【自主レポート】 |
第37回土佐自治研集会 第4分科会 “土佐さんぽ”~若者と考える自治体の未来~ |
今もっとも注目されているSNSである「インスタグラム」を自治体で活用することにより、どのようなプロモーション効果が期待できるのか、銚子市若手職員人口減少対策プロジェクトチームで調査及び実践してきたことを基に考察していく。 |
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1. はじめに 銚子市若手職員人口減少対策検討プロジェクトチーム(以下、「若手PT」という)は、銚子市の直面する人口減少問題に対して、市の若手職員が職域にとらわれない柔軟な発想で活動、研究を行うことを目的に、2013年1月に設置された。
2. 銚子市とインスタグラムについて (1) インスタグラムとは
② 様々な層に向けたPRが可能である 第2のメリットとして、従来のSNSとは違ったユーザー層に対して情報発信が行える点が挙げられる。 【図表1】より、2016年時点でのインスタグラムの男女年代別比率のグラフを見ると、20代及び30代の男女割合の合計が50%を超えており、若い世代の人たちがメインユーザーとなっていることがわかる。 また、男女比率についてだが、インスタグラムの男女比率は、男性42.6%、女性57.4%と、女性ユーザーのほうが多いことがわかる。SNSの最大手であるフェイスブックでは、男女別比率が、男性が約55%、女性約45%となっているほか、年代別だと、30代~50代のユーザーが多くを占め、10代~20代の利用率が低いため、インスタグラムは他のSNSと比べても、女性ユーザーの比率が高いSNSであることがわかる。
その後、男性の利用者が急激に増え、2017年のグラフ【図表2】では男性・女性の比率がほぼ半分になってはいるが、それでも、インスタグラムのメインユーザーは20代~30代の女性であることが見て取れる。 よって、インスタグラムを活用することによって、プロモーション面において、今までとは違った層(若い世代、若い女性)に対してアプローチすることができるというのは、非常に大きな強みであると言える。
③ 地域の魅力の掘り起こしと磨き上げ 第3のメリットとして、インスタグラムを活用することにより、今まで注目されなかった観光スポット(観光素材)の掘り起こしと磨き上げにつながることが考えられる。 この効果における千葉県内での最も有名な事例として、千葉県君津市にある「濃溝の滝・亀岩の洞窟」が挙げられる。元々、この場所は、洞窟の中に差し込む日の光がスポットライトのように岩肌と川面を照らす幻想的なスポットとして「知る人ぞ知る秘境」のような扱いであったが、2015年11月ごろにインスタグラムで投稿された1枚の写真から一気に話題となり、今では南房総や館山へ行く際に立ち寄れる絶景スポットとして、千葉県でも人気の観光スポットとなっている。 つまり、インスタグラムの1枚の写真が話題の火付け役になるだけでなく、インスタグラムが普及することによって、今まで注目されなかった場所が、観光スポット化する可能性が高まっているといえる。 よって、銚子市においても、インスタグラムを活用することによって、今まで注目されなかった場所やお店などが注目される可能性を秘めているといえる。
3. インスタグラム銚子市公式アカウントの現状及び分析 (1) 銚子市公式アカウントの現状
アカウント名は「Choshi_city」で、時間・場所・ジャンルを問わず、様々な銚子の魅力を発信している。 また、アカウントの投稿数、フォロワー数、フォロー数については、2018年7月23日時点での数字は、投稿数532件、フォロワー数5,784、フォロー数2,803となっている。 そして、公式アカウントだけでなく、一般ユーザーからの投稿についても、銚子で撮影した画像を投稿する際には、オリジナルのハッシュタグ「#あんだこれ銚子」「#wowchoshi」を用いるよう呼び掛けている。「あんだこれ」とは、「これはなに?」という意味の銚子の方言で、銚子市ではスマートフォン用サイト「あんだこれ銚子」を運営しており、銚子市の魅力的なモノ・コト・場所などを紹介している。 |
(2) インスタグラム銚子市公式アカウントの分析
あくまでこの数字は、自治体及び自治体職員そのものが運営しているアカウントの数で、観光協会や商工会、地域おこし協力隊といった団体・組織が運営しているアカウントについては、数に含めていない。 また、各自治体のアカウントを見比べてみると、多種多様な情報発信を行っており、観光情報だけでなく、ふるさと納税や移住定住、ゆるキャラのPRなど、多岐にわたっており、2つの自治体だけだが、市の若手職員が中心となって情報発信を行っているアカウントも見られた。 全国の自治体アカウントにおけるフォロワー数をランキング順で見てみると、銚子市は全国的に見ても8位に位置しており、非常に高い注目を受けているといえるのではないかと思われる。 |
4. インスタグラムを活用したイベントの開催について (1) インスタグラムを活用したフォトコンテスト成功の秘訣
主催は銚子市役所の若手職員で構成される「銚子市若手職員人口減少対策プロジェクトチーム」で、応募要項の設定やホームページの作成、審査会の開催準備、受賞者への賞品の発送などの作業を、市の若手職員が中心となって実施した。 また入賞作品の種類は、最優秀賞が1点、優秀賞が3点、入賞(特別賞)が8点の計12点で、賞品については、最優秀賞が10,000円分、優秀賞が5,000円分、入賞が3,000円分となっており、市内の観光施設の優待券や特産品などが中心である。 |
② フォトコンテストへの応募方法
③ フォトコンテストの開催結果 フォトコンテストの開催結果は、応募総数が2,662件(有効作品数2,380件)あり、目標にしていた2,000件を大きく上回る結果となった。 また、作品の審査方法については、まず1次選考として、市の若手職員のみで、全体の10分の1の数である212点まで絞った。 その後、最終選考で、市職員及び観光事業者を中心とした審査員による投票で12点の入賞作品を選出した。 (詳細については「銚子市インスタグラムフォトコンテスト受賞作品一覧」参照。)
④ フォトコンテストの反省点 5. 銚子市における今後のインスタグラム活用方法 (1) フォトコンテストを開催することによる3つの効果
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(2) 銚子市公式アカウントから見たプロモーション展開
6. まとめ 自治体のプロモーションにおいてインスタグラムを活用することは、様々な情報や地域の魅力を効果的に発信できるため、非常に有効であるといえる。 |