広島県における「日の丸」・「君が代」強制と混乱1998-2000

広島県本部

 

はじめに

 1999年2月28日、卒業式での「君が代」斉唱をめぐって広島県立世羅高校長の自殺という痛ましい事態が起きた。以降、新聞やTVなどマスコミ報道をはじめ、インターネット上でもさまざまな議論が展開された。さらに、政府は直前まで「日の丸」・「君が代」の法制化に消極的な態度をとっていたが、3月3日には小渕首相が法制化に言及、積極姿勢に転じた。その後、周辺事態法などガイドライン関連法、憲法調査会設置法、改正住民基本台帳法、通信傍受法と同時進行しながら、8月9日、「日の丸」・「君が代」を国旗、国歌とする法が成立した。本報告は、この間広島県の教育現場を中心とした「日の丸」・「君が代」の強制をはじめとする一連の事態の経過を報告するものである。

1. 経過

(1) 文部省是正指導と県教委
 1998年4月1日、参議院予算委員会で、広島県内の市立中学校の教員が、参考人として学級崩壊などの状況について証言した。「ひどい時は、廊下を自転車で二人乗りをして、『イエーイ』と声をあげながら手を振って他の先生や生徒をからかったりという状態です。」などの証言を行ったが、実際にはその中学校にはそのような事実がなかったことが判明している。この教員を参考人として推薦した自民党議員は、さらに「道徳」を「人権」、「国語」を「日本語」としていること、卒業式、入学式での公立学校の「日の丸」・「君が代」の実施率の低さを指摘した上で、文部省の調査を要求した。なお、この教員は、国会での証言に驚いた多数の保護者からの問い合わせに、PTA総会でこの中学校ではなく聞いた話と答えている。
 文部省は国会での質疑を受けて、4月27~28日の両日、広島県教委と福山市教委へ調査に入り、5月20日には13項目にわたる是正指導が出された。その内容は、「卒業式、入学式の国旗掲揚・国歌斉唱」、「人権学習の内容」、「道徳の時間の名称、その指導内容」などとともに、管理運営にかかわる「職員会議の運営の実際等」や「学校運営に係る校長と教職員団体学校分会との確認書の状況」などであった。県教委は、是正指導が出されてすぐさま、5月22日と29日には県立学校長会議と市町村教育長会議を開いて「文部省是正指導」の内容周知をはかった。12月17日には、県立学校長、市町村教育委員会及び教育事務所長に対し、学校における「日の丸」・「君が代」の取り扱いと学校管理運営の適正化について指導通達を出す。「日の丸」・「君が代」については学習指導要領に基づいた指導の徹底、学校の管理運営については、教職員の服務と主任制の徹底、職員会議の位置づけなどである。さらに99年2月23日には、臨時県立学校長会議を開いて、卒業式、入学式での「日の丸」の掲揚と「君が代」の斉唱について、職務命令をもって指示を出した。

(2) 混乱の中での1998年度卒業式
 以降県教委は「校長支援」と称して連日24時間態勢を敷いて各県立学校長への指導を強める。校長は、卒業式での「君が代」斉唱に向けて、職員会議の発言内容、教職員組合の対応、保護者・生徒の対応などを逐一県教委へ報告させられた。それまでの学校における「日の丸」・「君が代」の取り扱いの経過を無視した強引な県教委の姿勢が、学校現場に混乱を引き起こさせ、ついには世羅高校校長の自殺という痛ましい事態を惹起させた大きな要因となったことは免れない。
 校長自殺の翌日、3月1日には多くの公立高校で卒業式が行われた。自民党県議団が、卒業式に出席し「日の丸」の掲揚と「君が代」の斉唱がされているかどうかをチェックするという自体がこの年の卒業式の異常さをあらわしている。結局、県立の高校、盲・ろう・養護学校29校で「君が代」斉唱は実施されなかったが、前年の実施率18.8%を大きく上回る88%(全日制高校100校での実施率)となった。実施しなかった学校の校長はマスコミの取材に「職務命令に逆らうのは校長失格ということ。でも、一生に一度の卒業式ということで、生徒たち一人ひとりの思いを考えて決断した」と語っている。
 卒業式の当事者である生徒たちの反応もさまざまであった。「君が代」を実施した学校でもメロディが流れ出すと起立していた卒業生たちが次々に座った学校もある。また、生徒会が全校生徒の過半数から「君が代」・「日の丸」反対署名を集め校長に提出した学校もある。一方、式に「君が代」はつきものだから抵抗感はないという生徒やどちらでもいいという生徒もいた。いずれにしても、人生の大きな節目である卒業生たちの前途を祝すという場が、校長の自殺という痛ましい事態、自民党県議団のチェックやマスコミ取材など、「日の丸」・「君が代」をめぐる政治的な動きの中で、翻弄されたことは確かである。

