平和を求めた反基地闘争を振り返って

山口県本部/反基地闘争本部

 

1. はじめに

 山口県本部は、第105回自治労中央委員会(1994年12月)において決定された「戦後50年プロジェクト」の設置にあわせて、県本部内にも「戦後50年プロジェクト」を設置し、戦後補償、定住外国人の人権、反戦・反基地、地方議会決議への対応、朝鮮人強制連行調査団との協力を重点課題において取り組みを開始いたしました。
 その後、第109回自治労中央委員会(1996年2月)で「戦後50年プロジェクト」の解散を受けて、県本部第136回委員会(1996年2月)において引き続き、平和・反戦・人権の運動を継承して「米軍岩国基地の縮小・撤去」をスローガンとした反基地闘争を県本部総体として取り組むことを確認し、「自治労山口県本部反基地闘争本部」を設置いたしました。
 沖縄を含む全国の反基地闘争と中国・山口県内における今日までの反基地闘争の諸行動ついて報告いたします。

2. 行動経過報告とたたかう基調

 戦後50年間、アジア最大の在日米軍基地の下で、米軍の重圧と不平等な地位協定に苦しめられてきた沖縄県民の怒りは、米兵による少女暴行事件に端を発して、1995年10月21日の9万人が結集した、復帰後最大の県民総決起大会として盛り上がりました。
 40年ぶりのこの「島ぐるみの闘争」は、大きなうねりとなり、海を渡って全国各地に届き、そして沖縄に連帯する抗議行動が各地で展開されるという、日本国あげての反基地闘争へと発展しました。
 大田沖縄県知事は、21世紀までに沖縄に軍事基地が存在する状況を絶対許さない立場から、米軍用地の強制使用手続きの代理署名を拒否しました。
 これに対し政府は、沖縄県民の代表である大田県知事を「職務執行命令訴訟」の裁判に訴えるという暴挙に出ました。
 福岡高等裁判所那覇支部は、大田県知事が求めた地方自治の本旨に基づく地方自治体の公益性の尊重や県知事の自主的判断についても、実質的な審理を行うことなく形式的審査にとどめ、国の公益性を優先し、県知事の行為を「著しく公益を害する」と結論づけ、「3日以内の職務執行を行うこと」を命じ、大田県知事の主張を退ける不当な判決を言い渡しました。
 こうした中で、沖縄・読谷村にある、米軍「楚辺通信所」の一部用地は、「駐留軍用地特別措置法」に基づく契約使用期限が切れ、「法的空白」のもとでの国の強制使用となりました。
 冷戦終結後、米軍は着実に国防予算を削減し、自国内の主要基地を495ヵ所のうち、103ヵ所を閉鎖するという、まさに、日本国民を愚弄することを行いました。
 この背景には、当初の44倍にも膨れ上がった米軍に対する「思いやり予算」と「米軍基地維持経費」の日本側の負担(「思いやり予算として7,000億円を越える負担」となっている)に支えられてきた在日米軍基地が、今や米軍にとって「最も安上がりな基地」となっている現実があります。
 一方、「東アジア・太平洋地域戦略構想(ナイ構想)」を打ち出し、東アジアでの米軍10万人体制を維持することを打ち出し、アジア諸国へのさらなる重圧を与えることとなりました。
 日米両政府は、ソ連崩壊後、存在価値がなくなった日米安保条約に必要以上にしがみつき、国民議論のないまま安保再定義によって安全保障の対象を地球的な規模(グローバル)に拡大し、日本国憲法では許されないとしてきた集団的自衛権行使の協議開始を合意、さらに、自衛隊と米軍が燃料等を融通し合う「物品役務相互提供協定(ACSA)」を締結し、武器輸出三原則の「例外措置」をもなし崩し的に拡大するなど、有事法制定へ踏み出そうとする、戦後の安保政策の実質的な転換を図ろうとしました。
 その結果として、第145回通常国会において、「周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律」(新ガイドライン法)、周辺事態関連法として「非戦闘員救出のための自衛隊法の改定」、「ACSA協定の周辺事態適用」など、全国の自治体や民間施設を自由に使用できる意図を含んだ「日本国民総協力体制の強制」を、自民・自由・公明という「数の連立内閣」によって、一方的に成立させました。
 沖縄の米軍基地縮小問題で最大の焦点になった、宜野湾市の普天間飛行場については、5年から7年をめどとして、全面返還の条件として、一部の機能を嘉手納飛行場への移転、追加的施設を整備するとともに、米海兵隊が駐留する山口県岩国市の米軍岩国基地へ、普天間飛行場から空中給油・輸送機(KC130)12機を移転させることを一方的に合意いたしました。そして、「AV8Bハリアー攻撃機14機を米国本土に引き上げるので、米軍岩国基地の機能強化にはつながらない」と説明いたしました。
