【自主レポート】

第35回佐賀自治研集会
第9分科会 平和と共生のために、自治体は……

 自治研センター「人権・文化専門部会」が行った自治体職員に対する人権意識調査結果を検証し、対策案等の検討を行ったので紹介する。



自治体職員の人権意識調査結果の報告


大分県本部/大分県地方自治研究センター・人権文化専門部会

 自治研センター「人権・文化専門部会(以下、部会と言う)」は、2009年に大分県が実施した「人権に関する県民意識調査」と同様の質問内容で、2012年度に県内自治体職員に対する人権意識調査を実施しました。この調査で18自治体12,127人中、6,542人(自治体職員回収率53.9%)から回答を得ています。
 この調査結果に対して、部会内でグループワークを実施し結果検証及びそれに対する対策案等の検討を行ったので以下に報告します。

(参考:自治体職員の回答者の年代について)
  29歳以下

30~39歳

40~49歳 50歳以上
人 数 883 2,107 2,065 1,487 6,542
割 合 13.5 32.2 31.6 22.7 100.0

1. 自治体職員と県民の人権意識の違い

① 調査結果
  「あなたは、人権に関心がありますか」という問いに対して、自治体職員では、「かなり関心がある」4.7%、「関心がある」61.4%、「あまり関心がない」31.1%、「関心がない」2.8%となっており、「かなり関心がある・関心がある」と答えたのは66.1%でした。
  一方で、県民意識調査は、「非常に関心がある」9.2%、「かなり関心がある」43.3%、「あまり関心がない」37.9%、「関心がない」5.7%、「不明(無記入)」3.9%となっています。「非常に関心がある・かなり関心がある」と答えたのは52.5%となっています。
② 結果検証
  調査結果から、自治体職員と県民では、比較的自治体職員の方が人権に対する意識が高いことがわかりました。
  しかしながら、自治体職員の「あまり関心がない」、「関心がない」という回答を合わせると33.9%であることから、楽観視できる状況ではないこともわかりました。人権意識の向上を図っていくにはどうすればよいかの検討が必要です。
  意識向上を図るには、関心があるものについて、より関心を持ってもらうように、関心がないものについて関心をもってもらうように対策を行うことが必要です。

2. 自治体職員が関心を持っている人権課題

 次の表で、「あなたが関心を持っている人権課題を挙げてください(複数回答可)」という質問に対する自治体職員の回答結果を示します。

※ 分母を6,542人として割合を算出

 回答結果の上位3位のうち、1位は「子ども」22.9%、2位は「障がい者」16.6%、3位は「同和問題(部落差別問題)」15.8%ということがわかりました。
 一方で、県民意識調査の同様の質問に対する回答では、県民の1位は「障がい者」56.8%、2位は「高齢者」51.7%、3位は「女性」39.0%でした。

3. 人権課題を掘り下げる

 2.の調査結果及び部会内の意見を踏まえ、人権課題のうち「子ども」、「障がい者」、「同和問題(部落差別問題)」、「高齢者」についてアンケート結果を分析・検討を行いました。

(1) 人権課題「子ども」(自治体職員1位)
① 調査結果
  次の表で、「今の日本の子どもに関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」という質問に対する自治体職員の回答結果を示します。

