1. はじめに
大分県竹田市は、県の南西部に位置し、くじゅう連山、阿蘇外輪山、祖母山麓に囲まれた地にあります。2005年4月1日には、荻町、久住町、直入町と合併して新しい竹田市が誕生しました。自然豊かな竹田市は、絶え間なく湧き出る竹田湧水群や白水の滝などの名水、日本一の炭酸泉といわれる長湯温泉、そして開放感あふれる雄大な久住高原が訪れた人たちを魅了しています。音楽家・滝廉太郎が作曲した「荒城の月」は、岡城跡を構想したとされています。
2. 竹田市公立保育所
2014年現在、竹田市の公立保育所は竹田保育所・荻保育所・白丹保育所の3カ所があります。
4月現在、竹田保育所は52人、荻保育所は94人、白丹保育所は19人の児童が入所しています。
それぞれの保育所では、地域との交流をめざし、地域に開かれた保育所の子育て支援の実践的取り組みを行っています。
特に、高齢者・障がい者と児童の交流、また、地域の行事への参加などで地域の方々に元気と癒しと勇気をあげることができたらと、日々取り組んでいます。
3. 内 容
竹田保育所の取り組みを紹介します。
高齢者交流事業として、3・4歳児が2カ所の施設を訪問します。竹田市養護老人ホーム南山荘には、年3回訪問します。6月は、手遊び歌や童謡、リズム等で、お年寄りの方とふれあいます。特に肩たたきや握手のふれあいは大好評で、元気をもらえたと嬉しそうに語ってくれます。9月は、運動会ごっこです。行進や体操をした後は、元気にかけっこの競走です。玉入れ、音頭は元気なおじいちゃん・おばあちゃんも一緒にしてくれます。12月は発表会のお遊戯の披露です。衣装を身に着けた可愛くて素敵な園児に皆さんメロメロです。
特別養護老人ホーム悠々居には、10月に訪問します。悠々居の大運動会に、園児がお遊戯を披露したり、旗取りに出場したりの参加型です。青空の下、小さい子どもたちが動き回るだけでも嬉しいようで、お年寄りは目を細めてニコニコしてくれます。
障がい者交流事業は毎年、12月に4歳児が参加します。楽器の演奏や、言語劇などを披露します。大人の方がほとんどで、やはりとても喜んでくれます。
このような交流事業に参加するために、園児は特別に練習はしたりせずに、日頃、保育で取り組んでいるお遊戯などを披露します。核家族化が進む中、地域の方との交流により、園児にも思いやりの気持ちが育っている気がして嬉しく思います。心温まる交流事業が、これからもできる限り、続くと良いと思っています。
また、竹田市では、毎年2月から3月にかけて「岡藩城下町雛まつり」が行われています。児童が毎年、手作りのお雛様を作成して、店舗に飾ってもらいます。表情豊かなお雛様は、見る人の心を癒してくれるようです。このように、地道ですが地域の行事に参加することで、保育所の保護者にも、興味を持ってもらい、将来、地域に根付き、貢献してもらえるような市民をめざすことに、繋がれば良いと思います。 |