 (現在、普天間飛行場の移転については、沖縄県内移転が決定され、当初の約束が反故されている。これに対し、嘉手納基地包囲行動「人間の鎖」とした抗議行動が展開された。山口県本部も中国ブロックとして参加し抗議の声と拳を挙げた。)
 これらは、米軍実弾演習地の大分・日生台など全国各地への移転と合わせて、在沖縄米軍基地の縮小・撤去を求める世論に逆行するものであります。
 自治労岩国市職員組合平和研究所における調査では、60%を越える米軍基地に対する「ノー」の声があったことや、FA18ホーネット戦闘攻撃機やハリアーが訓練などのために、KC130とともに韓国・朝鮮半島付近に頻繁に飛行していることが確認されており、米軍岩国基地は出撃基地として、さらに実戦的な基地機能を強化・拡大しようとしています。
 米軍岩国基地の滑走路の沖合移設は、総工費約1,600億円の「思いやり予算」の枠で日本が負担し、面積は、今の1.4倍となり、また、埋立地には数万トン級の空母や艦船が接岸できる水深13mの岸壁が建設されるなど、米軍岩国基地は、輪送・集積基地としても使用されることが予想されます。
 その裏づけとして、新ガイドラインの先取りともいえる、県営岩国港埠頭に米軍事輪送船団(MSC)の米軍関係貨物船が1998年から2000年6月までだけでも11回、県港湾管理条例を無視し、地位協定による強行入港を繰り返し行い岩国港を軍港にする策動を強めています。
 その都度、県本部反基地闘争本部は、早朝抗議行動を埠頭で行うことや県当局への抗議及び広島防衛施設庁などへの抗議を行ってきました。
 これらのことから、今後、在日米海兵隊以外の支援にも、役割を広げる可能性が危惧されます。
 この工事において、埋立による被害として、動植物の宝庫である藻場や干潟(ひがた)が消滅するという事態にあります。このことに対して、環境庁・防衛庁・防衛施設庁に対する抗議を市民団体とともに行ったところですが、各省庁の発言力に強弱が感じられ、真剣に自然保護を訴えている気持ちを逆なでする回答であったことに、不満と今後のさらなる不安を隠せませんでした。
 私達は今日まで、「米軍岩国基地沖合移設・普天間飛行場の米軍岩国基地への移転阻止」「米軍に基地の機能強化反対」「米兵による人権侵害反対」「思いやり予算の撤廃」「低空飛行反対」「夜間発着訓練の中止」等々、一連の「日本全土からの米軍基地縮小・撤去」と「原水爆禁止」「核実験反対」などを訴えた行動を、県本部・単組で展開してまいりました。
 職場や地域での抗議集会、抗議デモ、抗議の座り込みのたびに、県知事への要請行動や各自治体への要請行動を行ってきましたが、私達の詰めの甘さもあるのでしょうが、依然として、米軍基地関係において沖縄を含めた支援行動による全国的な世論というものが、国民全体の行動につながっていないように感じられます。
 日本国憲法第9条や非核三原則など、世界で唯一の被爆国である日本が定めた精神が、一部の国民のなかでしか伝わっていないように感じています。新ガイドラインへの対応についても、今ひとつ寂しさと怒りがこみあげています。
 戦後55年が経た今、20世紀最大の負の遺産であった戦争と、平和な社会の実現をめざした、反戦・反核・軍縮・平和の運動を検証し、21世紀には二度と同じ運命をたどらないためにも、日本全土からの軍事基地の縮小・撤去と基地機能を強化させない世の中になることを願い、さらに、運動の強化をしてまいりたいと考えます。
 併せて、全国基地問題ネットワークとの連携や1999年12月に自治労本部内に設定された、「自治労基地ネットワーク」で在日米軍基地を抱える県本部として全国の仲間と連携した「反基地闘争」の前進を目指した取り組みを行う決意を表明いたします。
 1995年から2000年8月までの自治労山口県本部反基地闘争本部としての諸行動を併記し、反基地闘争にむけた一連の取り組みの報告といたします。


* 日本をアジア・太平洋の平和の拠点にするぞ!!
* 日本全土から米軍基地の縮小・撤去せよ!!
* 県営岩国港の軍事利用を許さないぞ!!
* 新ガイドライン法を廃棄させるまでたたかうぞ!!
* 米軍への思いやり予算の撤廃!!
* 日本政府は、世界に向けて平和の発信を行え!!
* 7・20嘉手納基地包囲行動を成功させるぞ!!
* 我々は沖縄県民の心を支援し共にたたかうぞ!!

