【レポート】 |
第39回静岡自治研集会 第9分科会 SDGs×生活×自治研 |
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1. 情 勢
糖尿病等の生活習慣病が増加しており、生活習慣病は、日々の生活習慣の積み重ねがその発症に大きく関与することが明らかになっています。これを予防するためには、個人の主体的な健康づくりへの取り組みが重要で、保健事業による生涯を通じた継続的な健康管理の支援が必要です。 2. 地域・職場連携が必要なのか
生活習慣予防などの健康づくりは若年期から継続的に取り組む必要があります。若年期からの肥満、運動不足、喫煙、健診未受診、不十分な生活習慣病のコントロール、中高年期の糖尿病や循環器疾患の発症、重症化に影響、高齢期の認知機能への影響があります。国民健康保険の重症化予防事業の分析から、自治体は若年期からの予防の必然性を実感しています。
【メリット一覧】 3. 健康づくりは地域の活力につながる
自治体にとって、住民の健康を守り、企業の安定的な経営を守ることが、税収増にもつながり、さらに健康障害の発生による退職を防ぐことは、本人にとっても事業所にとっても、さらには社会保障上にとってもメリットになります。 4. 医療保険者の役割(保険者機能)
医療保険者は、被保険者・被扶養者のために①良質な医療の確保、②保険料の効率的な活用、③保険事業による健康づくりの推進を果たすことを使命としています。データヘルス計画、特定健診・特定保健指導の他、加入者の健康増進のために、がん検診の補助、情報誌発行等の保健事業を行っています。各医療保険者が一同に集まって保健事業推進に関する協議を行う場(保険者協議会)を国が推進しています。 5. 保険者協議会とは
都道府県ごとに置かれた保険者横断的に健康増進や医療費分析等を実施するための組織があります。保険者は加入者の健康増進と医療費適正化について、行政や医療関係者等の協力を得ながら、保険者同士が同じ意識をもって共同で取り組んでいく必要があります。 6. 地域保健と職域保健の連携推進にかかる課題
法律や制度に関する知識不足だけでなく、職域保健における関係者の役割に関する知識不足に困っています。具体的には「職域に関する法律や制度の知識が不足している」「それぞれの関係者が職域保健において担う役割について知識がない」などがあります。また、現在、京都府では地域保健(国保)と職域保健(社保)を連携していますが、職域保健が一部の使用にとどまっています。また、分析した内容を提供していますが使用までに至っていません。 7. これからの連携方法
一部の職域保健だけでなく府内の単一健保や総合健保等の調整をすることができれば、各自治体において特定健診の対象となるすべての住民の健診データがそろいます。これを分析することにより、地域の特徴や課題がより明確となり、市区町村が被保険者の健康増進活動支援を進めるための仕組みづくり、関係機関や企業との関係づくりに役立ちます。自治体が企業に対して地域・職域連携推進事業を行う準備があること、具体的な支援内容を広く周知・啓発していく必要があります。 |
参照 地域特性に応じた地域・職域連携推進事業の効果的な展開のための研究会 |