※ 分母を6,542人として割合を算出

  調査結果から、自治体職員の1位は「『仲間はずれ』や『無視』、身体への直接攻撃や相手がいやがることをしたり、させたりなど、いじめを行うこと」27.8%、2位は「性的行為や暴力シーンを子どもに見せること」22.7%、3位は「いじめをしている人や、いじめられている人を見て見ぬふりをすること」21.2%でした。
  一方で、県民意識調査の同様の質問に対する回答では、1位は「『仲間はずれ』や『無視』、身体への直接攻撃や相手がいやがることをしたり、させたりなど、いじめを行うこと」71.4%、2位は「いじめをしている人や、いじめられている人を見て見ぬふりをすること」67.8%、3位は「学力による評価が優先し、多様な能力が評価されないこと」52.2%でした。
 ~「子どもに関する制度の認知度」について~
 ア 児童ポルノ法を知っていますか。
   自治体職員の1位は「多少は知っている」44.8%、2位は「あまり知らない」42.1%、3位は「知らない」9.5%、4位は「よく知っている」3.7%でした。
   一方、県民の1位は「多少は知っている」45.4%、2位は「あまり知らない」32.5%、3位は「知らない」13.6%、4位は「よく知っている」8.5%でした。
 イ 子どもの権利条約を知っていますか。
   自治体職員の1位は「あまり知らない」41.7%、2位は「多少は知っている」35.8%、3位は「知らない」18.5%、4位は「よく知っている」4.0%でした。
   一方、県民の1位は「あまり知らない」40.3%、2位は「多少は知っている」32.1%、3位は「知らない」20.4%、4位は「よく知っている」7.2%でした。
 ウ 児童福祉法を知っていますか。
   自治体職員の1位は「多少は知っている」43.4%、2位は「あまり知らない」40.0%、3位は「知らない」11.6%、4位は「よく知っている」5.0%でした。
   一方、県民の1位は「多少は知っている」47.9%、2位は「あまり知らない」30.5%、3位は「よく知っている」11.2%、4位は「知らない」10.4%でした。
 エ 児童虐待防止法を知っていますか。
   自治体職員の1位は「多少は知っている」53.1%、2位は「あまり知らない」33.1%、3位は「知らない」7.4%、4位は「よく知っている」6.4%でした。
   一方、県民の1位は「多少は知っている」48.8%、2位は「あまり知らない」28.3%、3位は「よく知っている」12.2%、4位は「知らない」10.7%でした。
 ~質問「子どもは幸せに暮らしているか」について~
 ア 今の日本の子どもは学校では幸せと思いますか
   自治体職員の意識調査では、幸せに過ごしているように思う10.8%、まあ幸せなように思う58.0%、あまり幸せでないように思う15.4%、幸せではないように思う2.1%、わからない13.7%でした。
   なお、県民意識調査では、幸せに過ごしているように思う15.8%、まあ幸せなように思う53.3%、あまり幸せではないように思う16.0%、幸せではないように思う3.3%、わからない11.7%となっています。
 イ 今の日本の子どもは地域(家庭や学校以外)では幸せと思いますか
   自治体職員の意識調査では、幸せに過ごしているように思う10.8%、まあ幸せなように思う55.5%、あまり幸せでないように思う17.0%、幸せではないように思う2.8%、わからない13.9%でした。
   なお、県民意識調査では、幸せに過ごしているように思う16.7%、まあ幸せなように思う55.8%、あまり幸せではないように思う13.8%、幸せではないように思う3.1%、わからない10.6%となっています。
 ウ 今の日本の子どもは家庭では幸せと思いますか
   自治体職員の意識調査では、幸せに過ごしているように思う14.5%、まあ幸せなように思う59.1%、あまり幸せでないように思う14.6%、幸せではないように思う1.7%、わからない10.1%でした。
   なお、県民意識調査では、幸せに過ごしているように思う24.1%、まあ幸せなように思う56.2%、あまり幸せではないように思う12.7%、幸せではないように思う1.8%、わからない5.2%となっています。
② 結果検証
 ~「『仲間はずれ』や『無視』、身体への直接攻撃や相手がいやがることをしたり、させたりなど、いじめを行うこと」について~
  自治体職員も県民も「子ども」のいじめ問題に対する関心が高いことがわかりました。部会でグループワークを実施する中で、その背景として「教育現場の課題が多い」、「田舎は学校が選べない」、「小学校から中学校へと学年があがるにつれて問題が増えてくる」という実体験に基づく意見が出されました。
 ~「性的行為や暴力シーンを子どもに見せること」について~
  最近はスマートフォンやパソコンの普及が進んでいますが、そのようなツールでインターネット上に氾濫する性的行為などのシーンを子どもが見ることができる状況です。規制をかけることも可能ですが、知識が必要です。

