【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第4分科会 地域から考える再生可能エネルギーによるまちづくり

 現在、玖珠町職労自治研部で取り組んでいる環境保全活動として学校現場における児童会活動や職員の環境に関する取り組みと、電気を使用せず体重で開閉する自動ドアについての報告と紹介をする。



玖珠町職労の環境保全に対する取り組み報告


大分県本部/玖珠町職員労働組合・自治研推進委員会

1. 学校現場における児童会活動や職員の環境に関する取り組み

 今、学校現場における児童会活動や職員の環境に関する取り組みを少し紹介したいと思います。
 まず、校内エコ活動の推進として児童会では環境委員会活動の取り組みに割り箸の回収やペットボトルのキャップの収集があります。たまったら役場へ児童会が持って行きます。また、各教室ではA4の箱を設置して使用済みの紙をごみとして燃やさずリサイクルにしようと取り組んでいます。
 さて、去年から職員の一部からはじまったリサイクル運動ですが、ごみ箱を2つ設置して1つは今まで通りのごみ(可燃物として清掃センターへ)もう1つは紙のリサイクルとして古紙回収用に分けています。左の写真のようにごみの仕分けも少しずつ慣れてきました。ごみの削減に大きく役立っています。
 残念ながら学校に保管場所がないため、現在は保管場所のある学校へ直接職員が運んでいます。


保管場所が無く溜まった状態の古紙

(1) 教育環境の整備
 もう一つに教育環境の整備として、花いっぱい運動、環境美化活動の推進と山遊び体験のための寺山公園の整備等をあげています。そのためには花壇や畑等の草とりや手入れ、また寺山の草刈作業等をしなければなりません。児童・職員だけでは出来ないところを「おやじの会」や「校区ボランティア」の方の協力で学校がきれいになっています。特に校区ボランティアの方は年中、校区内の小中学校の校庭や道路の落ち葉を一人で片付けてくださっています。校舎周辺の草もなかなか手が行き届きませんが、朝夕にコツコツと一人で作業をして下さっています。影の力として本当に有難い存在です。
 花いっぱい運動としては、花壇とプランターで花を育てます。学校ではなるべく長持ちするよう開花期間の長い花を選びます。春から夏秋の霜が降りるまで咲く花として、マリーゴールド・サルビア・ポーチュラカ・インパーチェンス・コリウス・ペチュニア等。冬から春の季節はパンジー・ビオラ・葉牡丹・プリムラ・チューリップ・水仙等の花を植えています。また、ゼラニウムやベゴニア・花手毬等の宿根草は冬の寒さ対策(室内に入れる等)をすれば玖珠町でも数年咲くことができます。右の写真のベゴニアは三重にビニールを張って管理し、今年で3年目の春を迎えました。ゼラニウム・花手毬も同様です。

花手毬 ゼラニウム

頂いたマリーゴールドの苗

(2) 環境整備費を活用した環境活動
 学校の環境に関する予算に環境整備費があります。土・肥料・花等を購入していますが、この時期にはマリーゴールドやサルビア、秋には葉牡丹・パンジー等の苗を玖珠郡の小学校を退職された地元の教職員の方から毎年頂いています。予算が限られている中、学校の面積が広いので、沢山の苗はありがたいものです。これらの苗を花壇やプランターに移植し、きれいな花が秋まで咲き続ける努力をすることが苗を頂いた方への感謝のしるしだと思います。
 手をかけただけ花がきれいに咲きます。種から苗そして花が咲くまでには、いろいろな人と手間がかかっていること。「たかが花、されど花」です。いい環境には花が欠かせません。これからも皆で興味・関心を持ち、楽しみながら花を育てたいと思います。
 さて、学校現場はこのように環境に関しても、多くの人がかかわりを持って子ども達を支え繋がっています。いい環境の中にこそ子どもたちが育ちます。これからもいろいろな人との関わりを大事にしていけたらいいと思います。
 最後に、物があり余る現代・無いものがない時代に生きる私達大人が、まず、物を大事に扱い、物を大切にすることを子ども達に教え、よきお手本となることがリサイクルをはじめとする環境問題への第一歩となるのではないでしょうか。一人から一人へと分かった人から変わっていく(はじめていく)小さな和が広がることを願って……。
 今年、玖珠町の中学校でも2校がグリーンカーテンに取り組んでいます。昨年の玖珠町職労自治研が取り組んだグリーンカーテン活用の活動から小さな和が広がっています。