(7・16嘉手納基地包囲行動・中国ブロック岩国集会より)


自治労山口県本部反基地闘争本部5年間(1995年5月~2000年8月)の行動日誌(年表)

《注》 この行動日誌(年表)は、機関紙『自治労やまぐち』、機関誌『自治研やまぐち』からの抜粋を中心に、自治労山口県本部反基地闘争本部等の資料をもとにして作成した。
【1995年】

10月17日 ◆岩国市職平和研究所と山口教組岩国支部、岩国基地の沖合拡張反対連絡会議が、岩国市民会館で、沖縄戦記録フィルム1フィート運動事務局長の中村文子先生を招き、「米兵の少女暴行事件糾弾沖縄報告集会」を開く。集会には約130人が参加、「戦後50年経った今も米軍基地が占領し続けている」という、沖縄と日本社会の状況をつかみ、基地撤去闘争の決意を固め合った。
10月19日~20日 ◆自治労山口県本部が、山口市で、第43回定期大会を開き、「米軍人の少女暴行事件抗議、米軍基地撤去、核実験抗義、核廃絶」を決議した。
10月21日 ◆「米兵の少女暴行事件糾弾、日米地位協定の見直しと米軍基地撤去を求める沖縄県民総決起大会」が、同実行委員会(220団体)が主催して開かれ、約8万5,000人(郡島部を入れると10万人)が結集し、戦後最大規模の歴史的な大集会となり、反基地闘争のうねりが大きく高まる。
10月22日 ◆連帯する山口県労組会議など5団体は、岩国市労働会館前児童公園で、「中国・フランスの核実験糾弾、米軍岩国基地撤去、日米地位協定の見直しを求める反戦・反核山口県集会」を開いた。集会には、39団体・約800人、うち自治労山口県本部は36単組・474人が参加。集会では、各代表があいさつの中で、沖縄の米兵犯罪を糾弾し、「日本は占領状態にあり、戦後は終わっていない」ことを強調。「日本の主権を踏みにじる不公平な地位協定の改正」を要求。「諸悪の根源である米軍基地撤去、日米安保条約破棄」を目指す決意を表明。自治労宜野湾市職労の山内繁雄元書記長が沖縄現地報告。「基地こそが諸悪の根源、撤去するまで総反撃を」と訴えた。
11月2日 ◆田村順玄岩国市議は、岩国市役所で記者会見し、「岩国基地の滑走路を1,000メートル沖合に移設する計画が強行されようとしているが、その中に、米空母など何万トンもの艦船が接岸し、作戦行動が可能な国内最大級の軍用岸壁、港湾施設建設計画が盛り込まれていた」こと。また、平井山口県知事に対して、11月1日付で、「県議会決議にも反する重大な基地の拡大強化である」と、承認願の却下を求めた「米軍岩国基地滑走路沖合移設に伴う公有水面埋め立て承認願に関する意見書を提出した」と公表した。
11月9日 ◆自治労山口県本部、岩国市職は、貴舩岩国市長に対して、「米軍岩国基地沖合移設反対、軍港化阻止緊急行動」として、「基地機能の強化にならぬよう、計画の変更を国に求める」申し入れ交渉を行った。
11月9日 ◆自治労山口県本部、岩国市職は、岩国市民会館で、「岩国基地沖合移設・軍港化問題公開講座」を開き、田村順玄岩国市義を講師に、軍港化の狙いを学習した。東部総支部の10単組などから44人が参加した。
11月13日 ◆自治労山口県本部は、山口市の県庁前庭で、「米軍岩国基地沖合移設・軍港化阻止緊急集会」を開き、「岩国基地の機能強化反対」を確認。県知事に、「岩国基地の縮小・撤去、港湾施設整備による機能強化にならないよう計画の変更等を国に求める」ことなど3点の要請書を提出。県岩国基地沖合移設対策室と申し入れ交渉を実施した。
【1996年】
2月13日 ◆自治労山口県本部は、山口市・自治労会館で、第136回委員会を開き、ビデオ『総点検・日本の米軍基地』を上映して在日米軍基地の実態を学習。「日本全土から米軍基地の縮小・撤去を求める反基地闘争本部の設置」を決めた。
3月5日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部が、岩国市役所横と山口市の県庁前庭で、「米軍岩国基地沖合移設・普天間飛行場の岩国基地への移転阻止緊急行動」を実施。「米軍基地沖合移設・普天間飛行場の米軍岩国基池への移転阻止、日米安保の再定義反対」を決議。岩国市長と県知事に対して、「岩国基地沖合移設計画の凍結、日本全土からの米軍基地の縮小・撤去を国に求めること」などの要請書を提出した。岩国集会には、東部総支部の16単組・約70人が参加、「岩国を第二の沖縄にするな」とデモ行進した。中央集会には、中部・西部総支部の26単組・約100人が参加、「魂を売ってまで富を得ようとはしない自覚を」「岩国は株式会社アメリカ合衆国の出張所ではない」などと強調された。
4月22日 岩国市職平和研究所の田村順玄岩国市議が記者会見。「95年4月から96年3月の間の岩国基地を離陸した軍用機の飛行回数や行き先など初の飛行実態」を公表。特に、「沖縄普天間基地から飛来したとみられるKC130ハーキュリーズ空中給油輸送機の行き先の5分の1が米軍戦闘機と共に朝鮮半島付近に飛び立っており、岩国基地が最前線基地であり、KC130部隊の岩国移転は、アジアへの出撃拠点として岩国基地の機能を強化するものである」ことを明らかにした。
4月25日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部が第1回会議を開いた。会議では、情勢報告と今後の取り組み(「5・12米軍岩国基地の拡張を考える山口県民集会」「6・8~9日米安保と基地自治労中国地連学習会」「6・9反基地総決起岩国集会」「5・13~17第1波、6・3~6第2波の日本全土からの米軍基地の縮小・撤去、日本全土の米軍基地機能強化反対座り込み行動」「全質ネットワークづくりの取り組み」「日本全土の米軍基地機能強化反対を求める地方議会決議の対応=6月定例会への要請行動」)などを決めた。
