【自主レポート】 |
第37回土佐自治研集会 第10分科会 みんなで支えあおう! 地域包括ケアとコミュニティー |
多くの地方都市では少子高齢化問題や、商業機能の空洞化問題等が顕在化しています。本レポートでは「健幸」をテーマに子どもから高齢者までが健康で幸せに暮らせるまちづくりを進めている取手市の取り組みを報告します。 |
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1. はじめに
急速な発展から約40年が経過した今日、市は、他の自治体よりも速いスピードで進む少子高齢化と市民の消費行動の変化による商業機能の空洞化に直面しています。 2. 「健幸」=健康で幸せ
「健幸」とは身体面の健康だけでなく、人々が生きがいを感じ、安全安心で豊かに生活を送ることができることを表しています。この「健幸」を主眼にとらえたまちづくりの実現をめざすため、2014(平成26)年に「スマートウェルネスとりでの推進」を策定しました。策定にあたっては、市民アンケートの調査結果から少子高齢化の現状と市民の幸福感の判断基準を基に、健康づくりと幸せづくりを支援するための施策として「元気な体をつくる運動の推進」「おいしくバランスのとれた食生活の推進」「生きがいづくり」「地域・家庭の絆づくり」の4つを体系的に位置付け施策展開を図っています。
3. 健幸づくりの交流拠点「取手ウェルネスプラザ」
「取手ウェルネスプラザ」は2015(平成27)年10月にオープンしました。JR取手駅西口から徒歩3分に位置しており、コミュニティバスのルートでもあることから利便性も高く、健康づくりの施策展開の中核的な施設となっています。この建物は地上3階建て、延べ床面積約3,000m2からなり、隣接する約1,800m2の都市公園「取手ウェルネスパーク」と一体的に整備を行った複合施設で、市民交流支援、健康づくり支援、子育て支援という3つの機能を備えています。年間約20万人の来館者で賑わっています。
このように「スマートウェルネスとりでの推進」にあたっては、ソフト面からは上述の4つの施策、ハード面からも取手ウェルネスプラザ等の両輪による施策展開を行っています。 4. 取り組みの内容 (1) 元気な体をつくる運動の推進 (2) おいしくバランスのとれた食生活の推進
食育事務連絡会議のアイデアを具体化した事業の一つが「とりで食育かるた」の制作です。これは市制施行45周年記念事業の一つとして実施したもので、市内15校の小学生に読み句、県立取手松陽高校美術科の生徒に絵札の原画制作を依頼しました。制作したかるたは一般に販売しているほか、原画展の開催、保育所や幼稚園でのかるた遊び、小学校での総合学習や総合型地域スポーツクラブでも活用されています。 (3) 生きがいづくり
また、地域、NPO、ボランティア活動等で社会参加することで生きがいにつながるよう、支援や情報提供を行う市民活動情報提供サイト「いきいきネットとりで」を運営しています。
(4) 地域・家族の絆づくり
高齢者がいつでも立ち寄れ、地域の方と触れ合い、お茶を飲んだり、おしゃべりをする喫茶スペース「おやすみ処」を戸頭(とがしら)地区と井野地区の2カ所で整備しています。運営は市民が主体で行っており、地域住民が交流し絆を深めています。 5. まとめ ひとりでも多くの市民が「健幸」になるためにはこれらの施策を持続的・継続的に行っていく必要があります。一方で社会状況は常に変化していることを踏まえ、市民のニーズに応えていくには、全ての職員が自らの業務を越えて全ての業務を俯瞰的に見渡し課題を見つけ、解決する力が求められます。各課事業の横断的に取り組んでいきます。 |