 ~「子どもに関する制度の認知度」について~
  子どもに関する制度の認知度が自治体職員、県民ともに低いことがわかりました。部会でグループワークを実施する中で、「自治体職員については子ども行政に関係のある職員以外はそもそも関心が低いのでは」という意見が出されました。
 ~質問「子どもは幸せに暮らしているか」について~
  「あまり幸せでないように思う」、「幸せでないように思う」、「わからない」と回答した人が自治体職員、県民ともに約20~30%となっています。
  子どもが「幸せに過ごしているように思う」と回答した割合を学校、地域、家庭で比較すると家庭の割合が最も高いことがわかりました。このことから、学校、地域における子どもに対する親の不安が見受けられます。
③ 部会のグループワークで出された対策案等
  ・教育現場等における子どもの課題の解決
  ・スマートフォン、パソコンのサイト制限に関する、親に対する学習会の開催
  ・子どもに関する制度について、参加したくなるような研修会や学習会(具体例を引用して)の開催
  ・家庭以外(学校・地域)の活動にも目をむける
  ・地域力を上げるため、高齢者と子どものふれあいの場をつくる
  ・若い人が地域に残る取り組み(子どもが地域に残るよう)を行う
  ・学校、地域、家庭の連携を推進するためにマスコミなどを使ってのキャンペーン
  ・ワーク・ライフ・バランスの推進

(2) 人権課題「障がい者」(自治体職員2位、県民1位)
① 調査結果
  次の表で、「今の日本の障がい者に関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」という質問に対する自治体職員の回答結果を示します。

※ 分母を6,542人として割合を算出

 自治体職員の1位は「人々の障がい者に対する理解が足りないこと」23.3%、2位は「就職・職場で不利な扱いをされること」17.6%、3位は「差別的な言動をされること」15.6%でした。
 一方で、県民意識調査の同様の質問に対する回答では、1位は「人々の障がい者に対する理解が足りないこと」61.6%、2位は「就職・職場で不利な扱いをされること」56.4%、3位は「差別的な言動をされること」42.1%でした。
 ~「障がい者に関する制度の認知度」について~
 ア 「障害者基本法」を知っていますか。
   自治体職員の1位は「あまり知らない」49.9%、2位は「多少は知っている」32.2%、3位は「知らない」15.1%、4位は「よく知っている」2.8%でした。
   一方、県民の1位は「あまり知らない」46.7%、2位は「多少は知っている」26.7%、3位は「知らない」20.7%。4位は「よく知っている」5.9%でした。
 イ 「バリアフリー新法」を知っていますか。
   自治体職員の1位は「あまり知らない」51.2%、2位は「多少は知っている」23.5%、3位は「知らない」23.0%、4位は「よく知っている」2.3%でした。
   一方、県民の1位は「あまり知らない」43.9%、2位は「多少は知っている」29.4%、3位は「知らない」22.0%、4位は「よく知っている」4.7%でした。
 ~質問「今の日本で、障がい者の人権は法律や制度の上で保障されていると思いますか」について~
  自治体職員の1位は「まあ保障されていると思う」53.0%、2位は「あまり保障されていないと思う」24.1%、3位は「保障されていると思う」10.3%でした。
  一方、県民の1位は「まあ保障されていると思う」43.2%、2位は「あまり保障されていないと思う」27.2%、3位は「保障されていると思う」12.7%でした。
② 結果検証
  複数回答可ということで自治体職員と県民の数値の開きはありますが、回答結果の上位3位が自治体職員と県民で同じことがわかりました。
  障がい者の人権問題については、自治体職員、県民ともに意識関心は高いのですが、調査結果のような人権上の問題が生じているのが実態です。
 ~「障がい者に関する制度の認知度」について~
  調査結果から、障がい者に関する法律・制度の周知が十分でないことがわかります。部会でグループワークを実施する中で、「障がい者の人権に関する学習会の機会が少ない」、「普段の生活の中で障がい者と接する機会が少ない」などの意見が出されました。
 ~質問「今の日本で、障がい者の人権は法律や制度の上で保障されていると思いますか」について~
  調査結果から、「あまり保障されていないと思う」と答えたのが自治体職員で24.1%、県民で27.2%にものぼっています。障がい者に対する理解促進が必要です。
③ 部会のグループワークで出された対策案等
  ・障がい者に対する理解促進にむけ、自治体職員、県民向けの障がい者の人権問題に関する学習会の開催
  ・障がい者本人の生の声を聞くことができるフォーラム等の開催
  ・障がい者の方が日常生活を支障なく暮らせるように、町のバリアフリー化等の促進