5月12日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部、連帯する山口県労働組合会議、社民党山口県連合は、山口市の労福協会館で、「米軍岩国基地の拡張を考える山口県民集会」を開いた。集会には、自治労山口県本部の43単組・(県職労13支部)と17組合の労働者、地方議員、大学人、文化人、県民など約350人が結集。九州大学名誉教授(物理学)の森茂康氏が日米安保条約問題(どうなる安保と私たちの暮らし)で、岩国市職平和研究所代表の田村順玄岩国市議が岩国基地問題(沖合移設と普天間移駐)で、それぞれ約1時間講演、集会アピールを採択した。
5月13日~17日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部と連帯する山口県労働組合会議は、「日本全土からの米軍基地縮小・撤去」「日本全土の米軍基地機能強化反対」を掲げ、「全県の自治体職場から行動を起こし世論に訴え県民運動を盛り上げよう」「住民の生活、安全、平和と子供たちの未来、日本の進路に関わる重大な課題だ」と、5日間、全県一斉に38ヵ所の自治体職場で、48単組(県職労11支部)・3,757人が、1回から5回の昼休み座り込みを中心に夕方の座り込み、市民や住宅へのビラ配りなど第1波座り込み行動を整然と実施した。
5月16日 ◆自治労山口県本部、同政治連盟、岩国市職は、岩国市で、岩国市長に対して、普天間飛行場配備のKC130航空機の岩国飛行場への移駐問題対策検討協議会」の問題での要請書を提出。「普天間移駐は白紙撤回を」「普天間基地の岩国基地移駐の受け皿となる沖合移設の再検討を」と申し入れた。
6月1日 ◆自治労県本部反基地闘争本部と岩国市職は、連帯する山口県労働組合会議と共に、基地の町・岩国市で、「地域住民の声を聞き、反基地闘争を強めよう」と、約4万5,000世帯のうち、2万世帯を対象に、2万枚のビラと市民意識調査用紙を配布、500人から聞き取り調査をする「米軍基地に関する岩国市民2万人アンケート大行動」を実施した。この行動には、自治労山口県本部の48単組・312人と他組合の仲間を合わせ約400人が参加。「基地を撤去してほしい」という、基地の重圧を受けてきた住民の声に確信を深めた。この行動は、自治労山口県本部の運動史上初の取り組みで、快挙といえるものである。
6月3日 ◆岩国市職は、岩国市民2万人アンケート大行動の587人分の聞き取り調査結果の一部を発表。それによると、「市民は基地に反対であるという意見が大勢を占めている」ことが明らかになった。
6月3日~7日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部が、連帯する山口県労働組合会議と共に、沖縄県民のたたかいに連帯し基地撤去を掲げ、58単組(県職労10支部)、4,339人が参加して自治体職場で座り込み、地区集会、ビラ配布行動を実施した。この2波10日間の統一行動には、県内50自治体職場の拠点で59単組(県職労12支部)の自治労山口県本部組合員のベ7,151人と連帯する山口県労働組合会議の労働者など645人、県民300人、合計8,096人が結集。自治労県本部反基地闘争本部が展開した5~6月の反基地諸行動は県民ヘアピールし、大きな成功を収めた。
6月7日 ◆岩国市職は、岩国市長に対して、「米軍基地に関する岩国市民2万人アンケート大行動」での587人分の聞き取り調査集計結果を基に、「米軍岩国基地問題、及び岩国基地沖合移設について行政として市民意識・考えを調査することについての申し入れ」を行った。
6月8日~9日 ◆自治労中国地区連絡協議会が、岩国市中央公民館で、自治労中央本部と自治労山口県本部反基地闘争本部の共催で、「日米安保と基地学習会」を開いた。中国地連5県本部の役員約120人が参加。95年秋以来の沖縄県民と自治労沖縄が発信した安保破棄、基地撤去のたたかいのうねりを受け止め、諸悪の根源である日米安保条約の本質と米軍基地撤去の課題について学習。沖縄に連帯し、基地の縮小・撤去を求め、岩国基地の拡大・強化に反対する運動を中国地方に広げていく出発点となった。学習会では、自治労中央本部からの基調報告、沖縄代表の報告、岩国からの報告に続いて、山口大学の纐纈厚教授が「安保の変質と基地撤去への課題」というテーマで講演した。
6月9日 ◆連帯する山口県労働組合会議、広島県労組会議、岡山県平和センター、鳥取県平和センター、島根県労政協の5県労組会議と社民党中国各県連合が主催して岩国市の労働会館前児童公園で、核巡航ミサイルトマホーク配備反対岩国集会以来、実に12年振りに「米軍基地の縮小・撤去と岩国基地の強化・拡大に反対する中国ブロック集会」を開き、労働者など約4,500人が結集。自治労山口県本部反基地闘争本部は、岩国での反基地闘争史上で初の56単組、1,637人(県職評470人、市職評429人、町村評676人、関連評53人)を、また、自治労中国地連4県本部は650人を結集。他単産労働者と共に、「日本全土から米軍基地を撤去せよ」と気勢をあげ、米軍基地までデモ行進した。集会では、沖縄反戦地主会の知花昌一さんが特別報告。「諸悪の根源の基地撤去するしかない」と強調。集会は、沖縄県民の米軍基地撤去のたたかいのうねりを山口県と中国地区に拡大させ、大きな勝利を収めた。
