【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第3分科会 人口減少にともなう自治体・地域のあり方

 日高町日高地区は日高山脈の麓にあり、盆地気候であるため、夏は暑く30度を超えることもあり、また冬は1m以上の雪が積もり、マイナス20度以下になることも多々あります。過疎と高齢化が進んでおり、同一地区に診療所はありますが、2012年より入院ができなくなったため、入院が出来る一番近い病院まで60kmと離れています。そのため将来にわたって、健康に対して気をつけなければならない状況にあります。



ラジオ体操の推進
―― 継続により健康をめざす ――

北海道本部/自治労日高町職員組合 成田  治

1. はじめに

 日本で初めてラジオ体操が始まったのは1928年と大変古い歴史があります。私自身ラジオ体操というと、小学校の夏休みに朝早く起きて神社の境内に集まってやるイメージが強く、いつも朝起きれなく遅刻ばかりしていました。    
 ラジオ体操を始めようとしたきっかけは、専従として浦河町に赴任したときに、100日ラジオ体操をやっていたことと、通勤途中にある整備工場で毎朝行われるラジオ体操の風景を見たことでした。
 そして、専従期間中の運動不足が祟りおなか周りが気になったことが重なり、職場に戻った時にこんなに気軽で簡単に継続できる運動を職場のみんなでやろうとしたのがきっかけでした。

2. 経 過

 職場復帰するにあたり、戻る場所が本庁だと思っていたところ、内示で総合支所だとわかり、若干の失望があったことと、戻った職場が初めての部署であったため、仕事を真剣に覚えるため1年が経過してしまいました。しかし、このままではいけないと初心を思い出し、職場復帰2年目に福利厚生を担当している部署に呼びかけ、庁舎内でやってもらえないか打診したところ、そういうことを役場が主体ではできないと言われ、個人的に庁舎内の職員全員にメールを発信するとともに、放送器具も使えないため、個人のCDプレイヤーを持ち込み始めたのが最初でした。
 実施することを決めたとき、役場が主体でないため、当然実施する時間は、勤務時間内にはできないと判断し、始業時間が8時30分であったため、15分前の8時15分から開始することにしました。場所は、役場の横の大型車庫前で行い、降雨や降雪による場合は、屋内でしか出来ないため、庁舎内の会議室の使用については、役場のほうで使用を許可してくれました。
 いよいよ、初日となり4月1日に1回目を行いましたが、誰も参加してくれず、無駄なのかという思いが募りましたが、終了して役場の中に入ると、もう終わったのかという声を聞き、翌日から声かけをすることにより、多くの人が賛同し、体操に参加してくれることになりました。

 
3. ラジオ体操の取り組み状況

 2011年から始め4年目に入りました。始めた年の秋に現職の職員2人が立て続けに亡くなりました。同僚としては本当に残念なことでした。
 1年目の結果は総勢21人が参加し延べ1,784日という結果になりました。中には1日のみという人が多く実質半分以上参加した人は10人でした。2年目は人事異動が重なり8人で述べ1,429日となり人数は減少しましたが、1人あたりの日数は増え、本当にやる気のある人だけしか残らないという結果になりました。3年目は参加数の変化がない代わりに、1人あたりの日数が3年目で最低となったとともに、総合支所庁舎の改修に伴い、いつも出入りしていた場所がふさがれたことにより、場所が遠回りになるため、夏場の外での実施が困難になり、通年庁舎会議室での開催になってしまいました。それまで外で行っていたときは、庁舎前が道の駅と言うこともあって、前日宿泊していた人や旅行の途中で休憩の人がラジオ体操の音楽を流すと自然に体を動かすという姿が見られましたが、今ではその姿も見られなくなってしまいました。
 4年目の今年は、人事異動により6人ということで行っていますが、誰一人文句を言わずひたすらラジオ体操を続けています。

朝のラジオ体操実施風景

4. 今後の課題と取り組み

 現職で亡くならないためにも、本当にわずかな時間でありますが、継続するということはすばらしいことだと私は思っています。
 最近テレビでもラジオ体操について見直されてきていることから、職員の皆さんも健康についてもう少し考えてもらえればと考えています。
 当初、どれぐらい継続できるか不安であったこの取り組みが気づいてみたら4年目に入っていることに自分自身も驚いています。
 現在、小学校も昔と違い、運動会の前にやるぐらいで、夏休み期間中に集まってやるということもなくなっています。医療費が年々増加の一途をたどっている状況であることから、小学生を含めた地域住民全体への取り組みに発展できるかが、この取り組みの課題だと思っています。
 私も個人的には、人間ドックで毎年のように要治療項目が出てきています。毎年当局との交渉において、本庁においても実施するよう進言していますが、なかなか動かないのが現状であります。道外の自治体では、災害防災無線を利用したラジオ体操を流す自治体もあることから、当町としてもこれを利用し、一人でも多くの住民へ啓蒙し、病気にならず、医療費の増加を抑えるため、継続して取り組みを行えるようにしていければと考えています。