~質問「あなたのお子さんが同和地区の人と結婚するとしたら、あなたはどうしますか(どうすると思いますか)。お子さんがいない方はいるものと仮定して考えてください」について~
自治体職員の1位は「同和地区の人かどうかは関係ない、そのことで反対などしない」53.2%、2位は「できれば同和地区の人でない方がよいが、反対はしない」19.3%、3位は「わからない」18.2%でした。
一方、県民の1位は「同和地区出身は関係なく、そのことで反対はしない」37.7%、2位は「できれば同和地区出身でない方がよいが、反対はしない」22.4%、3位は「わからない」19.5%でした。
~質問「自治体が発行している広報紙に人権や同和問題についての記事が掲載されることがあります。あなたはそのような記事を読んだことがありますか(自治体職員のみに対する質問)」について~
自治体職員の1位は「読んだことがある」78.3%、2位は「読んだことがない」17.7%、3位は「自治体の広報紙を見たことがない」4.0%でした。
~質問「差別意識は近い将来なくすことができると思いますか」について~
自治体職員の1位は「かなりなくすことができる」52.1%、2位は「なくすことは難しい」43.1%、3位は「完全になくすことができる」4.7%でした。
一方、県民の1位は「かなりなくすことができる」55.9%、2位は「なくすことは難しい」41.0%、3位は「完全になくすことができる」3.0%でした。
~質問「同和問題を知ったきっかけはなんですか」について~
② 結果検証
~質問「あなたのお子さんが同和地区の人と結婚するとしたら、あなたはどうしますか(どうすると思いますか)。お子さんがいない方はいるものと仮定して考えてください」について~
調査結果から、自治体職員、県民ともに結婚問題を1番大きな課題と捉えていることがわかりました。そのような中、上記質問に対する回答の1位は自治体職員、県民ともに「同和地区の人かどうかは関係ない、そのことで反対などしない」でした。回答割合については、自治体職員53.2%に対して県民は37.7%でした。このことから、同和問題(結婚問題)については、良い意味で自治体職員の意識が高いことがわかりました。
部会でグループワークを実施する中で、「自治体職員は県民に比べ研修を受ける機会が多いため差別意識が低いのではないか」などの意見が出されました。
県民意識調査結果から、人権に関する研修等の受講回数が多いと同和地区への差別意識が少なくなっていることがわかっています。県民に対する研修や学習の機会を増やすなど、県民に対する人権に関する情報提供を工夫していく必要があります。
~「身元調査をされること」について~
自治体職員、県民ともに「身元調査をされること」を2位の課題と捉えています。身元調査は結婚・就職差別につながるものです。戸籍・住民票の不正取得を防ぐため大分県では全国に先駆けて全18市町村で本人通知制度が導入されていますが、その制度活用にむけた推進が必要です。
~質問「自治体が発行している広報紙に人権や同和問題についての記事が掲載されることがあります。あなたはそのような記事を読んだことがありますか(自治体職員のみに対する質問)」について~
自治体職員の3位に、同和問題について「わからない」という回答が15.6%もあるというのは課題として挙げられます。特に上記質問の回答結果を見ると自治体職員の21.7%(読んだことがない17.7%、自治体の広報紙を見たことがない4.0%)が広報紙の人権・同和問題の記事を見たことがないこともわかりました。
部会でグループワークを実施する中で、「同和問題について、各種学習会の実施が自治体で行われているが、わかっている人が何度も学習会に参加し、本来参加すべき人が参加していないことが原因」、「全職員が同和問題に関する研修を受けるような工夫が必要」などの意見が出されました。
~質問「差別意識は近い将来なくすことができると思いますか」について~
自治体職員、県民ともに40%以上の人が「なくすことは難しい」と考えています。差別意識を無くす試みは粘り強く発信していく必要があります。
~質問「同和問題を知ったきっかけはなんですか」について~
「学校の授業で習った」と答えているのが自治体職員、県民ともに1位となっています。学校段階(特に義務教育段階)での人権教育を工夫、推進することが効果的と考えられます。
③ 部会のグループワークで出された対策案等
・県民に対する研修や学習の機会を増やす
・県民に対する人権に関する情報提供を工夫していく
・自治体の全職員が同和問題に関する研修を受けるような工夫
・戸籍・住民票の不正取得を防ぐための本人通知制度の利用促進
・学校段階(特に義務教育段階)での人権教育を工夫、推進
(4) 人権課題「高齢者」(県民2位)
① 調査結果
次の表で、「今の日本の高齢者に関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」という質問に対する自治体職員の回答結果を示します。
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※ 分母を6,542人として割合を算出 |
自治体職員の1位は「経済的な自立が難しいこと」15.5%、2位は「一人暮らし、閉じこもり、寝たきり等への不安やそれらによる不便があること」15.4%、3位は「邪魔者扱いにされ、つまはじきにされること」15.0%でした。
一方で、県民意識調査の同様の質問に対する回答では、1位は「一人暮らし、閉じこもり、寝たきり等への不安やそれらによる不便があること」56.9%、2位は「経済的な自立が難しいこと」56.7%、3位は「悪徳商法の被害者が多いこと」51.7%でした。
~質問「今の日本の高齢者に関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」について(県民の回答結果)~
~質問「今の日本の高齢者について、社会で尊敬されていると思いますか」について~
② 結果検証
~質問「今の日本の高齢者に関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」について(県民の回答結果)~
「高齢者」に対する人権問題について自治体職員より県民の方が多くの問題を課題と捉えている人が多いことがわかりました。
法律・制度の周知はもちろんのこと、高齢者の問題を県民がどのように捉えているのかを自治体職員が知るために、自治体職員に対する学習会や広報が必要です。
~質問「今の日本の高齢者について、社会で尊敬されていると思いますか」について~
調査結果(県民(今回調査)、県民(前回調査)参照)から、高齢者が除け者にされていると思う人が増え、高齢者が尊敬されていると思う人が減っていることがわかります。
背景として、少子高齢化の時代に突入した中、1人暮らしの高齢者が増え、経済的自立も困難な状況が進んでいることが考えられます。
③ 部会のグループワークで出された対策案等
・高齢者を大事にするキャンペーンの実施
・高齢者と交流する機会を増やす
・高齢者を社会的に活かすために、学校や地域で雇用
・高齢者の経済状況や1人暮らしの実態調査
・高齢者の公に係る負担(保険税等)を減額し、公的補助を増額
・高齢者向け住宅等の整備
・地域コミュニティーの再形成
・隣保班の活性化
・高齢化が進んだ地域に若い人が残る工夫(住宅補助等)
・年金制度の再検討
4. 人権課題解決にむけ
部会では、これまでの調査結果を検証し、人権課題解決にむけた対策案等の検討を行ってきました。本報告については、単組へ情報提供を行うとともに、今後の学習活動などに活かしてきます。
自治体職員人権意識調査は、この調査そのものが人権意識の向上につながり、住みやすい町づくり、働きやすい職場づくりにつながります。複数年に一度実施される県民意識調査と連動した調査の実施を今後も行っていきます。
(参考調査結果)
~人権の大切さを多くの人に知ってもらうのは、どんな方法が効果的だと思いますか(複数回答可)~
~これまで自分の人権が侵害されたと思ったことがありますか(複数回答可)~
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