【要請レポート】 |
第35回佐賀自治研集会 第13分科会 自治体からはじまる地域教育へのチャレンジ |
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全国的に近来、食物アレルギーを持つ児童は増加し、原因食物も多岐にわたり反応が出た場合アナフラキーショックを引き起こす重度な症状も比例するように増加傾向にあります。京都市においては以前から表向きにはアレルギー対応食については除去食・代替食は行わないとしている反面、各学校において個別の対応は認める。言い換えれば何かあった時には各学校の校長責任であり、ひいては調理業務にあたる調理員の責任であるという基本姿勢がこの間続いていました。給食の献立をたてるにあたっては、栄養士が原案を作成し毎月の支部研修会で調理員が献立の組み合わせや、調理法・同一献立において食物アレルギーとなる食材が複数ある場合は出来るだけ子どもたちに給食を食べられるように食材の変更等話し合い、支部の意見として支部の代表が意見をもちより更に全市的に変更要請するか会議を持ち、体育健康教育室・校長会・給食主任・給食協会・栄養士・調理員幹事で献立作成会を開き献立原案を作成します。また、各学校で毎日の給食の味付けは子どもたちにとってどうであったか、ご飯・パンの残量・主菜・副菜の残量をチェックし全市のまとめとして委員会に提出し給食の向上をはかっています。 先にも述べましたが、給食はどんな子どもたちも平等に食べる権利があり、みんなで食べる喜びを学ぶ場であることは、基本中の基本でありながら、食物アレルギーをもつ児童に対しての給食提供については、教職員のアレルギーの知識、公務分掌の有無・施設状況・そしてなにより、調理人員の確保が大前提でありそれがないがゆえに、東京調布市においていたましい、まだまだ明るい未来が待っていただろう幼い命を失う事態が起こってしまいました。 しかし、こうなる前に、命に係わる事だと認識してこなかったこと、教職員からもっと当局に追及し改善し動いていかなければならなかったことが一番の原因であったのではないでしょうか? 私たちは、アレルギー対応食について研究会として現在の各学校での対応状況を把握し調理員の意見を体育健康教育室より先に把握し一刻も早く、マニュアル制定に向けての対策委員会設置・設備・調理したものを児童に届けるまでの教職員との連携を図る事・アレルギーを持つ児童の保護者との面談に関しては調理員も必ず入る事を要求することと、組合として、新規正規職員採用凍結後、臨時職員・臨時嘱託職員の非正規職員で調理業務にあたっているが、何かの事態が起こった場合非正規職員が調理して責任が取れるのか、また調理業務さえ円滑に回らない各職場において、アレルギー対応を進めることに一番大切な人員確保の要求、正規職員と非正規職員の職務のあり方についても明確にしなければ安易に進めていくことは出来ないと、単組として独自要求にあげて調理員としてハード面の要求と人員の要求と両面から進めています。 2013年7月に委員会より食物アレルギー対策検討会議が設置されることとなりました。構成者は、校長会・栄養教諭・給食調理員・体育健康室からなり、第一回目として大まかなマニュアルの骨子をもとに会議がもたれましたが、今の現状を把握することが先決であり、それぞれの立場から意見交換しマニュアル制定にむけて長いスパンで進めていくことが必要ではないかと発言し期限を決めて進めることではなくあらゆる問題提起のなかで時間をかけ最善のマニュアルを作ることが重要であると提言し、第二回にはそれぞれの立場でワークショップ形式で討議する形になりました。あわせてアレルギーを持つ児童の把握が重要であり、どのような食物のアレルギーを持っているのか、どのような症状のレベルであるのかを全市一斉調査することになりました。また、調理員・栄養士・給食主任・管理職で今の課題を話し合う場を持つよう体健室に申し入れし行うことになりましたが、学校によっては管理職だけで書面に記入したり養護教諭だけに任せたりと、調理員に文書さえ見せない学校もあり、そういった認識があることについて、組合として現場での調理の重要性と、教職員としての位置づけを再認識するよう強く抗議しましたが、こういった考えがある限り物事は進まないことを理解させなければなりません。 第二回の検討会議においては、ワークショップからの問題を踏まえ、全ての食物アレルギーに対しての除去食は困難であること、設備的に飛沫するような小麦粉・そば粉等の除去食は無理であること、献立原案の時点でのアレルギー対応除去食の工程表・作業導線図・調理法の記載が不可欠であること、あくまで病院でのアレルギーの認定を受けた児童のみ対応すること、アナフラキーショックを伴う児童に対しては行わないこと、専用器具・専用食器はどうするのか、人員確保はどうするのかをあげました。これらは、調理するまでの問題であり、受け渡しに関しての問題、お代わりについてはどうしていくのか、アナフラキーショックを起こした場合の教職員の連携と処置の徹底等様々な問題が提起される中で、お互いが知り得なかった問題を共有することができ、次のステップへと進んでいます。縦の繋がりばかり重要視され横の繋がりが軽視されてきましたが、当局、管理職、教師、栄養士、養護教諭、調理員と子どもたちに関わる全ての職員が子どもたちのために取り組み考えることが重要であり今求められています。直営で調理をし公務員であることの必要性を生かすべきでありそれが現業職の私たち調理員がしなければいけない業務であることと、必要性を当局に認識させなければいけないことだとこれからも取り組んでいきます。 |
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