2. 「スポーツ」と職員の役割
(1) スポーツの重要性
「スポーツ」には体力の向上とともに大切な役割がある。スポーツは元来、強制されるものではなく楽しむことを目的としており、スポーツを通じて連帯感を生むことができる。
地域における「つきあい・交流」、「信頼」などを置き去りにしては社会資本が整備されたとはいえず、「スポーツ」の奨励をすることで、ソーシャルキャピタルとしての社会資本整備にもつながる。
このように、「スポーツ」は地域コミュニティの構築において重要な役割を担うといえる。では、「スポーツ」をどのような方法で用いれば町全体のコミュニティの活性化につながるのであろうか。私は「町内運動会」を復活させるべきだと考える。
(2) スポーツと職員
2011年3月に川本町では地域住民により自主的・主体的に運営される総合型地域スポーツクラブが立ち上がり、子どもから高齢者までそれぞれの志向やレベルに合わせてスポーツに参加できることが可能となった。これによりスポーツで地域を活性化させようという機運が高まりつつある。また、スポーツクラブのコーチやスタッフ等で関わりを持つ役場職員も多く、地域のスポーツ振興の一翼を担っている。
(3) 職員の役割
では、「町内運動会」を開催するために職員に求められることは何であろうか。行政側から呼びかけるだけでは実現しないように感じる。まずは、職員一人一人が各地域において「顔」をもつこと、特に町外出身職員においては必須だと感じる。小規模な自治体職員であれば住民の方々に知っていただき、また知らなければ仕事にはならない。また、業務以外でも知ることが望ましいと考える。川本町では図1のように町外出身職員が2割を占めており年々増加傾向にある。町外出身者が増えることについて異論は無いが、町外出身であるからこそ積極的に地域に出てコミュニティの活性化を担い「顔」を売ることが必要ではないだろうか。「顔」を売り、職員が地域の方々に信頼されて初めて、行政と住民との協働関係が作れるのではないだろうか。地域に溶け込んだ職員が情報提供を行い、また地域からの要望を吸い上げることが「地域コミュニティ」の活性化につながる。
3. まとめ
以上のことから、町全体の「地域コミュニティ」の活性化のために、「スポーツ」を手段として用いることが必要である。「町内運動会」を開催し、集落間の住民の関係を再構築することと、運動会を開催するためには、職員が地域の「顔」となるべく職務や私生活において地域に出て行くことが必要である。 |