【自主レポート】 |
第35回佐賀自治研集会 第1分科会 住民との協働でつくる地域社会 |
市民の困りごとアンケートを行うなかで、「自治体職員にも『困りごと』があるはず」、「協働は自治体職員の困りごとを解決するためにも必要ではないか」という声が出されたことから、「自治体職員の困りごと」アンケートを行うこととなり、2014年2月に大分県内17市町の福祉職場(福祉6法関係)を対象に調査・分析を行った。 |
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市民の困りごとアンケートを行うなかで、「自治体職員にも『困りごと』があるはず」、「協働は自治体職員の困りごとを解決するためにも必要ではないか」という声が出されたことから、「自治体職員の困りごと」アンケートを行うことになった。2013年8月の自治研大分県集会の地域福祉分科会参加者を対象に試行的に行い、2014年2月には県内の17市町の福祉職場(福祉6法関係)を対象に本格的な調査を行った。回答者は637人。
全体的な集計結果 1. 年 齢 20歳未満から50歳代まで全世代にわたっているが、子育て関係職場は若い人が多い傾向があり、高齢福祉関係は40代、50代が多い傾向があった。
2. 性 別 全体的に女性が多いが、特に子育て関係と高齢福祉関係は女性が多く、生活保護は男性が多い傾向があった。
3. 所属職場
4. 仕事の区分 ① 全 体
② 専門職の内訳
5. 職場の困り事(複数回答) 職場の困り事としては、「仕事量が多い」と回答した人は43.2%、「解決困難な仕事がある」と回答した人は34.7%となっています。 |
職場の困り事を所属職場毎に見た場合、「子育て関係」や「障害者福祉関係」職場では半数以上の人が「仕事量が多い」と回答しています。一方で、「生活保護関係」職場では、「仕事量が多い」と答えた人は31.9%ですが、「解決困難な仕事がある」と答えた人は62.5%にのぼっています。 6. 職場の困り事の解決方法(複数回答) 職場の困り事の解決方法としては、「同僚に相談」が64.8%、「上司に相談」が61.4%となっています。一方で、「自分で抱え込む」と回答した人は13.8%、「特に何もしていない」と回答した人が9.7%となっています。
7. 「もっと地域に出てきてほしい」という声について 全体的には「出ている」が29.8%、「出たいが時間がない」が46.9%だったが、「出たいが時間がない」の割合が障害福祉では64.2%、子育て関係で54.5%、介護保険関係で51.8%と過半数を超えていた。 |
8. 行政の窓口に届いた以外に「市民の困りごと」はたくさんあると思いますか 『行政の窓口に届いた以外に「市民の困りごと」はたくさんあると思いますか?』との問いに対しては、76.0%の職員が『もっと多くあると思う』と回答しており、『わからない』と回答した職員が18.9%で2番目に多く、『あまりないと思う』と回答した職員は、わずか3.4%でした。多くの職員が、自分の元に届いていない市民のニーズについて、認識しているという結果になりました。
9. あなたが感じる市民の困り事は 『あなたが感じる「市民の困り事」とは?』との問いに対しては、77.8%の職員が『切実なものとエゴと両方である』と回答しており、次いで12.7%の『切実な願いである』が2番目に多く、『市民や地域のエゴである』と回答した職員は、わずか0.8%でした。困り事の全てが、市民のエゴであると捉えている職員はわずかしかいない一方で、全てが切実な願いであると捉えている職員も多くなく、大半の職員は、市民の切実な願いとエゴのどちらもあると捉えているようです。
10. 「市民の困りごと」の主な原因は、事例により様々あると思いますが、主にどこに原因があると思いますか。 全体の集計結果は以下のとおりでした。
回答としては最も多かったのが「わからない(32.3%)」で、「その他(26.4%)」、「国や制度に原因がある」の順となっています。
11. 「市民の困りごと」に自治体窓口としてどのように対応すべきだと思いますか? 全体の集計結果は以下のとおりでした。 |
「制度・施策の枠を超えないようにする」、「制度・施策の運用を緩やかにする」、「制度・施策を超えた対応も検討する」がほぼ同じような割合となっています。
12. まとめ 「市民の困りごとアンケート」では、自治体職員への要望も多かった。「もっと地域を回って現状を見て欲しい」、「地域活動への協力が薄い」、「市民の立場に立って物事を考えてほしい」、「担当業務に対して詳しく理解しておくことが必要」、「限りある予算を有効に使ってほしい」、「小さな事にも踏み込んで仕事をしてほしい」、「情報収集・発信能力をつけてほしい」、「市民に対するあたたかい姿勢」、「いろいろなことを聞いても職員が知っていないことが多い」、「机だけが仕事の場所ではない」、そして「地域と行政のつなぎ役になってほしい」等々。 |