(3) 人権課題「同和問題(部落差別問題)」(自治体職員3位)
① 調査結果
  次の表で、「同和問題で現在起きていると思うことを選んでください(複数回答可)」という質問に対する自治体職員の回答結果を示します。

※ 分母を6,542人として割合を算出

  自治体職員の1位は「結婚に反対されること」30.0%、2位は「身元調査をされること」16.7%、3位は「わからない」15.6%でした。
  一方で、県民意識調査の同様の質問に対する回答では、1位は「結婚に反対されること」49.2%、2位は「身元調査をされること」33.4%、3位は「差別的な言動をされること」21.1%でした。

 ~質問「あなたのお子さんが同和地区の人と結婚するとしたら、あなたはどうしますか(どうすると思いますか)。お子さんがいない方はいるものと仮定して考えてください」について~
  自治体職員の1位は「同和地区の人かどうかは関係ない、そのことで反対などしない」53.2%、2位は「できれば同和地区の人でない方がよいが、反対はしない」19.3%、3位は「わからない」18.2%でした。
  一方、県民の1位は「同和地区出身は関係なく、そのことで反対はしない」37.7%、2位は「できれば同和地区出身でない方がよいが、反対はしない」22.4%、3位は「わからない」19.5%でした。
 ~質問「自治体が発行している広報紙に人権や同和問題についての記事が掲載されることがあります。あなたはそのような記事を読んだことがありますか(自治体職員のみに対する質問)」について~
  自治体職員の1位は「読んだことがある」78.3%、2位は「読んだことがない」17.7%、3位は「自治体の広報紙を見たことがない」4.0%でした。
 ~質問「差別意識は近い将来なくすことができると思いますか」について~
  自治体職員の1位は「かなりなくすことができる」52.1%、2位は「なくすことは難しい」43.1%、3位は「完全になくすことができる」4.7%でした。
  一方、県民の1位は「かなりなくすことができる」55.9%、2位は「なくすことは難しい」41.0%、3位は「完全になくすことができる」3.0%でした。
 ~質問「同和問題を知ったきっかけはなんですか」について~
② 結果検証

 ~質問「あなたのお子さんが同和地区の人と結婚するとしたら、あなたはどうしますか(どうすると思いますか)。お子さんがいない方はいるものと仮定して考えてください」について~
  調査結果から、自治体職員、県民ともに結婚問題を1番大きな課題と捉えていることがわかりました。そのような中、上記質問に対する回答の1位は自治体職員、県民ともに「同和地区の人かどうかは関係ない、そのことで反対などしない」でした。回答割合については、自治体職員53.2%に対して県民は37.7%でした。このことから、同和問題(結婚問題)については、良い意味で自治体職員の意識が高いことがわかりました。
  部会でグループワークを実施する中で、「自治体職員は県民に比べ研修を受ける機会が多いため差別意識が低いのではないか」などの意見が出されました。
  県民意識調査結果から、人権に関する研修等の受講回数が多いと同和地区への差別意識が少なくなっていることがわかっています。県民に対する研修や学習の機会を増やすなど、県民に対する人権に関する情報提供を工夫していく必要があります。
 ~「身元調査をされること」について~
  自治体職員、県民ともに「身元調査をされること」を2位の課題と捉えています。身元調査は結婚・就職差別につながるものです。戸籍・住民票の不正取得を防ぐため大分県では全国に先駆けて全18市町村で本人通知制度が導入されていますが、その制度活用にむけた推進が必要です。
 ~質問「自治体が発行している広報紙に人権や同和問題についての記事が掲載されることがあります。あなたはそのような記事を読んだことがありますか(自治体職員のみに対する質問)」について~
  自治体職員の3位に、同和問題について「わからない」という回答が15.6%もあるというのは課題として挙げられます。特に上記質問の回答結果を見ると自治体職員の21.7%(読んだことがない17.7%、自治体の広報紙を見たことがない4.0%)が広報紙の人権・同和問題の記事を見たことがないこともわかりました。
  部会でグループワークを実施する中で、「同和問題について、各種学習会の実施が自治体で行われているが、わかっている人が何度も学習会に参加し、本来参加すべき人が参加していないことが原因」、「全職員が同和問題に関する研修を受けるような工夫が必要」などの意見が出されました。
 ~質問「差別意識は近い将来なくすことができると思いますか」について~
  自治体職員、県民ともに40%以上の人が「なくすことは難しい」と考えています。差別意識を無くす試みは粘り強く発信していく必要があります。
 ~質問「同和問題を知ったきっかけはなんですか」について~
  「学校の授業で習った」と答えているのが自治体職員、県民ともに1位となっています。学校段階(特に義務教育段階)での人権教育を工夫、推進することが効果的と考えられます。
③ 部会のグループワークで出された対策案等
  ・県民に対する研修や学習の機会を増やす
  ・県民に対する人権に関する情報提供を工夫していく
  ・自治体の全職員が同和問題に関する研修を受けるような工夫
  ・戸籍・住民票の不正取得を防ぐための本人通知制度の利用促進
  ・学校段階(特に義務教育段階)での人権教育を工夫、推進