(3) 処分
 県教委は、3月23日に「国歌斉唱を適正に取り扱わなかった」と職務命令違反で21人の校長の戒告(17人)、文書訓告(4人)処分を発表した。年度末の人事異動では、処分を受けた校長は全員異動をさせられている。さらに、99年度入学式でも「君が代」斉唱を行わなかった3県立学校の校長3人に戒告処分が出された。
 県教委は、県立学校のみならず市町村教育委員会へも教育事務所ごとに教育長会を開催して、「君が代」斉唱、「日の丸」掲揚を徹底するよう指導を強めていた。これを受けて一部の地教委では、小・中学校長へ実施を求める職務命令を出した。結果、「日の丸」の掲揚率は微減となったものの、「君が代」は98年度の卒業式が30%台後半だったものが、中学校で75.2%、小学校で85.2%と大幅に増加した。処分も「君が代」斉唱不実施の32市町村、157小・中学校長に対して、文書訓告19市町村76校、厳重注意9市町村56校、教育長も処分10市町村、処分なし4市町25校となった。

(4) 99年度卒業式・2000年度入学式
 「国旗・国歌」法の成立を受けた翌年の卒業式、入学式では、県立学校の「君が代」斉唱は100%となり、小・中学校でも小学校97.4%、中学校98.4%と前年度に比べて実施率は上がった。さらに、県教委は、一部の教職員が着席するなどし、生徒の歌唱指導が十分でないとより指導を強化する方針を出した。また、県教委は実施しなかった府中市の小中学校長16人に対して戒告処分を行った。この処分は、教職員の服務監督について直接の権限を持つ府中市教委が「職務命令を出していないのに処分できない」としているにもかかわらず行われている。16人の校長はこの処分を不当として県人事委員会へ不服申し立てを行っている。

2. 混乱の背景

(1) 92年「2.28確認・文理解釈」との整合性
 広島県の「君が代」斉唱をめぐる混乱は、それ以前の広島県教育の経過と積み上げを無視し、その積み上げを行ってきた教組など関係者と協議する事もなく、学習指導要領に定められた事項を、文部省の是正指導を楯に強権的に実行したということにある。98年12月17日に県教委は、臨時県立学校長会議を開催し、「日の丸」掲揚・「君が代」斉唱の指導通達を出した。この会議に出席していた多くの校長から「2.28確認・文理解釈」との整合性を問う質問が相次いだ。
 「2.28確認・文理解釈」とは、92年に当時の県教育長と広高教組が確認した文書で、「日の丸」・「君が代」は学習指導要領に則って掲揚、斉唱することが原則としながらも、「「君が代」については歌詞が主権在民という憲法になじまないという見解もあり、身分差別につながるおそれもあり、国民の十分なコンセンサスが得られていない状況にある」として、「「日の丸」・「君が代」についての教育内容は、各学校が主体的に創造するもの」としている確認である。今回の事態に至るまでの卒業式、入学式での具体的な取り扱いは、91年の高教組と県立校長協会長との確認などに基づいて「日の丸」については原則的に学校の自主性、主体的判断としながらも、当面、三脚で会場に設置するとし、「君が代」についても原則は同様としながら「新たな混乱は回避するという方向で双方努力する」とし、実施されていない。
 ゆえにこの会議では、整合性を問う質問が出たし、年が明けて各地区の県立校長会、小中の校長会、地教委からの同和教育との整合性を問う要請書や要望が相次いだが、それについて明確な回答をすることなく、2月23日の臨時校長会で再度「君が代」斉唱の職務命令を出し、各学校への取り組みを強めたことが現場での混乱と苦悩を招いた。

