【自主レポート】 |
第35回佐賀自治研集会 第3分科会 人口減少にともなう自治体・地域のあり方 |
ホッカイドウ競馬場での組合員家族の交流を初めて5年が経過しました。毎年交流することにより組合員や家族の労をねぎらうことが当初の目的ではありますが、ホッカイドウ競馬の売り上げ貢献まで達成できていないのが現状です。これまでの実績を踏まえて、今後何が出来るかをめざしていくものです。 |
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1. はじめに 皆さんは、ホッカイドウ競馬をご存じでしょうか、競馬をやる人にとってはご存じの方もいると思いますが、競馬をやらない人にとっても、ここ数年の間で「廃止・存続」の見出しが新聞に掲載され、競馬に興味のない方においても知られることになったと思います。 2. 経 過 ホッカイドウ競馬は、北海道庁が1948年に競馬法のもとで始められ、戦後復興の時期と重なり、また、娯楽が少なかったこともあり、大勢の人たちが詰めかけ、1991年に454億円を売り上げピークに達したこの間、北海道に対し290億円も一般会計に繰り出すことにより、北海道財政に対し多大な貢献をしてきました。しかし、1992年以降は単年度収支が赤字になり一般会計から毎年繰り入れて運営するという状態が続き、運営主体の北海道においても、多額の借金を抱える中、お荷物的な存在になってきました。 3. ホッカイドウ競馬と日高町 日高町(門別地区)においては、軽種馬生産が盛んで、軽種馬農家戸数は176戸、生産頭数や繁殖頭数、預託頭数を含めると5,700頭以上の軽種馬がおり、国内有数のサラブレットの故郷となっています。2010年の農業粗生産額は11,140百万円でこのうち軽種馬生産が6,860百万円と町全体の生産額の6割以上を占めており、町内のサラブレットの生産や育成、牧草や飼料等の販売、軽種馬に携わる就労人口は1,000人以上とも推計されます。近年個人牧場が高齢化や経営難により廃業し、本社が他町村にある分場の設置が増えており、日高町としての生産額が正確に算出できないのが現状です。 4. ホッカイドウ競馬との共生に向けて 自治労日高町職員組合は、日高の基幹産業である軽種馬生産は、ただ単なるギャンブルとしてではなく、日高地方の農業を支える機関産業であるということに目を向け、ホッカイドウ競馬を存続するために、何かできることはないかと考えたのがきっかけでした。2006年に日高町と門別町が合併して日高町になりましたが、合併前の門別町においては、毎年組合員と家族との交流会を実施していましたが、ホッカイドウ競馬が大変であるというところに目を向け2010年より競馬場において組合員への交流会を実施することになりました。交流会当日は、職員組合の冠名を付けた特別レースの実施、また、組合員及び家族に対する慰労の意味を込め、焼き肉や抽選会を行っています。この取り組みを成功させるための一環として、北海道本部のホームページを利用し、全道の自治労の皆さんに周知してもらい馬券購入の協力をお願いし、最初の2年は家族を含めた100人程度の参加で実施してきました。
5. 今後の課題と取り組み 2009年度より、開催や運営に係る業務については、社団法人北海道軽種馬振興公社が全面受託で行っています。この振興公社には、関係自治体から職員が派遣されており、北海道の経費節減の一翼を担っていることは確かであります。しかし、一昨年の東日本大震災や競馬場が海に近いため濃霧による中止という自然災害による売り上げ減も大きく影響することから、毎年毎年が勝負の年となっています。 |