【自主レポート】 |
第35回佐賀自治研集会 第3分科会 人口減少にともなう自治体・地域のあり方 |
富良野市は農業や観光業という基幹産業を持ち、「市町村魅力ランキング」でも全国で上位に位置づけられているが、人口減少が進んでいる。その中でも特に人口減少が顕著な地域に焦点を当て、地域の取り組みと自治体職員の役割について考えることとした。 |
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1. 富良野市の概要 富良野市は、北海道の屋根と言われる大雪山連邦十勝岳と夕張山系芦別岳の山々を要す自然に囲まれた町で、東経142度16分、北緯43度24分に位置し、北海道の中心標が立つまち、人にたとえると「へそ」にあたることから、「へそのまち」として、基幹産業である農業と観光が調和する富良野圏域の中核都市である。 |
2. 富良野市の現状 これまで挙げた基幹産業の農業・観光、そして環境にやさしい街として、そのブランドが定着していることがわかる第3者による調査として、株式会社ブランド総合研究所が毎年国内1,000の市町村及び47都道府県を対象に認知度や魅力度、イメージなどの72項目からなる「地域ブランド調査」がある。「市町村魅力度ランキング2013」の部門で富良野市は全国の市町村の中で、京都市、函館市、札幌市、横浜市に続き第5位にランクインしている。
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3. 東山地区での調査 ここからは人口減少が顕著である東山地区に絞り、そこでの地域振興に向けた動きなどについてまとめていきたい。
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4. 東山地域活性化への動き 前述の「富良野市農村資源及び人材活用調査」を基にし、東山地域の山岳・農業景観や自然環境、農作物に目をつけ、市の農業と並び重要な産業となっている観光面から地域活性化へのアプローチとして、2011年に「東山地域観光振興計画」を策定し、そこからの活動も行われている。 (1) 樹海の里フットパスツアー (2) 樹海のやってみる会 (3) 樹海わっしょい倶楽部 以上、3つの事例であるが、この他にも地域の賑わいを取り戻したいと考える地元住民からの活動が立ち上がってきている。 |
5. 今後に向けて 富良野市は今年約10年ぶりに過疎指定され、財政的には過疎債が使えるということが、確かに、有利な部分と考えられるが、それはあくまで一過性のものである。富良野市もそうだが、全国の多くの自治体で抱えている過疎・高齢化という問題に対し、その対策はまちがいなく必要となってくるものである。 |