【交付税見直しの必要性】
○中期答申で、地方交付税そのものの改革を議論すべき。(河野、松尾、大田、竹内、松田)
○交付税の見直しなくして地方税の充実確保は議論できない。交付税の見直しも今すぐにできる話でなく、大がかりな舞台でやるべき。(河野)
【交付税制度の破綻】
○地方交付税はすでに破綻。地方交付税は諸悪の根元。地方交付税は国を滅ぼす仕組み。地方財政のマネージメントの失敗が将来の国民の負担となり、国を滅ぼすことになるのは問題。(河野、竹内、松田)
【需要額の水準論】
○地方交付税が、97年から地方の財源補填の考え方に変わっており、これをやめさせるべき。まずは減らすべきだし、減らせないならこれ以上増やさないとか、GDP成長率以下の伸びにするとか上限を設けるべき。(竹内)
○交付税はナショナルミニマムを保障するものというが、東京都しか達していない水準は、ナショナルミニマムではない。教育など国の基準があるというが、国の基準がない部分での問題も大きい。(大田)
○公共事業など歳出が初めから決まっていることがおかしい。景気対策や公共投資計画にメスを入れるべき。(竹内)
○国で決まった政策を地方財政計画に落とし込んでいくというのが問題。(本間)
○個別の団体のチェックをしないままで数字を積み上げて、地方財政計画を作成し、不足分の財源を確保するというやり方にどれだけ意味があるのか。(竹内)
○交付税で地方団体の借金返済まで見ているし、補助金化している。地方の歳出全ての面倒を見るのはやめるべき。(松尾)
○国から金を持ってくるのが有能な首長というのが問題。地方団体は、自分の地域の中で調達した税収を基本に暮らしていくべき。(本間)
○地方団体は財源が足りないというが、行政サービスを部門別に分解して、コスト情報を示し、その対価として、料金でも税でも確保すればよい。(竹内)
【モラルハザード論】
○基準財政需要額と収入の差額が交付税という仕組みが問題。地方団体が税収を増やしても交付税が減るため、自助努力しなくなり、モラルハザードを生む制度。(河野、大田、松尾、本間)
○税源配分しても、交付税で調整されて交付税は減るのだから、全く意味はない。地方交付税とセットの地方分権はあり得ない。受益と負担の緊張関係がない中で地方税の強化をいっても説得力がない。(大田)
○現在の交付税を前提にすると、課税自主権といっても、5分の1、4分の1の課税自主権をいっているにすぎず、大きな政府になる。(本間)
【赤字借金論】
○今や銀行から借金し、この借金分まで国が面倒見るやり方を見直すべき。交付税特別会計の借金について地方に責任があると意識していないのが問題。出口ベースと入り口ベースの差は借金であることを認識させ、マーケットの荒波を受けるべき。(河野、松田)
【算定方法論】
○交付税は算定方式を公表もせず、複雑怪奇でよくわからない。自治省が恣意的に計算しているのが問題。(松尾)
【地方行革論】
○地方団体のリストラの監視は、住民がやるべき。地方団体に課税自主権を与えて、行政サービスと自らの負担を一体とすれば、住民が監視することになる。(中西)
【地方財政の危機の原因】
○地方財政の危機は、度重なる景気対策という国の政策に地方もつきあわされ、国の財政と同様にボロボロになったということ。地方が無駄遣いしたのを国が面倒見なければならず国が滅びるというのは誤解だ。(榎本)
【補助金の問題】
○交付税はあくまで地方が共有する調整財源であり、個々の団体毎に必要額を計算するもの。また、一般財源であり、その使途は自己決定、自己責任だ。補助金こそ特定財源であり、事業の必要性の吟味は曖昧になり、モラルハザードに最もなりやすいものだ。(榎本)
【税源の偏在と財政調整】
○税が1割にも満たない団体もあり、税源が偏在しているので、全国的な財源調整装置としての交付税制度は不可欠。(榎本、栗田、松本)
【交付税の補助金化】
○交付税の補助金化とは、地方団体が需要額の算定にあたって補正係数で見てほしいということもあり、本来のナショナルミニマムから実額保障的になってきたもので、算定を簡素化することは必要。(榎本)
【税源移譲の必要性】
○財政力指数は努力の結果ではなく、条件の要素の方がはるかに大きい。地方の財政は地方だけで決められない。補助金と交付金が国の地方に対する支配の道具となっていることが問題。一歩でも二歩でも税源を地方へ移すことで自主性と自己責任を高めることが重要だ。(諸井、榎本)
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