【自主レポート】 |
第37回土佐自治研集会 第9分科会 子どもと地域社会~子どもの居場所をつくるのは誰?~ |
西東京市では、子どものいのちと権利を守るため、児童虐待防止に向けた取り組みや関係機関の連携強化などさまざまな施策を進めています。2016年の児童福祉法改正により、「児童の権利に関する条約の精神にのっとり」子どもの権利擁護が児童福祉法の理念として位置づけられました。これらを踏まえ、市全体ですべての子どもが健やかに育つ環境を整えるために、(仮称)西東京市子ども条例の制定をめざしています。 |
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1. はじめに 西東京市の児童館・児童センター(以下、児童館)は、主に西東京市に住む、18歳未満のすべての子どもを対象とし、遊び及び生活の援助と地域における子育て支援を行い、子どもを心身ともに健やかに育成することを目的とした、児童福祉施設です。 2. 児童館に求められる役割 (1) 「(仮称)西東京市子ども条例」より 3. 具体的実践例
① 「子どもが主体性を持ち、学び、成長できるよう支援に努める」・「異年齢の子どもたちが一緒に遊ぶことにより、様々な体験を経て社会生活におけるルールやコミュニケーションなどを学んでいく」場のひとつとして、「児童館キャンプ」を実施しています。 「児童館キャンプ」(写真1) 西東京市の児童館では、通常の行事などのほかに、野外での体験活動を行っています。 例年、夏休みに入った8月上旬、市内在住の小学4年生以上から中学高校生年代までを対象として、姉妹都市である山梨県北杜市で、二泊三日を過ごす児童館合同の宿泊キャンプを行っています。 子ども達で何をするかを考える班活動を中心に、川遊びや野外料理、テントを張るところから始まるテント宿泊体験。2日目の夜は、歌やダンスを通して、みんなの一体感を高めるキャンプファイヤーをします。自ら考え、自ら行動をするために、子ども達自身の考える力と協力する力で活動が広がっていくプログラムになっています。 小学3年生以下の子ども達には、親子で一緒に野外活動をする「親子デイキャンプ」(写真2)を行っています。西東京市内にある自然公園を活用し、例年、クイズラリーや工作、野外料理をしています。 |
(試行)「児童館ランチタイム」(写真3) 夏休み期間中、保護者が就労等で不在の昼食の時間に、「孤食」になりがちな児童が増えていることから、「いっしょに食べる」「楽しく食べる」「食事のリズムがもてる」といった、子どもたちへの豊かな食の環境と夏休みの居場所をつくるために、「児童館ランチタイム」を実施しています。夏休み期間中の月曜日から金曜日(土日、祝日は無し)。利用時間は正午から午後1時までで、試行ということもあり2館のみで実施しています。地域の方と協力して、一緒に見守りながら、子どもたちがお弁当を持って、のんびり自分達の時間を過ごしている姿が見られます。今後は、実施する館を増やしていくなど、ひろがりが期待されています。 他にも、中学・高校生の年代が、「より主体的・積極的に参画する場」として、特に高校生を中心にイベントの企画・運営をして、バラエティに富んだ出演団体を募り、当日進行から裏方まで自分達で行っている「中学・高校生年代イベントプロジェクト」(写真4・5)を実施しています。 |
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4. 課題とまとめ 西東京市では、公共施設の適正配置等を推進するための実行計画において、児童館については概ね中学校区に1館(10館)の配置となるよう、近接配置の解消を中心に見直しが進められています。 5. 最後に 2018年3月に、「改正児童館ガイドライン(仮称)素案」が厚生労働省から諮問された、児童館ガイドライン検討委員会から示されました。9月にまとめられ、2019年4月に施行される予定となっています。 |
<参考資料等> |