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気仙沼市職の畠山さんと握手する第一陣の2人 |
また、これらのほかに行っているのが宮城県気仙沼市職員労働組合への支援活動です。出雲市職では2011年3月の東北地方太平洋沖地震発生後、組合員2人が自治労復興支援活動の第一陣として気仙沼市入りしたのを縁に、現在も独自の支援活動を継続して行っています。
第一陣として参加した2人は、16日間にわたる復興支援活動を終えて出雲市に戻った直後、現地の自らが被災しながらも懸命に働く市の職員や、一緒になって避難所を運営する被災者の姿から感じたことなどを、機関紙を通じて全組合員に報告しました。また、2012年3月には執行委員長ら2人が気仙沼市を訪問し、気仙沼市職の皆さんから、通常業務を優先させなければならない事情から執行委員会の開催もままならず、通常の闘争も行えていないこと、またそのような状況の中でも組合員を対象としたメンタルカウンセリングを行い、心のケアに努めているといった現状を聞きました。
こうした気仙沼市職の状況に、自治労の仲間として私たちができる支援を行っていこうと、以下の取り組みを行いました。
① 気仙沼市特産品販売の斡旋
地域復興の一助となるよう、気仙沼市特産品の販売斡旋を行いました。海産物の加工品を中心におよそ30品目をリストアップし注文を取りまとめたところ、ふかひれスープや気仙沼市観光キャラクター「ホヤぼーや」をあしらったお菓子などが人気を集め、2012年度の販売総額は228,972円となりました。
これらの取り組みは、気仙沼市職に対する支援活動、また地域に対する復興支援としてはきわめて微力なものではありますが、今後も継続した支援活動により、復興支援の取り組みを継続していきたいと思います。
② 支援カンパ
約700人おられる組合員のうち3割もの方が被災されたと聞き、わずかでも損害の補填にあててもらえればとカンパを募りました。寄せられたカンパの総額は261,441円となり、2012年5月に送金しました。
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2012.5.15 島根日日新報 |
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2012.5.22 山陰中央新報 |
③ 支援物品の寄贈
組合活動が停止している状態であることを受け、日常的に使用できる物品により組合の一体感の醸成を図ってもらおうと、メッセージ入りのボールペンを気仙沼市職の全組合員分寄贈しました。ボールペンには「気仙沼の復興を応援しています 出雲市職員連合労働組合」というメッセージを入れ、同じ自治労の仲間として早期復興を応援していることを伝えました。
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メッセージ入りのボールペン(上)とともに
気仙沼市職へ送付した寄せ書き(右) |
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3. おわりに
(1) これまでの活動から見えてきた課題
私たちは、市民からまちづくりの付託を受けた市職員として、目に見える形で社会貢献していく責務があるという思いから、近年、自治研活動の一つである清掃活動等といった社会貢献活動に取り組んできました。しかしこれまでの活動実績から言えるのは、活動への参加が一部の組合員や、その家族に限られていること、そして地域への広がりまでは進んでいないというのが現状だということです。
特に清掃活動は、組合員の参加しやすさを重視して企画した活動ではありましたが、実際には参加者が募集定員を下回る結果となりました。その要因として、こういった地域に出かけての自治研活動に対する取り組みの日が浅く、組合員にとってなじみがなかったということもありますが、それ以前に自治研活動そのものの意義が組合員に十分浸透していないことが原因ではないかと分析しています。
(2) 今後の取り組みの前進にむけて
自治研活動は、社会貢献活動に限らず労働組合が主体的に、地方行政、自治体政策、自らの仕事のあり方について研究し、実践していくことです。しかし先に述べたように、私たちが新たに始めた取り組みは、このような段階にまでは至っていません。
出雲市職としての今後の取り組みは、まず組合員に自治研活動の意味や意義を改めて知ってもらい、関心を持ってもらうことから始める必要があると考えます。同時に、より組合員が参加しやすい、あるいは参加したくなるような活動を実施していけるよう、工夫を重ねていくことももちろん必要です。そして、これまでの活動を含め、長期的な取り組みを行っていく中で自治体から地域へと活動の場を広げ、市民との協働により、めざす「住民のための」自治研活動を実現できるよう取り組みを進めていきます。 |