2. 電気を使用せず体重で開閉する自動ドアの取り組み

(1) 理 由
 電気を使用せずに、体重で自動ドアが開閉する仕組みが開発されている。
 玖珠町役場の自動ドアでは、住民の証明・相談また業者打ち合わせと常に、自動ドアが稼働している。その都度、電気が使用され電気料がかかり、年4回の自動ドアの保守点検料がかかっている。地球温暖化が進行し又、東日本大震災により原子力発電の安全が確保できずに火力発電に頼っている今、いかに温室効果ガスの一つである二酸化炭素の排出を抑制するかが課題である。玖珠町職労自治研推進委員会として、少しでも電気を使わない方法がある場合には、積極的に導入を検討する必要があると思い今回調査をした。
調査方法:
① 体重で開閉する自動ドアの工事費用
② 電動式自動ドアと体重で開閉する自動ドアの開閉回数による電気使用量の比較と二酸化炭素排出量の比較
③ 年4回行われる保守点検料の比較
④ 安全面・利便性による比較

① 体重で開閉する自動ドアの工事費用
  工事費用:約2,500,000円

  調査方法:電話による調査
  工事内容:シーソーによる開閉装置のため床を削る。(沈み込みが必要)
       ドア等を外す。
       装置装着をする。
       ※ 装置自体は約100万円と言っていた。その他の人件費、輸送、床を削る作業等で費用がかかる。
② 電動式自動ドアと体重で開閉する自動ドアの開閉回数による電気使用量の比較と二酸化炭素排出量の比較
③ 年4回行われる保守点検料の比較
  開閉条件:自動ドアの1回の開閉による電気使用量0.25kW
  電気料 0.25kW×6秒/(60秒×60分)×23円kWh=0.01円
  電源容量5A消費電力はその半分とする
   100V×2.5A=250W=0.25kW
  戸の開閉で一枚が往復1.8m動くとして扉速度0.3m/sとして往復で所要6秒
   0.25kW=CO 排出量0.1kg=2リットル ペットボトル24.81本
   役場住民証明等窓口受付回数 32,000回/年×2回(往復)=64,000回
開閉64,000回(年) 電動式自動ドア 体重で開閉する自動ドア
電気使用量(0.25kW)   16,000kW       0kW
CO排出量   6,400kg       0kg
ペットボトル(2リットル)   1,587,840本       0本
電気料金   640円       0円
保守点検料年4回   30,000円       0円(3年に1回は検査)
         
設置後の費用   電動式自動ドア   体重で開閉する自動ドア
 10年後   306,400円     基本0円
 20年度   612,800円     基本0円
 30年後   919,200円     基本0円
 40年後   1,225,600円     基本0円
 年間の開閉回数は窓口利用者のみで、住民の方のその他の用事・業者・職員の回数は入れていない。今後、予定している電気料金の値上げ分は利用金額が低いため加算させていない。修理費用は入れていない。
④ 安全面・利便性による比較
  電動式自動ドア 体重で開閉する自動ドア
  開閉方法   電気モーター式   体荷重式
  開閉動作圧力    なし   両開きで30kg
  踏み台ストローク    なし   20mm沈み込みあり
  開閉スピードの体重依存    なし   あり
  開閉スピードの調整    あり   あり
  CO排出量    あり   なし
  電気使用量    あり   なし
  耐久性    あり   業者聞き取りにより、検査で100万回行ったが修理は出てなかった。
  法定検査【保守点検】    年4回   必要なし(3年に1回検査)
  施工者の資格    必要   不必要

(2) 総 括
 費用に関しては、電気モーター式から体荷重式に取り換えるのに初期費用が高額なため、公共施設を新築又は改築するときに考えるといいと思った。
 東日本大震災で原発事後が起きた今、次世代エネルギーが注目されており、さらにその先に、今の時代に電気を使用せずに利便性はそのままの自動ドア等が開発されていることから、この機能も積極的に導入する方向で検討する余地はあると思う。