7月11日 ◆岩国市職は、6月1日に実施した「米軍基地に関する岩国市民2万人アンケート大行動」での、ハガキによる回答について6月末で締切り、記者会見して、「基地撤去・縮小は67.8%」「普天間基地移駐反対は62.1%」などの集計結果を公表した。集約公表されたものは、回答が寄せられたハガキ1,323通、聞き取り調査分587通を合わせた1,910通となり、配布した約1割に当たる市民から寄せられた。岩国市職は、「岩国市は市民の声に耳を傾けて実行を」と訴えた。
7月19日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、山口市・自治労会館で、第2回会議を開いた。会議では、「日本全土からの米軍基地の縮小・撤去」「日本全土の米軍基地機能強化反対を目指した5~6月反基地諸行動を踏まえ、6月28日の第137回委員会の活動方針に基づく、第二弾の行動について協議、岩国市長、県知事に対する申し入れや各地区各単組での取り組みなどを確認した。
8月12日 ◆自治労山口県本部、同政治連盟、岩国市職は、岩国市役所で、岩国市長に対して、6月1日に実施した「米軍基地に関する岩国市民2万人アンケート」の集約結果を説明。「基地沖合移設事業の中止」「沖縄・普天間基地機能の岩国移駐を絶対容認しないこと」「住民投票条例を制定し、岩国基地の存在を問う市民投票の実施」を要求する要請書を提出、申し入れ交渉を行った。
8月20日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、山口市・自治労会館で、第3回会議を開き、沖縄県民のたたかいに連帯し、日本全土からの米軍基地の縮小・撤去、日本全土の米軍基地機能強化反対9月~10月第二次行動の具体的行動を確認した。
9月2日~6日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、日本全土からの米軍基地縮小・撤去」「日本全土の米軍基地機能強化反対」「沖縄県民投票支援」「米軍岩国基地の沖合移設凍結」「岩国市民投票要請行動支援」「県知事への岩国基地要請書提出支援」をスローガンに、榎本自治労中央執行委員長の闘争指令に基づき、各自治体職場での昼休み座り込みなど第二次反基地行動を実施。連帯する山口県労働組合会議、市民団体、被爆者も参加し、50単組(県職労9支部)・約3,500人が行動した。
9月9日 ◆自治労山口県本部、同政治連盟は、山口市・県庁で、二井県知事に対して、岩国基地問題で要請書を提出、岩国基地沖合移設対策室を訪ね、申し入れ交渉をした。
9月28日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、下関市・シモールパレスで、沖縄戦をテーマにした映画『GAMA/月桃の花』を上映した。
10月12日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、厚狭郡山陽町文化会館で、沖縄戦映画『GAMA/月桃の花』を上映した。
10月24日~25日 ◆自治労山口県本部は、山口市で、第45回定期大会を開き、職場での座り込み闘争など反基地行動を総括し、運動の継続・強化を要望する発言を踏まえ、「軍事基地の整理縮小・撤去、日米地位協定の見直しを求める決議」を採択した。
10月26日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、山口市・山口南総合センターで、沖縄戦映画『GAMA/月桃の花』を上映した。
10月27日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、岩国市・シンフォニア岩国で、「反基地闘争岩国集会」を開き、今年2月以来の反基地諸行動を総括。岩国市当局が、滑走路増設、大型艦船も入れる軍港化からなる米軍岩国基地大拡張の沖合移設事業を強行し、沖縄・普天間基地機能の一部の岩国基地移転受け入れへ動きだしたことを「市民への背信行為」と非難。米軍基地の縮小・撤去、日米地位協定の見直しの運動を、沖縄県民や全国基地ネットワークと連帯して強化し、普天間問題に絞った市民投票条例の制定運動を取り組むことを確認した。
10月27日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、岩国市・シンフォニア岩国で、沖縄戦映画『GAMA/月桃の花』を上映した。なお、下関、山陽、山口、岩国会場で、合計1,150人が鑑賞した。
11月26日 ◆自治労山口県本部、同政治連盟、岩国市職は、岩国市役所で、岩国市長に対して、基地独自の市民意識調査の再実施、地域住民代表、近隣自治体関係者を交えた協議会を設置し、岩国基地沖合移設事業や、基地の存在の再検討、基地縮小、米兵による被害者への補償を国・県に求めることなどの米軍岩国基地に関する要請書を提出、申し入れ交渉を行った。
12月2日 ◆自治労反基地闘争本部は、山口市・自治労会館で、第4回会議を開き、9月以来の第二次反基地諸行動を報告。「米軍岩国基地沖合移設埋め立て承認反対緊急県庁行動、沖縄・普天間基地機能移駐反対・日米地位協定粉砕行動、97年4月の岩国大集会」など、今後の取り組みを確認した。
12月2日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、寒風の中、山口市・県庁前庭で、28単組・87人が参加し、「米軍岩国基地沖合移設埋め立て承認反対緊急県庁集会」を開き、埋め立て承認に抗議し、県知事に対し、岩国基地跡地保全、自然環境保全、日米地位協定見直し、情報公開を要請。沖縄に連帯し、日本全土からの米軍基地の縮小・撤去など、今後の反基地行動方針を提起。反基地闘争アピールを採択した。