(2) 教職員組合・同和教育運動・部落解放運動への攻撃
 県教委は、99年4月に「広島県立高等学校長の自殺について」という調査報告文書を出している。この文書によれば校長の自殺の背景・要因を、校長権限の制約、校長を中心とした教職員の協力態勢の未確立、教職員組合・部落解放同盟の組織的反対運動としている。つまり、校長を自殺に追い込んだのは、教職員組合、部落解放同盟の組織的な強い反対という結論を導き出している。しかも、この調査は「背景・要因」とされた教職員組合、部落解放同盟の話は聞いておらず、恣意的な報告といわざるを得ない。
 文部省の是正指導は、「日の丸」・「君が代」、人権教育などの教育内容にかかわるものだけではなかった。教職員の勤務や出張についての管理や、主任制度、職員会議の位置づけなど管理運営にかかわる内容についても指導が出された。この是正指導に基づいて、いわゆる「組合年休」問題での2,681人に及ぶ大量処分(99年12月、2000年2月)をはじめとして、県立高等学校管理規則の変更による主任の任命方法の変更や職員会議の校長の補助機関として位置づけるなどの変更、高教組各分会と校長との確認事項の一方的な破棄などを行っている。「組合年休」問題とは、超過勤務の回復措置として年休届を提出して、組合活動等に従事したのち事故がなかったら、校長が年休届を破棄するという高教組と校長会の労使確認に基づく労使慣行であり、県教委も承知をしていた。なお、処分は「組合年休」に対するものではなく、実態調査の職務命令に背いたということでの処分であった。
 さらに県教委は、99年夏以降、広島県の同和教育を牽引していた広島県高等学校同和教育推進協議会・広島県同和教育推進協議会へ校長が参加していることなどが県議会でとりあげられたことや文部省からの研究団体への補助金のカットを背景に、学校教育研究団体連絡協議会を組織する案を出し(「協議会・案」)、さらに2000年3月には既存の研究団体に相当する部会を県教委自らがつくりそこに希望する個人が加入するという「部会・案」に変更した。これは、事実上、高同教、広同教を行政のうらづけのない団体として絶縁し、官制同和教育を狙った動きである。2000年6月の県議会では、教育長は教員の休職・免職などの分限制度の運用を図ることも必要とさらに一歩踏み込んだ答弁を行っている。
 これらの一連の動きは、文部省是正指導の発端が、98年の参議院予算委員会でのやりとりからであったように、国会や県議会での動きとリンクしていた。99年3月の参議院予算委員会では、当時の県高等学校長協会会長が自民党の推薦の参考人として、世羅高校校長の自殺は教職員組合や部落解放同盟の強い反対の結果であること、「私は(部落解放同盟が)教育介入という外にことばを選ぶことはございません」などの発言をしている。この予算委員会では、教職員組合や部落解放同盟、同和教育団体への「学習指導要領に背いた教育内容」や「校長権限」、「教育介入」といった形での攻撃が展開され、小渕首相、野中官房長官の「日の丸」・「君が代」法制化発言を引き出している。
 広島県議会でも、学校運営や教職員の研修、研究団体のあり方や、同和教育、同和対策事業が取り上げられ、それに連動するかのように県教委は、教育研究団体の整理(高同協・広同教との絶縁)や同和教育地域進出費の全額カットなど矢継ぎ早に新たな対応を行っている。また、市町村議会でもこれらの動きに呼応するような質問が多発している。

