【自主レポート】 |
第37回土佐自治研集会 第7分科会 すべての人が共に暮らす社会づくり |
全国一般に加盟する(株)セレマと、セレマと非常に関係の深い冠婚葬祭業の最大手(株)ベルコの経営実態は、正に「二重偽装請負」です。セレマ労働組合執行委員長として、会社と対峙してきた筆者が、これまでの闘争を含め、(株)セレマ従業員雇用の実態を報告するとともに、働く人が働きやすい環境を作る為には何が必要かを提起します。 |
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1. 提 起 昨今、働き方改革についての話題が頻繁に議論されており、所謂、働き方改革関連法案の取り扱いについても、今国会で成立をめざす政府与党と、これに反対する主要野党との激しい論戦が国会で続いています。詳細についてはここで触れませんが、本当に多くの働く人が働きやすい環境を作る為の法律であれば早急な成立を願うばかりです。 2. (株)セレマについて(資料1)
セレマは1959年(昭和34年)、(有)京都市冠婚葬祭互助センターとして創立された、冠婚葬祭互助会組織で運営されている会社です。この冠婚葬祭互助会というのは、多大な費用が掛かる、将来起こりうる結婚式や葬式に備えて、毎月一定額のお金を積み立てておいて、儀式が発生した時に施行をしてもらう、事前予約商品を扱う会社のことです。冠婚葬祭互助会の会社は、全国に約300社あり、セレマは深い関係にある最大手ベルコと共にその中心的な存在です。現在では結婚式場の名前が、マリアージュとか朱雀邸とか様々な呼び方に変わっていますが、かつては○○玉姫殿という名前で全国各地にありましたし、○○玉泉院とか○○シティホールという葬祭式場を、関西を中心に経営する会社です。 |
3. セレマの特殊性(資料2)
(1) 同族経営 |
4. 経 過 セレマは、冠婚葬祭互助会の会社で、会員募集をしています。例えば、結婚式や葬式に利用できる会員30万円コースであれば、毎月3,000円を100回に分けて前払いをしていきます。そして、儀式が発生した時に、その積立金を利用し、様々な会員サービスが受けられるというもので、営業は会員募集を専門としています。以前は、北支社とか南支社という営業支社があり、正社員の支社長が管理し、セレマ直接雇用のパート営業社員に会員募集をさせていました。1989年(平成元年)当時、ベルコ社長の秀市氏がセレマの社長に就任し、ベルコ方式を持込み、直接雇用の社員を排除し、代理店化を進めていきます。 5. 具体的実態(資料3)
(1) 営業部門 |
(2) 葬祭部門 |
6. 結 び 以上のような働かせ方は、冠婚葬祭最大手ベルコでも採用されており、この様な働き方に疑問をもった人達が、ベルコ労働組合を結成したたかっています。また、ベルコ事件については、あまりにもひどい働かせ方だとして、連合を挙げて解決に向けて取り組んでいます。非正規雇用で働いている多くの労働者の処遇改善も喫緊の課題ですが、労働者と同じ働き方をしながらも、労働法の適用を受けない環境で働いている人達の問題を解決しないまま、放置すれば、この様な働かせ方を多くの企業が取り入れ、我が国から労働者がいなくなるのではないでしょうか。 |