2. 取り組み
(1) 小学校との連携
本園は青山小学校と併設されており、運動会をはじめとした多くの行事を一緒に行っている。また、給食を小学校のランチルームで一緒に食べたり、休み時間に遊んだりと日常的な交流も多い。
① 鮎の放流(4月)
4月に鮎の放流を行った。園児と小学生がペアを組み、バケツに入った鮎の稚魚を川に放流する。入園して1週間、まだ小学生との交流もなかったため、話しかけられても答えられなかったり、「先生と手をつなぎたい」と話したりと緊張した様子が見られた。
放流が終わり園に戻ってからは「楽しかった」「お魚さん大きくなって戻ってくるといいなぁ」「お兄ちゃんたち優しかった!」と感想を言い合う姿が見られた。
② 給食(5月)
5月の連休明けから給食が始まった。ランチルームで給食を食べていると、授業を終え教室から出てきた小学生が「おいしい?」「髪切ったなぁ、かっこいい!」と次々に声をかけてくれる。園児も鮎の放流でペアになった子を見つけ「私のお姉ちゃん!」と喜んだり、「今日こんなことして遊んだ」と報告したりと小学生との会話を楽しんでいるようだ。
(2) 保護者・地域との連携
毎日園まで送り迎えをしてもらっているため、保護者とは毎日顔を合わせて話す機会がある。その日園であったことや家庭での様子を話し、情報交換をすることで連携をとることができている。
また、地域の方も協力的で、園児を見かけると必ず声をかけてくれる。
① 子育てサロン(5月~)
今年度、青山地区社会福祉協議会代表の方より『子育てサロン』の再開の話があった。園児だけでなく地域の未就園児も招待し、月に1回程度遊びの会を開くことで普段より多い人数で遊ぶことができ、保護者同士の情報交換も行うことができる。
第一回目は5月に本園で行われた。14人が参加し、親子での手遊びや読み聞かせ・リズム遊びを行い、おやつを食べながら今後の活動内容についての話をした。
園児は部屋の隅にいる年下の子に「一緒にしよう」と声をかけたり、「ここに座るんで」と教えたりする姿が見られた。普段は一番年下でお世話をしてもらうことの多い3人だが、「サロンでは自分たちが一番お兄さん・お姉さん」という自覚があるようだ。
② ピザ焼き体験(5月)
5月に親子遠足で、青山地区にある『かすみの里 しばいや』で、ピザ焼き体験を行った。生地作りに石窯で焼いたピザの試食と経験したことのないことばかりで、親子で夢中になっていた。野菜嫌いな子が野菜を食べて周囲を驚かせ、1か月たった今でも「ピザおいしかったよなぁ」と話すなど印象に残ったことがわかる。保護者も「初めて来た」「また家族で行きたいなぁ」と話しており、地域の施設を活用することの大切さを実感した行事であった。
(3) 他園との連携
交流保育は年間を通して6~7回行われる。路線バスや地域のコミュニティバスを利用し、他園へ出向いている。本園には近くに河川プールがあるため、7月には2園が青山幼稚園に来て川遊びを行う予定である。
また、職員間の連携としては、佐伯市内の公立幼稚園を4つのグループにわけて週に1回研修を行っている。
① 2園交流保育(5月)
5月に一番近い園との2園交流保育を行った。はじめは表情がかたく、涙ぐむなど緊張した様子であったが、どちらの園の園児も好きな踊りを一緒に踊ったり、じゃんけん遊びをしたりしている時には笑顔も見られた。好きな遊びの時間にはお互い気になっているが、一緒に遊ぶまではいかず同じ園の友だちと過ごす時間が多かった。
② 3園交流保育(6月)
6月に3園での交流保育を行った。人数の多さに驚いた3人だったが、今回は泣くこともなく、大きな声で自分の名前を言うことができた。5月に2園交流保育を行っていたこともあり、知った人がいる安心感があったようだ。なじみのあるじゃんけん遊びもいつもは1対1だが、この日は教師1人対園児50人で行い、普段は経験できない新鮮な遊びとなった。
好きな遊びでは、どんな遊具があるのか興味をもって探検し、「これうちにもあるなぁ!」「こんなおもちゃないなぁ」と嬉しそうに話す姿が見られた。他園の子が「一緒に遊ぼう」と誘う場面もあったが、教師や友だちと離れることにまだ不安を感じているのか、新しい友だちを作るまではいかなかった。 |