(3) 草の根の「日の丸」・「君が代」推進
 98年1月に日本会議広島が中心となって広島県教育会議の結成準備会が開催された。「「平和教育」「人権教育」の名のもとで、反日的な偏向した授業が堂々と行われている」ことを批判し、「青少年に日本人としての誇りを自覚させ、国の将来を担う立派な人材を育成する」ことを目的とした右翼的な会である。準備会のオープニングセレモニーでは「天孫降臨」を演出し、発起人としてあいさつに立った元自民党国会議員は、「南京大虐殺はなかった」「15年戦争は侵略戦争ではなく、白人支配からアジアを解放した。ベトナムなどはその例だ」などと発言した。その後広島県教育会議は、県内各地で集会を開催したり、2000年2月には県教育長の留任を求める著名を県知事に提出するなど活発な活動を行っている。
 PTAも、99年1月には広島県PTA連合会、高等学校PTA連合会など3者が教育委員会に対して、「日の丸」・「君が代」を実施するよう要望書を提出したり、PTA幹部が節々で推進のコメントを出している。なお、このPTAの要望書は、役員のところで決定されており、個々の会員が承知していたわけではなく、PTA会員にもさまざま意見がある中で実施するよう要望したことに対して抗議を行った地区PTA連合会もあった。

3. 「国旗・国歌法」成立とその後の動き

(1) 法成立後の動き
 「日の丸」・「君が代」の国旗・国歌法制化の動きは、校長自殺後に急展開をみたのは、周知のとおりである。直前まで法制化に慎重な姿勢を示していた政府は、小渕首相の「広島県のおかげと言っては悪いが…」という発言に端的に表れているように、この後積極的に法制化を推し進め、根強い反対論、慎重論を押し切って8月9日に法案を成立させた。その1つが学習指導要領の法的拘束力の有無であったが、法的な根拠が明示されたことによって、県教委や推進側は「日の丸」・「君が代」の実施に明確な根拠ができたと歓迎した。しかし、問題の本質は法的根拠の有無ではなく、「君が代」が天皇制とのかかわりで身分差別を助長するということである。県教委は「2.28確認」では、「身分差別につながるおそれもあり」とその問題性を認識していたのであるが、そのことについては、政府と同じく象徴天皇制での「天皇」だから身分差別にはつながらないと強弁している。
 戦前大日本帝国憲法下での日本を統治する天皇という意味から、象徴天皇法の成立は各方面に波及した。高校長協会の夏季研究協議会では、初めて壇上に「日の丸」が掲揚され、会の冒頭に「君が代」が斉唱された。広島県の教員採用2次試験の面接では、「日本の公務員として国旗・国歌を子どもたちにどう教えますか」との質問を受験生に答えさせた。法には尊重義務規定は盛り込まれておらず、強制はしないというたてまえの中での成立であったが、「日の丸」・「君が代」に反対や慎重論を唱えることに対して、いくらバッシングしてもよいという雰囲気も生じた。県警が小中学校運動会での掲揚、斉唱の実施状況を問い合わせたり、県の教育委員が、「君が代」斉唱で先生が座っているような学校の生徒は、実業界から敬遠されると発言した。市町村議会でも数の力によって「国旗掲揚・国歌斉唱の実施を求める決議」が可決されている。2000年に入ってからは、安浦町長が中学校の生徒に対して「日の丸」、「君が代」を守る義務がある、教職員には「君が代」を斉唱できなければ辞めるべきとの手紙を送った。このような雰囲気が醸成された中で、今年3月の卒業式では、着席した教職員への指導はもとより、県内の複数の中学校で、卒業式の「君が代」斉唱の時に着席した生徒がいたことから、該当の生徒などに状況を聞くなどの調査が行われている。また、2000年の平和行進では、従来使用していた県立学校の使用に関して、現場の学校から県教育委員会の批判をするようだったら貸すことはできないという発言もでている。
 市町村でも、これらの動きに連動して、議会保守会派などから「日の丸」・「君が代」の推進発言が相次いでいる。「国旗・国歌法」が成立した後に庁舎に「日の丸」が掲揚されたり、保育所の卒園・入園式に実施された自治体もある。

4. 強制に反対する取り組み

 これらの動きに対して、教職員組合はいうに及ばず、「「日の丸」・「君が代」」強制に反対する県民の会(15団体で構成)や豊かな教育とくらしを確立する県民連合などの市民団体、共闘団体による県教育長の更迭署名を含めた反対運動が進められているし、市町村議会でも市議会で強制反対決議などの取り組みが行われている。
 自治労加盟単組でも強制反対の申し入れや、広島県教育会議主催行事への市の後援への抗議行動、「日の丸」の庁舎掲揚への反対行動に取り組んでいる。