【1997年】
1月1日 ◆『自治労やまぐち』97新春号の新春座談会、自治労山口県本部四役回顧と展望で、「戦争体験のない組合員か一連の反基地行動で平和の大切さを学び体でかんじたことは大成功だった」「戦後51年目を迎え、平和の大切さを認識した1年だった」「自治労が先頭に立ってがんばり、多くの県民に問題点を訴え、行動への理解を得られたと判断したい」などと、自治労山口県本部反基地闘争本部の諸行動が総括された。
1月28日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、岩国市長の沖縄・普天間飛行場機能の岩国基地への受け入れ表明に対して、「受け入れを容認したことは米軍基地の整理縮小・撤去を求める国民に対する裏切り」と糾弾。抗議文を送付し、各単組に抗議文の送付を指示した。
2月8日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、岩国市民会館で、「普天間基地空中給油機輸送部隊の岩国基地移駐と沖合移設を考える会」を開いた。学習会は、岩国市長が、市議会決議や市民・県民の反対世論を無視し、地域住民の根本的な利益を裏切り、空中給油機の受け入れを表明したことに抗議、岩国市政に対する市民・県民の不満・不信が広がる中で、真相を明らかにするために緊急に開いたもの。学習会には、自治労山口県本部東部総支部組合員や市民など約80人が参加。岩国市職平和研究所の田村順玄岩国市議と、ピースリンク広島・呉・岩国の湯浅一郎氏が、「岩国市長の移駐容認決定の問題点」「機能強化と自然破壊の沖合移設」と題して講演。岩国基地が米軍の戦略的な出撃基地として軍事的機能が段階を画して強化され、アジア・太平洋地域の平和を脅かすこと、沖合埋め立てのための愛宕山開発と、藻場・干潟喪失による自然破壊が危惧され、安心・安全の住民生活が脅かされることが明らかにされた。
2月21日 ◆自治労山口県本部は、山口市・自治労会館で、第139回委員会を開き、「米軍基地の整理縮小・撤去、普天間基地空中給油機部隊の岩国移駐に反対する決議」を採択した。
4月1日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、「沖縄県民の私有地を強奪し、米軍基地に差し出すものだ」と、政府・自民党の駐留軍用地特別措置法(措置法)改悪策動に抗議、各単組に抗議行動を指示した。
4月21日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、岩国市長に対して、「岩国基地への空中給機受け入れ合意を即時撤回し、住民との対話をやっていくこと」「岩国基地に貯蔵している劣化ウラン弾の即時撤去と弾薬庫の立ち入り調査、弾薬処理場である姫子島の環境調査を国に申し入れること」「岩国基地の固定化と瀬戸内海の環境破壊につながる沖合移設の中止を国に求めること」「日本全土からの米軍基地の縮小・撤去を国に求めること」「米軍基地に関する情報を速やかに公開し、住民が安心して暮らせるよう国に求めること」の5項目の要請書を、対応した助役に手渡した。
4月23日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、玖珂郡由宇町役場前庭で、「駐留軍用地特別措置法の改悪反対」「普天間の空中給油機移駐反対」を掲げ、「由宇町長への反基地申し入れ行動の前段緊急ミニ集会」を開き、申し入れ内容について意思統一し、日本全土から米軍基地をなくしていく決意を固め合った。集会後、由宇町長に対して、岩国市長への5項目の要請と同趣旨の要請書を、対応した助役に手渡した。
4月27日 ◆連帯する山口県労働組合会議、広島県労組会議、岡山県平和センター、鳥取県平和センター、島根県労政協は、岩国市体育館で、「日本全土から米軍基地の縮小・撤去を、劣化ウラン弾の即時撤去と基地機能の強化・拡大に反対する中国ブロック岩国集会」を開いた。集会には、中国5県の労働者・教師など約3,500人(うち山口県は15単産、自治労山口県本部は52単組・1,062人)が結集した。集会は、1996年6月9日の4,500人岩国集会に続くもので、沖縄平和運動センターの仲宗根義一事務局長が、「米軍用地特別措置法改悪反対のたたかい」と題して講演。「米軍基地が有る限り沖縄県民の反基地闘争は終わることはない」と訴えた。また、東京国際大学の前田哲男教授が、「検証/日米安保再定義」と題して講演。集会では、沖縄・普天間基地からの空中給油輸送機部隊の岩国基地移駐に反対し、岩国基地貯蔵の劣化ウラン弾即時撤去を要求、駐留軍用地特別措置法の改悪を糾弾した。また、「諸悪の根源は日米安保条約であり、反基地闘争を発展させる上で反安保の視点と運動が大切」と強調された。参加者は、「沖縄県民のたたかいに連帯して、岩国基地の増強を許さず日本全土から米軍基地の縮小・撤去のたたかいをさらに発展させよう」と気勢を上げ、岩国基地までデモ行進した。
6月25日 ◆自治労山口県本部は、山口市・自治労会館で、第140回委員会を開き、反基地、反原発闘争など7つの課題からなる当面の闘争方針などを決めた。また、「米国の境界前核実験に抗議し原水爆禁止運動を強化する決議」を採択した。
