2. NPO法人年輪との協働活動から災害を想定した地域づくりを学ぶ
(1) 復興支援活動を通じ、災害時支援体制、地域包括ケアを学ぶ
「いつまでも地域で暮らし続けるために」をキャッチフレーズに地域の中で365日、24時間のサービスの必要性を発信、デイサービス、訪問介護、グループホーム等介護保険事業および配食事業等の活動を展開、今年20年目となるNPO法人サポートハウス年輪と協力し、東日本大震災支援活動を展開してきました。
バザー、メーデー等での被災地の物販販売、災害時の体制づくりを学ぶための講演会の開催、連合の制度政策集会への参加、宮城県石巻市、石巻市社会福祉協議会、福島県相馬市のグループホームなどの福祉施設へ共に出向き、義援金等を届け、現地の職員等と学習と交流を深めてきました。
災害時は、想定外のことが多く発生します。特に高齢者等福祉施設では、生命に関わることが次から次に起きてきます。想定外を想定内にする平時からの災害協定や訓練等の重要性、市、社会福祉協議会、企業、NPO、市民との連携、地域づくりの必要性を学ぶことができました。
2014年6月、政府は、防災白書を策定しました。白書では、東日本大震災など過去の大規模災害で、行政機能に限界があることが明らかになったとして、「地域コミュニティーの力を効果的に活用していくことが不可欠」と指摘し、住民や地元企業との連携強化を訴えています。「一般的な地域関係の活性化が防災力の強化にもつながる」とし、行政がコミュニティーづくり体制や地区ごとの防災計画策定体制の構築を促すべきと提言しています。
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【年輪と市職労合同での石巻市社会福祉協議会への視察】 |
私たちは、これまでの活動を踏まえ、春闘、連合の政策、制度要求等で地域防災ネットワークの強化、具体的な地域防災計画の策定等を要求してきました。また、地域の一員としての活動の必要性を再認識し、市職労としても、「災害ボランティアサポートチーム」を結成、また、高齢者の地域の見守り活動をする「ささえ合いネットワーク」の登録団体にも登録しました。
現在、福祉分野では、要介護者等の増加が見込まれる2025年以降を見据え、「地域包括ケアシステム」の構築が課題となっています。「地域包括ケアシステム」の実現には、「自助」「共助」そして「公助」へのつなぎ役を担う地域の中に根ざす住民主体の地域の問題発見、見守り、声かけシステムなどの活動が重要と言われています。
この間の活動の中で学んできた災害時を想定した地域づくりと地域包括ケアシステム構築のための地域づくりは、共通の部分も多くあります。そのことを踏まえ、現在、NPO法人、市民等と連携し、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを進めています。
2月24日(日) 市民会館において「東日本大震災から2年を前にして」シンポジウムが開催されました。介護事業所NPO法人サポートハウス年輪の主催で、被災地の介護事業所の方をお招きして、その時何が起こり、どう動いたかを伺いました。西東京市職労では、ロビーにおいて被災地の物販をしました。
【お話しいただいた方】
相馬市 グループホーム「えくせる」団体
石巻市社会福祉協議会団体
山田町「まちまどギャラリー」団体
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※当日の資料がご希望の方は組合事務所まで連絡をください |
「3・11の現実そして、私たちはこの町にきた」が、ジェフリーから発行されました。西東京市に避難されている方からの避難体験の聞き書きをまとめたものです。組合事務所で購入できます。 |
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【自治労西東京市職労ニュースより「私たちは忘れない3・11!」】
(2) 夏フェスタインそうま、佐藤健作「不二プロジェクト」相馬公演
福島県相馬市では、原発事故の影響もありスタッフ不足は深刻で、結果として閉鎖に追い込まれる施設も出てきています。2012年2月に西東京市民会館で年輪主催で開催された「震災から2年を前にして」のシンポジュウムで、講師であるグループホームの職員から深刻な人手不足について報告されました。その上で、当日ゲスト参加した和太鼓奏者「佐藤健作」さんの祈りの太鼓を「是非相馬市で実施してほしい」という要望が出されました。被災地で過酷な中でがんばっている職員、住民を支援したいという気持ちで、福島の復興を祈念し、祈りの太鼓を演じる佐藤健作さんの太鼓講演の実現に向けた活動を相馬市職等の協力で展開、2014年8月には、「夏フェスタインそうま」へ佐藤健作さんが出演することになりました。その後、多くの皆さんの協力の中、佐藤健作「不二プロジェクト」を4月12日に、相馬市民会館大ホールの公演を実現することができました。
公演後、現地のグループホームの職員からメールを頂きました。「昨日は、ありがとう。よかった、前を向いていけます等の声を頂いています。間違いなく相馬の方々の心に響いています」という内容でした。
当日の様子が、地元新聞、広報そうまの表紙にも掲載、予想を超える反響を頂きました。佐藤健作さんはじめ「不二プロジェクト」の皆さん、相馬市の社会福祉協議会はじめ各種団体、相馬市職等NPO法人年輪等多くの皆さんの連携があったからこそ、相乗効果も生れ成功できた復興支援事業だと思います。
今後も現地の皆さんとの交流を継続するとともに、介護職場の人材不足については、改善に向け様々な政策提言等の活動を展開したいと議論しています。
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