【レポート】

第39回静岡自治研集会
第1分科会 自治研入門 来たれ、地域の新たな主役

 コロナの蔓延防止対策として飲食などの規制が続く一方で、withコロナのライフスタイルが定着しつつあり、地元イベントも感染症対策を徹底した上で一部復活の兆しを見せているところです。本レポートでは、コロナ禍による活動自粛の中でもできる地域貢献活動を模索する中で、若手組合員が地域活動へ積極的に参加した事例について報告します。



地域貢献活動の模索
―― 草刈りから始めよう ――

島根県本部/大田市職員連合労働組合・青年部

1. はじめに

 2022年度の活動を考えるにあたって、ライフスタイルがwithコロナに変わっていくなか、我々青年部の活動もwithコロナに即したものへと見直す必要がありました。新たな活動案を募ったところ、組合員より「地域へ貢献する活動がしたい」という意見がありました。そこで新たな試みとして、青年部主催の活動にこだわらず積極的な地域活動への参加を行うこととしました。その一部を報告いたします。

2. 活動の模索

 地域活動へ参加することは決まりましたが、地域活動そのものが減少していました。我々が思いつくイベントのほとんどが中止しており、参加できるものがないような状況でした。そこで、地域の方と直接連絡を取り合い若手の力が必要な活動がないか模索することとなりました。
 模索する中で案としてあがったのが草刈でした。草刈は地域の良好な生活環境を維持する上で非常に重要な活動であることから、コロナ禍においても一部地域では継続的に実施されていました。しかしながら人口減少に伴う人手不足により活動する人々の負担が大きいことが問題でした。そこで、青年部より地域の草刈に参加することで少しでも負担を軽減できないかと考えました。
 各所で行われている草刈ですが、そのすべてに参加することは現実的ではなかったため、石見銀山世界遺産登録15周年となる大森での草刈へ参加することとしました。

3. 地域活動への参加

 草刈りでは、若手職員の力が遺憾なく発揮されました。草刈り機を携えて雑草を刈る姿(写真1)(写真2)を見ていただければわかる通り、体力勝負の活動は我々若手に適した分野でした。技術面は不足しているため虎刈りになった部分もあったかもしれませんが、それは今後活動する中で改善していければと思っています。参加した組合員からは「銀山15周年を機に、大森の町並み入口付近を草刈によってきれいにすることで景観がよくなったので、観光客にも是非見てもらいたい。」といった感想がありました。

(写真1) (写真2)

4. 地域活動への参加 第2弾

(写真3)
 草刈へ参加した後、次に我々が地域への貢献活動として選んだ「 ―― ゼロから始める地域型フェス ――  ZERO~FES」(以下、ゼロフェス)(写真3)について紹介いたします。このイベントは市内飲食店と高校生、地元で働く若手により企画・運営されました。そこへ若手である我々青年部員も一緒に盛り上げるため、企画への協力と参加をすることとしました。当日は、ボランティアスタッフとして炎天下という過酷な環境にも負けず、運営に携わりました。非常に体力的に厳しい内容ではありましたが、来場者からも「頑張っているね」とお声がけいただき励みになりました。withコロナにおいて、ゼロフェスは合計約1,500人が来場し大盛況といえる内容で終了しました。イベントは成功といえる内容の一方、参加した青年部としては課題を多く残す結果となりました。課題としては、当初青年部も企画から参加する予定でしたが、思うように企画立案に至らなかった点が挙げられます。また、当日のスタッフ業務において柔軟な対応が求められ、スタッフ数や配置に余裕が無くなり、参加した青年部員にイベントを楽しむ余裕が無くなってしまったことが悔やまれます。

ゼロフェス参加の様子
(写真4) (写真5)

5. まとめ

 これまではごみ拾いや青年部員間の交流など、部員を中心とした活動をしてきました。しかし、この度は「地域へ貢献したい」という気持ちから、手始めに地域にとって非常に身近で重要な、草刈りへの参加をしました。特別なことを考え実施したのではなく、組合員が一緒に草刈りをしただけですが、確実に地域の一員として活動している姿がそこにはありました。その後、withコロナで開催することができたゼロフェスは課題も多く残しましたが、「地域貢献」の経験として非常に有意義でした。ゼロフェスの反省は今後の活動へ活かしていきたいと思っています。
 今回、地域の活動へ参加したことで「地域貢献」は、必ずしも特別なことを考え実施する必要はなく、住民と一緒に何かすることから始めれば良いのだと気づかされました。もし、皆さんが貢献活動に迷っているならば、まずは地域へ飛び込み草を刈る。まさに「草の根の活動」から始めてみてはどうでしょうか。