(4) 人権課題「高齢者」(県民2位)
① 調査結果
  次の表で、「今の日本の高齢者に関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」という質問に対する自治体職員の回答結果を示します。

※ 分母を6,542人として割合を算出

  自治体職員の1位は「経済的な自立が難しいこと」15.5%、2位は「一人暮らし、閉じこもり、寝たきり等への不安やそれらによる不便があること」15.4%、3位は「邪魔者扱いにされ、つまはじきにされること」15.0%でした。
  一方で、県民意識調査の同様の質問に対する回答では、1位は「一人暮らし、閉じこもり、寝たきり等への不安やそれらによる不便があること」56.9%、2位は「経済的な自立が難しいこと」56.7%、3位は「悪徳商法の被害者が多いこと」51.7%でした。
 ~質問「今の日本の高齢者に関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」について(県民の回答結果)~

 ~質問「今の日本の高齢者について、社会で尊敬されていると思いますか」について~

② 結果検証
 ~質問「今の日本の高齢者に関することで人権上問題があると思われるものを選んでください(複数回答可)」について(県民の回答結果)~
  「高齢者」に対する人権問題について自治体職員より県民の方が多くの問題を課題と捉えている人が多いことがわかりました。
  法律・制度の周知はもちろんのこと、高齢者の問題を県民がどのように捉えているのかを自治体職員が知るために、自治体職員に対する学習会や広報が必要です。
 ~質問「今の日本の高齢者について、社会で尊敬されていると思いますか」について~
  調査結果(県民(今回調査)、県民(前回調査)参照)から、高齢者が除け者にされていると思う人が増え、高齢者が尊敬されていると思う人が減っていることがわかります。
  背景として、少子高齢化の時代に突入した中、1人暮らしの高齢者が増え、経済的自立も困難な状況が進んでいることが考えられます。
③ 部会のグループワークで出された対策案等
  ・高齢者を大事にするキャンペーンの実施
  ・高齢者と交流する機会を増やす
  ・高齢者を社会的に活かすために、学校や地域で雇用
  ・高齢者の経済状況や1人暮らしの実態調査
  ・高齢者の公に係る負担(保険税等)を減額し、公的補助を増額
  ・高齢者向け住宅等の整備
  ・地域コミュニティーの再形成
  ・隣保班の活性化
  ・高齢化が進んだ地域に若い人が残る工夫(住宅補助等)
  ・年金制度の再検討

4. 人権課題解決にむけ

 部会では、これまでの調査結果を検証し、人権課題解決にむけた対策案等の検討を行ってきました。本報告については、単組へ情報提供を行うとともに、今後の学習活動などに活かしてきます。
 自治体職員人権意識調査は、この調査そのものが人権意識の向上につながり、住みやすい町づくり、働きやすい職場づくりにつながります。複数年に一度実施される県民意識調査と連動した調査の実施を今後も行っていきます。
(参考調査結果)
 ~人権の大切さを多くの人に知ってもらうのは、どんな方法が効果的だと思いますか(複数回答可)~

 ~これまで自分の人権が侵害されたと思ったことがありますか(複数回答可)~