市民の日々の暮らしは一変し、我々行政職員も一日も早い復興をめざし、昼夜問わずの活動を余儀なくされました。当時、私は文化センター職員として勤務し、避難所の開設や食料提供などの住民支援、各種ライフラインの復旧業務に携わりながら、一日も早く通常体制を取り戻すための業務活動をするなか、地域住民との関わりで得られた経験を通じて、改めて感じた「文化」の重要性や様々なまちづくりへの可能性について考えて生きたいと思います。 |
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1. はじめに 1967年の国の補助制度が整備されたことで地域に文化センター(公共ホール)が出来るキッカケが生まれ、自治体が文化行政に取り組むことになり、さらに90年代のバブル景気によりシティセールスや若者離れを食い止める策として文化センターの建設ラッシュがはじまりました。 |
2. 文化によるまちづくり 文化センターは「施設提供(サービス&アドバイス)」、「鑑賞(一流の作品を鑑賞する機会を提供)」、「育成(表現者・団体・観客を生み出し支援する)」、「創造(オリジナル作品を創り発信していく)」という4つ役割を担うのが役割となります。 |
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【四季文化館(みの~れ)の住民参画(ボランティア組織・実行委員会組織)】 |
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その一例として、みの~れの開館からボランティアで活動をしていた社会福祉協議会の職員の方は、ここで培われた企画力・実行力を活かし、高齢者向けのバスツアーを開催しました。 |
3. 東日本大震災で示した「パートナーシップ」 3・11の東日本大震災が起きた瞬間、文化センターは「文化創造の発信拠点」から「災害対策本部」となりました。 |
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4. 文化の可能性と社会的意義 片山善博(慶應義塾大学教授・元 総務大臣)は平成20年度全国公立文化施設アートマネジメント研修会の「地方行政と芸術文化振興」の中で講師として「現代の経営危機の時代においては、前例やマニュアルが何も無いところからどうやって難局を切り開くかを考える力、先を見通した上で新しく成し遂げる力、挑戦する勇気を持って新しい考え方を生み出していくことが重要。文化芸術は無から非常に高い価値を創造する営み。地域社会全体が文化芸術を重視して、文化芸術に親しんでそこからクリエイティブに挑戦する、勇気ある社会にしなければならない」と話しています。これは、無から有を生むことを活動の本質とする文化芸術は地域活性化のツールとしていくことへの可用性は高いと解釈でき、先の事例を踏まえ、各まちづくり分野において、以下のように考えています。 |
5. おわりに 文化センター職員として、文化をとおして住民と同じ目線で話し合い実行することで感動を共有し、信頼につながっていきました。 |