7月14日~18日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、第140回委員会の決議に基づき、「アメリカの臨界前核実験に抗議」「岩国基地の核攻撃基地化反対」「劣化ウラン弾撤去せよ」のスローガンを明記した横断幕を掲げ、炎天下で、「第1波統一座り込み行動」を実施した。この行動には、57単組と県職労支部を合わせた70拠点中、24拠点・23単組12県職労支部で、801人(県職評=10拠点12支部・341人、市職評=4拠点9単組・171人、町村評=10拠点11単組・289人)が参加。小型戦術核兵器の開発を狙い、世界平和を脅かす臨界前核実験に抗議。「再び核兵器を使用し被爆者を作ることを絶対に許すな」と、新たな核戦争に反対してたたかった。全県の自治体職場を基礎に初の県本部統一行動を実施したことは、労働者を先頭にした原水爆禁止、核兵器廃絶、反戦平和運動を発展させていく上で大きな役割を果たすものであること。マスコミがアメリカの臨界前核実験や核戦争計画についてほとんど報道しない中で、核戦争をめぐる切迫した重大な情勢を知らせ、臨界前核実験に反対し原水爆禁止、核兵器廃絶、反戦平和を求める県民世論を喚起するために貢献するものであるなど、注目と支持を集めた。
8月4日~8日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、「アメリカの臨界前核実験に抗議」「岩国基地の核攻撃基地化反対」「劣化ウラン弾撤去せよ」のスローガンを明記した横断幕を掲げて、被曝52周年原水爆禁止世界大会に併せた「第2波統一座り込み行動」を実施した。悪天候続きの中で、26拠点22単組、県職労10支部・914人(県職評=7支部拠点で3支部が合流し、合計10支部・250人が行動、市職評=7市職拠点で2単組が合流し、合計9単組・263人が行動、町村評=12町職拠点で1単組が合流し、合計13単組・401人が行動)が参加して、座り込み、早朝・退庁後の職場集会を含めて実施した。数拠点の座り込み行動の中で、自治労山口県本部が提供した下関原爆被爆者の会の「アメリカの臨界前核実験の中止を求め、新型水爆の配備、劣化ウラン弾の貯蔵・使用に反対し、米軍岩国基地の核戦争基地化に反対」との声明文や、名古屋大学の豊田利幸名誉教授、九州大学の森茂康名誉教授、山口大学の纐纈厚教授のコメントの新聞コピーが学習資料として配布された。アメリカの臨界前核実験に抗議する7~8月の第1波、第2波の統一行動には、核実験強行日前後の抗議の座り込み行動と合わせ、延ベ38単組・県職労支部・1,874人が心をひとつに行動し、自治労山口県本部運動史上に残る、かってない原水爆禁止・核兵器廃絶の諸行動を取り組んだ。併せて、各単組は、原水爆禁止山口県民会議・同各地区会議の県内平和行進に参加した。また、8月5日の連合ヒロシマ平和集会、9月6日の山口のヒロシマデーで献納する千羽鶴を29単組の仲間が心を込めて折り込んだ5,180羽を集約し連合山口に届けた。原水爆禁止世界大会の広島・長崎大会には10単組などから32人が参加した。
9月12日~19日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、日米防衛ガイドライン見直しの先取りとして強行された、在沖縄米海兵隊北海道移転実弾砲撃演習に抗議して、「日本のヒト、モノ、カネをアメリカの戦争に動員するものだ」と、「日米防衛ガイドライン見直し絶対反対」の横断幕を掲げ、「統一座り込み行動」を実施した。おりから台風19号が九州・四国・中国地方を直撃するという悪天候に見舞われ、多くの単組で中止を余儀なくされたが、25単組、県職労支部を拠点に5単組県職労支部が合流し、12日に492人、16日に175人、17日に506人、18日に130人、19日に61人と、合計30単組、県職労支部が、早朝、昼休み、退庁時に自治体職場での座り込みや職場集会を実施。延ベ1,364人(県職評=9拠点延ベ507人、市職評=9拠点延ベ535人、町村評=7拠点延べ322人)が参加してたたかった。各拠点では、自治労山口県本部の、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)見直しに反対し、米海兵隊の北海道矢臼別移転実弾砲撃演習に抗議して、日本全土から米軍基地の縮小・撤去を要求する声明」を読み上げ、参加者の意思統一を図った。統一行動は、米空母3隻が日本列島に集結、小樽港に空母インディペンデンスが入港するなど、日米防衛ガイドライン見直しの先取りとして、日本全土の民間港などを自由に使用する動きを強め、佐世保や横須賀などにも空母コンステレーションや空母ミニッツが入港するという異常事態の中で、各地で労働者などが抗議行動をたたかった。
9月16日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、山口市・自治会館で、反原発闘争本部と合同で第5回会議を開いた。
9月25日 ◆自治労山口県本部傘下の各単組は、自治労指令に基づき、18拠点35職場で、20単組・県職労支部・948人が、「人事院勧告完全実施の早期閣議決定、アメリカの2回目の臨界前核実験に抗議」の「県本部統一行動」を実施した。また、18日、19日、22日、26日にも、岩国、山口、下関、萩、防府、宇部市、楠町で、自治労の仲間と地域の労働者、被爆者など228人が抗議の座り込みを実施。合わせて1,176人(県職評=14拠点、35職場、4地区・829人、市職評=1拠点4地区・191人、町村評=5拠点・156人)が行動。世界と日本での反対世論を無視し、臨界前核実験を強行した傲漫なアメリカ政府の態度を非難、日米政府が合意した新日米防衛ガイドラインを糾弾した。
