【レポート】 |
第39回静岡自治研集会 特別分科会 今、必要とされる公共サービスと自治 |
新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、小学校の休校等により家庭が受けた影響を明らかにし、関係機関への要望につなげることを目的としている。 |
|
1. 調査の概要
(1) 調査目的
(2) 調査内容
(3) おもな調査項目 2. 調査結果(回答数442人)
① お子さん(小学生)との関係 【図1】 ③ 勤務形態 回答者のうち、フルタイム勤務が313人(70.8%)と多く、パートタイム勤務は103人(23.3%)、その他14人(3.2%)、無回答12人(2.7%)だった。【図2】 【図2】 ④ 小学生のお子さんの人数 回答者の子どもの数は、1人が272人(61.5%)ともっとも多く、2人は136人(30.8%)、3人以上は27人(6.1%)、無回答7人(1.6%)だった。 ⑤ 小学生のお子さんの学年 回答者の子どもの学年では、2年生が140人(31.7%)ともっとも多く、つぎに1年生136人(30.8%)、3年生86人(19.5%)となった。4年生77人(17.4%)、5年生67人(15.2%)、6年生49人(11.1%)だった。(複数回答)【図3】 【図3】 ⑥ 小学生の休校等で回答者が仕事を休んだか 回答者のうち、小学校の休校等で仕事を休んだのが259人(58.6%)、仕事を休まなかったのは178人(40.3%)だった。5人は無回答(1.1%)だった。【図4】 【図4】 ⑦ 小学校休校等により回答者が取得した休暇と日数 仕事を休んだ回答者(259人)が取得した休暇のうち、有給休暇116人(44.8%)がもっとも多く、特別休暇119人(45.9%)、無給休暇55人(21.2%)だった。取得日数については、いずれの休暇においても「1~3日」が多かった。(複数回答、割合は該当回答者数259で除した) ⑧ 回答者が仕事を休まなかった方で、お子さんの休校等の対応 休校等で仕事を休まなかった回答者(178人)で、多かったのが「子どもだけで留守番させた」64人(36.0%)であり、「回答者以外の保護者が仕事を休んだ」46人(25.8%)、「親戚などに預けた」34人(19.1%)、「保護者等が自宅待機になった」14人(7.9%)、「学童保育に預けた」13人(7.3%)、「保護者等の職場に連れて行った」3人(1.7%)となった。「その他」37人(20.8%)は、「在宅勤務になった」8人(4.5%)などがあった。(複数回答)【図5】 【図5】 ⑨ 子どもの小学校の休校等で困ったこと 小学校の休校等で困ったことについて、もっとも多かったのが「仕事を休むと職場に迷惑をかける」306人(69.2%)であり、つぎに「子どものストレス」228人(51.6%)、「子どもの学習低下、運動不足」220人(49.8%)となった。他に、「食費や生活費が増えた」158人(35.7%)、「子どもの預け先がなく留守番させなければならない」115人(26.0%)、「仕事に行けず収入が減った」70人(15.8%)、「家族の協力がえられなかった」37人(8.4%)、「有給休暇がないので仕事を休めない」22人(5.0%)。「とくにない」は20人(4.5%)だった。 「その他」25人(5.7%)では、「学級閉鎖というだけで濃厚接触者ではないかと詮索された」「学童保育が受け入れ不可になった」「国の助成金があるのに職場が許可しなかった」「子どもがいるなかでの在宅勤務」「テレワークは対応していない職場」などの記述回答があった。(複数回答)【図6】 【図6】 ⑩ 子どもの小学校の休校等で要望すること 「子どもの学習・運動機会の確保」236人(53.4%)がもっとも多く、「休暇をとりやすい職場の雰囲気」187人(42.3%)、「緊急時の預け先の確保」185人(41.9%)、「休校判断の緩和」184人(41.6%)、「職場の休暇制度の拡充」167人(37.8%)、「収入減に対する助成や休業補償」149人(33.7%)、「テレワークができる働き方」79人(17.9%)となった。「とくにない」は15人(3.4%)だった。「その他」11人(2.5%)では、「濃厚接触者の早期把握と早期連絡」「学校のオンライン授業のスキルを上げてほしい」「子どもが家にいる分、食費が増えるので何らかの補助があれば助かる」などがあった。(複数回答)【図7】 【図7】 ⑪ 休校等の間、学校とオンラインでつないだか 休校等の間、小学校とオンラインでつないだのは196人(44.3%)、オンラインでつながなかったのは240人(54.3%)となった。無回答は6人(1.4%)だった。(複数回答)【図8】 【図8】 ⑫ 学校とオンラインでつないだ方で、どのように対応したか オンラインでつないだと回答(196人)したうち、「子ども(本人)だけで対応した」「保護者等が家庭でいる時に対応した」が同数で79人(40.3%)となった。「保護者等が仕事を休んで対応した」は62人(31.6%)、「きょうだい、祖父母等が手伝った」は21人(10.7%)となった。「その他」3人(1.5%)では、「保護者が仕事中に子どもとつなぎ一緒に学校とつないだ」「初回のみ時間休で対応し2回目からは本人が対応した」などがあった。(複数回答)【図9】 【図9】 ⑬ オンラインで実施されたもの オンラインでつないだと回答(196人)したうち、実施されたのはホームルーム(朝の会など)が141人(71.9%)、家庭学習用の課題は108人(55.1%)、授業は84人(42.9%)だった。「その他」6人(3.1%)では、「体調確認」「ZOOMやTeamsがつながるか確認」などがあった。(複数回答)【図10】 【図10】 ⑭ オンライン使用にあたり、パソコンやタブレットなどの機材は支給(貸出)されたか オンラインでつないだと回答(196人)したうち、オンラインを使用するにあたり、パソコンやタブレットなどの機材が支給(貸出)されたのは185人(94.4%)、支給(貸出)されなかったのは5人(2.6%)、家庭の機材を使用するので辞退したのは4人(2.0%)、無回答は2人(1.0%)。【図11】 【図11】 ⑮ オンラインのつなぎ方などについて事前の説明 オンラインでつないだと回答(196人)したうち、つなぎ方などについて「小学校で子どもに説明があった」のは162人(82.7%)がもっとも多く、「家庭に書類で説明があった」のは143人(73.0%)、「家庭にオンラインで説明があった」のは7人(3.6%)となった。「説明がなかった」は0人だった。「その他」3人(1.5%)では、「マチコミメールでの説明」「個人懇談で担任と話した」「休校前に毎朝の健康チェックをオンラインで行った」があった。(複数回答) ⑯ オンラインでつながなかった理由 オンラインでつながなかったと回答(240人)したうち、「学校から指示がなかった」220人(91.7%)がもっとも多く、「家庭等にパソコンやタブレットなどの機材がなかった」は8人(3.3%)、「家庭等にインターネット環境がなかった」は3人(1.3%)、「操作できる人がいなかった」1人(0.4%)だった。他に、「子どもが学童保育などの家庭外にいた」6人(2.5%)、「子どもが体調を崩していた」3人(1.3%)、「子ども(本人)だけしかおらず対応できなかった」2人(0.8%)だった。「その他」12人(5.0%)では、「タイミングが合わなかった」「パソコンやタブレットが修理中だった」「忘れていた」などがあった。【図12】 【図12】 3. 考 察
(1) 調査の結果から
(2) 教育支援と労働環境の充実が課題 |
≪参考資料≫ ・小林美津江(文教科学委員調査室) 「学びの保障と教育格差 ―― 新型コロナウイルス感染症をめぐる取り組み ―― 」(立法と調査No.428、2020年10月) |