3. 高等技術専門学院の新しい推進体制に関する基本方針(中長期ビジョン)
2008年3月に策定した「高等技術専門学院の新しい推進体制に関する基本方針」(中長期ビジョン)は、2008年度から概ね10年間における高等技術専門学院の訓練の内容、科目の設定、校舎施設の配置その他必要な事項に関する道の基本的な方針を定めたもの。
中期構想は、中長期ビジョンの推進管理と実効性の確保を目的とした3年程度のアクションプランとし、第Ⅰ期は「新体制に向けた環境整備」、第Ⅱ期は「全道新体制のスタート」、第Ⅲ期は「次のステップへ」と位置づけられ実施された。
(1) 第Ⅰ期中期構想期間(2008年度~2010年度)
ものづくり関連分野における「若手技能者の育成」に向け、普通課程・2年制を基本に科目を再編し、1年制訓練の廃止及び民間との役割分担による廃止・転換をはかる。また、求人開拓から就職後のフォローアップまで一貫した就職支援を推進するため、能力開発センターの機能を充実することとした。
① 再編という名の廃校、廃科
・道央圏の滝川技専は、2008年度末で廃校とし、オホーツク圏の網走技専は、2009年度末で廃校し、住宅サービス科を北見技専に統合し、建築デザイン科を建築技術科に転換した。
・「民間にできることは民間に委ねる」との考え方に基づき、事務・OA系の訓練科目を廃止したほか、電気・電子系の訓練科目の転換を行った。
② 特別職非常勤(職業訓練技術指導員)
この時、民間活用の名の下に指導員に特別職非常勤職員を導入した。当時、科目転換により生じた欠員も合わせると14人になることが明白だったため、緊急的暫定的措置として8人工を導入したものであったが、当然人も集まらずこれにより見かけ上の欠員数は減ったものの、現場の人手不足は変わらず、職員への多大な負担が掛かることとなった。
③ 能力開発総合センターの充実
能力開発総合センター整備基本計画により、求人開拓から就職後のフォローアップまでという目的で、訓練業務の総合調整機能を担う「能力開発サービス部門」と施設内訓練業務を専掌する「施設内訓練実施部門」に区分し事業を推進することとなっていたが、国から委託された膨大な機動訓練にセンター職員が忙殺されることとなり、本来業務である「求人開拓から就職後のフォローまで」を訓練実施部門の職員に委ねることとなりセンターは委託訓練専科と化してしまった。
(2) 第Ⅱ期中期構想期間(2011年度~2013年度)
この期は第Ⅰ期の積み残し分の処理と第Ⅲ期に向けての準備期間となった。
普通課程2年制に再編するということで、今まで中学卒以上を対象として実施していた短期課程の職業訓練及び民間との役割分担ということで苫小牧技専自動車整備科は2013年度末で廃止された。
(3) 第Ⅲ期中期構想(2014年度~2017年度)
道央3校訓練体制の再編方針の着実な推進と第2期中期構想の中間点検でC評価と判定した訓練課への対応を行い、新体制の確立をはかる期間とした。
① 道央3校訓練体制の再編方針
2017年度に新体制をスタートさせるため、新たに札幌、室蘭、苫小牧に設置する科の訓練目標、訓練カリキュラム等について検討するため、それぞれに地域に専門部会を設置し検討が行われた。その結果、方針は変更され定数復元及び科目の細分化となった。
再編方針検討後の訓練科目及び入校数 |
|
これは、訓練定数の変更をともなうもので、指導体制にも連動していることから必然的に「新ルール」の見直しをすることとなった。
② C評価と判定した訓練科への対応
第Ⅱ期中期構想中間点検において、施設内訓練は、中長期ビジョンの評価指標(応募倍率及び就職率)で3段階評価をしたところ、5技専の9訓練科が最も低いC評価(応募倍率0.9倍未満又は就職率80%未満)と判定され、函館、旭川、帯広、釧路(北見は科目の再編にともない定数削減)の建築技術科、北見、帯広の造形デザイン科、旭川の印刷デザイン科、北見の電気工学科、北見の電子機械科が該当した。
北見技専は、自動車整備科を除く4訓練科の応募倍率が基準を下回っているということで、職系以外に学院としてのあり方検討を実施することとなった。
③ 「新ルール」検討の影響
道央3校及びC評価の訓練体制の検討には、定数変更がともなうことから、すでに2016職能計画では昨年通りの訓練体制で行うとなっていたが、「高等技術専門学院の訓練定員の変更等に関する方針(「新ルール」)」の科目の見直し要件に該当するとして、2016年度から北見学院建築技術科並びに室蘭学院溶接科の訓練定員を20人から10人へと削減されてしまった。
また、札幌の電子工学科とエクステリア技術科は道央3校再編や専各連問題、応募低迷などから2016年度をもって廃科となった。
④ 庶務業務の集約化による大量削減(2014.10提示2015.6実施)
庶務業務で共通する事務処理等を本庁で一括処理して業務の効率化をはかることで執行体制についても見直しを進めるということで、庶務課業務のうち、一部業務を経済部人材育成課へ集約し、庶務課の職員定数を札幌、障害校を除き、2人体制(庶務課長1、主査1)とした。
|
2015~ |
削減数 |
内 訳 |
2014まで |
主 査 |
一般職 |
札 幌
函 館
旭 川
北 見
室 蘭
苫小牧
帯 広
釧 路
障害者校 |
3
2
2
2
2
2
2
2
4※ |
▲3
▲2
▲2
▲2
▲1
▲2
▲1
▲1
▲2 |
▲1
+1
+1
+1
+1
+1
+1
▲1 |
▲2
▲2
▲3
▲3
▲2
▲3
▲2
▲2
▲1 |
6
4
4
4
3
4
3
3
6 |
計 |
21 |
▲16 |
+4 |
▲22 |
37 |
※ ただし障害校は、法定選考職1人を配置し3人体制とする |