おわりに

 一連の事態で特徴的なのは、事前に一部のマスコミでキャンペーンを張った上で、自民党によって国会で取り上げ、文部省の是正指導を引き出したように周到に準備されていること。また、その進め方は、教職員の大量処分や地方教育委員会の頭ごなしの処分など強権的で官僚的なものであること、である。
 周到に準備され、強権的に進められている広島県教育の「正常化」の中味は、教育委員会の絶対的な権限の確立と同和教育への攻撃である。その過程の中で、教職員組合、部落解放同盟、さらには同和教育研究団体への攻撃を、処分や組織再編成や校長自殺の原因などさまざまな手法で行っている。
 「君が代」の卒入学式での斉唱の強制は、これまで同和教育を進めてきた学校現場の教職員の教育者としての良心とは相容れないものである。しかも、それは教育内容として整理をしていくという従来の県教委のまともな行き方ではなく、命令という強権的なものであった。
 これまで述べてきたように現在、広島県では、多くの人びと、民主団体、行政によって積み上げられてきた同和教育、同和行政の成果をまるごとひっくり返そうとする反動的な動きが強まっている。
 この間の経過について、概要を報告したが、多くの人びと、団体によって積み上げてきた民主主義の強権的な踏みにじられ方を、問題の本質の所在とともに考察願えれば幸いである。


