【自主レポート】

第37回土佐自治研集会
第12分科会 新しい公共のあり方「住民協働」理想と現実

 生活道路である沿道が雑草で景観を損なっている状況が目立ってきています。住民との協働により、元の景観を取り戻すための清掃活動の実施について報告します。



道路美化運動からの街づくり


北海道本部/自治労森町職員労働組合

1. はじめに

 2005年4月1日に、北海道で最初の町同士による合併をした「森町」の旧砂原町では、国道278号沿いの歩道約4kmにわたり、住民の協力によるサルビア・マリーゴールドを植栽する「花いっぱい運動」が行われております。
 歩道には、染井吉野とラベンダーも植栽されているため、5月から9月まで、道行く人々の目を楽しませています。

2. 道路維持管理の現状

 しかし、こうした管理が行き届いている道路区間はごく一部と言えます。
 街路樹がある歩道は、定期的な維持管理をしなければ雑草に覆われがちとなり、景観上も美しいとは言えない状況となります。
 町内の道路においても維持管理に十分に手が回らない状況となってきている実態があります。

3. 駅前大通りと商店街の街並み

 旧森町では、街路事業により駅前と大通りの商店街が拡幅され、新しい街並みに生まれ変わり、歩道とともに街路樹も植栽され整備がされました。
 商店街となっている駅前と大通りは、町民が買い物等で行き交いますが、整備後年数を経過し店舗の閉鎖もあり、歩道等にも雑草が目につくようになってきました。


4. 町の顔ともなる駅前大通り

 全国で有名な駅弁の「いかめし」を求めて、観光客はJR森駅前の商店に購入のため訪れます。
 また、5月の観桜の時期には、植樹から100年を超える多くの古木がある青葉が丘公園もあることから、観光客にとって駅前大通りは、町の顔とも言える場所となります。

5. 夏のまつりINもり

 毎年8月7~8日に開催される「夏のまつりINもり」は、駅前及び駅前大通りを道路規制し、メイン会場として使用しております。
 2日間にわたり、ふるさとワッショイ祭り(子どもの山車行列)、祭屋台、太鼓とみこしの共演、オニウシソイヤ等が披露され、歩道は観覧席へと変貌いたします。

6. 声掛けによる清掃活動の実施

 商店街、町の顔、まつりの会場ともなる駅前大通りの景観を取り戻したいとの思いから、森町職員労働組合は、駅前大通りを清掃することとしました。
 清掃にあたっては、大通りの商店会や、森町で働く労働組合の集合体である森地区連合、通学で駅を利用することも多いことから森高等学校、森町職員退職者会等へも声掛けを行いました。

7. 清掃当日の状況

 活動の趣旨に賛同いただいた商店会の皆さんからは、トラックの提供、草刈り機での除草作業、街路樹の剪定作業などを実施していただきました。
 高校生の参加や森地区連合、森町退職者会、森町職員労働組合の組合員も含めて総勢30人での草刈り作業となりました。駅前の広場と駅前大通りは2時間弱の活動により、トラック一杯の雑草を除去し、元の景観を取り戻しました。

 

8. 活動を終えて

 清掃活動は身近な取り組みであり、活動内容の成果もはっきりと感じることが出来ました。
 自分の組織だけの活動ではなく、関係する団体等との協働の取り組みにより、お互いの関係がより深まるきっかけとなったと感じています。
 また、他の道路についても沿線の関係団体との協力によって清掃活動を実施していくことが可能と考えます。

9. まとめ

 清掃活動を通じて住民との協働の活動を実施することが出来ました。
 今後は、清掃活動だけではなく、各種イベントの参加協力等を通じて森町職員労働組合としても、地域に根差した運動を展開しよりよい街づくりへと発展させていく必要があります。