広島県における日の丸・君が代をめぐる経過

1979.  6. 6 元号法成立。
1985.  4. 文部省 全国都道府県、政令指定都市の卒業式、入学式における掲揚率、斉唱率をはじめて調査。
          8.28 文部省 入学式、卒業式に掲揚、斉唱を要求する「徹底通知」。
1986.  4.29 天皇在位60年式典。
1987.12.24 教育課程審議会答申、掲揚と斉唱の明確化を求める。
1989.  1. 7 昭和天皇死去。
         2.10 新学習指導要領、「国旗」「国歌」を義務化。
1992. 2.28 広島県教育長、日の丸・君が代の取り扱いについての確認(「2.28確認」)
1997. 8.31 産経新聞東京本社版に広島県内公立小・中・高の「日の丸」・「君が代」の実施率の低さと、「2.28確認」の全文及びその破棄を主張する記事が掲載。
1998. 4. 1 参議院予算委員会で参考人として広島県内の市立中学の教員が供述。
         4.27~28 国会の質疑を受けて、文部省現地調査(県教委、福山市教委)。
         5.20 文部省是正指導。
         6. 9 県教委 県立学校長、市町村教委に対し、是正指導通知。
         8~10 県教委 県立学校長ヒアリング。
       12.17 県教委 県立学校長、市町村教委、教育事務所長に対し、指導通達を通知。
  ① 「学校における国旗及び国歌の取り扱いについて」
  ② 「学校管理運営の適正化について」
 出席者からは「2.28確認」との整合性を問う発言が相次いだ。
       12.25 県教委 臨時市町村教育長会議を開催、指導通知の徹底をはかる。
1999. 1.24 広島県教育会議結成準備大会。「天孫降臨」が演出された。
         2.16 広島県PTA連合会などが県教委へ「日の丸」「君が代」の実施を求める要望書提出。
         2.23 県教委 臨時県立学校長会議を開催。卒業式・入学式における「日の丸」「君が代」の取り扱いを学習指導要領に基づいて行うよう、職務命令を発する。
県教委、泊り込み体制で、「君が代斉唱」実施のために、各県立学校長へ対して、進捗状況をチェック。
         2.25 小渕首相、衆院予算委員会で法制化に慎重姿勢。
         2.28 世羅高校校長自殺。
         2.28 広島県教職員組合協議会(広教組、広高教組で結成)県教育長不信任署名(12,536人)を県教委へ提出。
         3. 1 広島県内各地の公立高校で卒業式。世羅高では掲揚のみ。
         3. 3 小渕首相、法制化に言及。
         3.10 広島県高等学校長協会会長、参考人として参院で発言。
         3.26 県教委、「君が代斉唱」不実施校校長へ処分。17人「戒告」 4人「文書訓告」
市町村教委も県教委の指導に従って処分を実施。
         5.28 周辺事態法などガイドライン関連法成立。
         6.11 法案閣議決定 国会に提出 政府、「君は象徴天皇」とする統一見解を決定。
         6.30 千代田町議会「国旗・国歌の法制化を求める意見書」採択。
         7.22 「国旗国歌法案」衆院本会議で可決。賛成403 反対86
         8. 4 憲法調査会設置法成立。
         8. 9 「国旗国歌法案」参院本会議で可決。賛成166 反対71
各省庁記者会見場に日の丸が設置される。
         8.13 改正住民基本台帳法成立。
         8.18 通信傍受法成立。
         8.27 県教委 教員採用2次試験の面接で「日本の公務員として国旗・国歌を子どもたちにどう教えますか」との質問を受験生に答えさせる。
         9.25 府中市議会「国旗掲揚・国歌斉唱の実施を求める決議」可決。
         9.27 因島市議会 日の丸君が代について強制を行わないことを求める意見書を議決。
       10. 3 広島県警広警察署が管内一部の教育委員会へ小中学校運動会での掲揚、斉唱の実施状況を問い合わせていたことが判明。
       10.12 定例教育委員会で教育委員の一人が、国歌斉唱で先生が座っているような学校の生徒は、実業界から敬遠されると発言。
       11.12 天皇在位10年式典。
       12. 7 広島県議会議場に「日の丸」が掲揚。
       12.28 県教委「組合年休」問題で訓告処分(1,311人)。
2000. 2.10 県教委「組合年休」問題で、1,370人に厳重注意、254人に給与返還請求。12月の処分と併せて2,681人の処分。
         2.16 豊かな教育とくらしを確立する県民連合(広教組、高教組など6団体)県教育長の更迭を求める署名を県知事に提出(約65,400人分)。
         2.18 広島県知事記者会見に初めて日の丸掲揚。
         2.23 「日の丸・君が代」強制に反対する県民の会(15団体)、県教委に卒業式での強制をしないよう申し入れ。
         2.28 広島県教育会議、県教育長の留任を求める署名を県知事に提出(約82,000人分)。
         3. 1 県内の県立学校の大部分で卒業式。すべての学校で君が代斉唱。世羅高校など教職員、生徒が着席した学校も。
         3.14 県内の公立中学校、卒業式での君が代斉唱で聞き取り調査、全卒業生に登校を求めて指導。
         3.16 別の公立中学校でも、5日の卒業式後、着席した生徒に聞き取りをしていたことが判明。
         3.25 県教委教職員の異動発表、過去最多の5,727人。
         3.31 県教委、斉唱をしなかった新市町の小中学校長6人を戒告処分。また、府中市教委と三次市教委に対して、校長17人の文書訓告を指示。
         4. 1 県教委新たに「教育監」ポスト新設。前高校長協会長が就任。
         4. 7 安浦町長、安浦中学校の生徒に「国旗国歌は法制化されたおり、先生をはじめ生徒の皆さんも守る義務がある」との手紙を送っていたことが判明。
         4.24 安浦町長、町立小中学校の教職員に「法律を守れないのであれば、どうぞ今の職を辞してください」との手紙を送付。
         5.12 県教委、入学式で君が代の斉唱をしなかった新市町立小学校長4人を戒告処分。
         5.29 県教委、文部省事業「新しい教員の人事管理の在り方に関する調査研究」の委嘱を受け、「教職員人事管理システム研究会」を設置。
         6.28 県教育長 県議会で、指導力不足教員について休職・免職などの分限制度の運用を図ることも必要と答弁。
         7.14 県教委、府中市教委の処分は適当でないという見解にもかかわらず、府中市立小中学校長16人を戒告処分。
         8.29 府中市内の小中学校長16人が、県人事委員会へ県教委の処分は不当として不服申し立て。