10月15日~16日 ◆自治労山口県本部は、山口市の山口県婦人教育文化会館で、第46回定期大会を開き、「新ガイドラインに基づく日米軍事共同作戦体制強化に反対し、米軍岩国基地の縮小・撤去を求める特別決議」を採択した。
10月23日 ◆岩国市職平和研究所は、自治労山口県本部反基地闘争本部と共に、岩国市民会館で、講師に太平洋軍備撤廃運動国際コーディネーターの梅林宏道氏を招き、「検証/新ガイドライン反戦反核市民講座」を開いた。学習会は、「本土沖縄化を許さない」と訴えた案内ビラ1万枚を岩国市内に配布。自治労東部総支部を中心に、16単組・県職労支部の84人など市民を含め130人が参加した。
10月24日 ◆岩国基地所属のハリアー攻撃機が、16時すぎ、基地周辺の市職員が働いている第二工場から約200メートルほど離れた沖合に墜落した。そばには弾薬庫もあり墜落場所が少し違えば大惨事となるところであった。岩国市職と岩国市職平和研究所は、米軍への抗議声明を出した。
11月2日 ◆民主リベラル山口県労働組合会議は、山口市の労福協会館で、軍事評論家の藤井治夫氏を招き、「動き出した新ガイドライン/検証=日米防衛協力のための指針講演会」を開いた。学習会には、自治労山口県本部(15単組・85人)など労働者、教師、自治体議員など約250人が参加。アメリカがアジアと世界各地で引き起こす戦争に、日本を総動員していく新ガイドラインの危険な内容と、それを保証する有事立法の法制化が始まる重大な情勢について学習した。講師の藤井氏は、「周辺事態その背景にあるもの」と題して講演。「自治体職員が周辺事態対米協力有事法の執行を強要させられる」と指摘。最後に、足尾銅山鉱毒事件で、民衆の側に立ち、生涯をたたかい抜いた衆議院議員の田中正造翁が、明治33年、「日清戦争が勝利し、日露戦争が始まろうとした時」の第15回帝国議会で政府を糾弾した「亡国演説」を、「凄い先見の明がある」と引用。「亡国に至を知らざればこれ即ち亡国」「民を殺すは国家を殺すなり、法をないがしろにするは国家をないがしろにするなり」「民を殺し法を乱して、しかして滅びざる国はなし」と朗読。「戦争につぐ戦争」の結果、「日本を滅ぼした」かつての教訓を力説。「弱者を切り捨て憲法を蹂躙して日本がよくなるはずはない」と言葉を結んだ。
12月16日 ◆自治労山口県本部は、山口市・自治労会館で、第141回委員会を開き、新ガイドライン・有事立法反対などの闘争宣言を採択した。
【1998年】
1月1日 ◆『自治労やまぐち』1998新春号の新春座談会、自治労山口県本部四役回顧と展望で、1997年の自治労山口県本部反基地闘争本部の諸行動を振り返り、「自治労が運動を起こし、行動を積み重ねることで、平和を求める声が大きくなることを実感できた」「ストライキ経験のない組合員世代が増加する中で、庁舎前での座り込み行動は、組合員教育の面からも、一定成果があった」「新ガイドラインは、日本がアメリカの世界安保体制に自動的に組み込まれる軍事同盟に変質するもの」などと強調された。
1月9日~13日 ◇岩国基地で、米海軍横須賀基地を母港とする米空母インディペンデンスの艦載戦闘攻撃機FA18ホーネットが、突然飛来して夜間着艦訓練(NLP)を強行した。これまでのNLPの実施は、1週間前に事前通告することになっていた。ところがこうした慣例も一方的に無視。岩国基地側が岩国市基地対策課へ通告した午後4時23分以前の3時頃からNLPを開始した。また、岩国市と基地側で危険性が高いコンビナート工場群や市街地上空での飛行はしないという申し合わせも簡単に破った。このように米軍は、日本政府や山口県、関係自治体を馬鹿にし、住民の意志を踏みにじった問答無用の横柄な態度を取った。さらに、爆音が一番ひどいホーネット8機が岩国基地だけで訓練。平均2分に1回、基地滑走路を空母の飛行甲板に見立ててタッチアンドゴーを繰り返し、車のクラクションほどの最高120デシベルにも及ぶ爆音をまき散らした。そのため、「幼児が引きつけを起こした」「受験生が勉強できない」「夜も眠れない」ほど、岩国市民、由宇町民、東部地域住民の生活を深夜まで破壊した。住民からは12日現在で700件もの非難轟々の抗議電話が、岩国市などに殺到した。アメリカ政府と米軍は、今回のNLPで、日本を属国と見なした横暴で傍若無人な態度を振る舞った。同時に、日米安保条約と新日米防衛ガイドラインの具体化として、岩国基地をアジア諸国を標的に核攻撃出撃基地として使用する意思を示した。
1月12日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、今回のNLPが新ガイドラインを逆手に取った米軍の行動とみて、全単組に対して、「NLP即時中止」を要求する抗議電を米大使館、岩国基地、外務省、防衛庁、防衛施設庁に集中すること、各自治体の首長と議長へ、3点5項目の「日米防衛協力のための指針見直しに関する要請書」を提出するよう通知した。
1月22日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は第6回会議を開いた。
1月30日~31日 ◆全国基地問題ネットワークと憲法擁護山口県連合は、岩国市で、「全国基地ネットワーク in 岩国」を開いた。集会には、全国各地で反基地闘争をたたかう活動家と、自治労山口県本部など自治労中国地連5県本部、山口県内の労働者など2日間に延べ約1,100人(初日の岩国集会には全国基地ネット約100人、自治労中国地連4県本部約160人、自治労山口県本部42単組・371人、護憲山口129人で約750人、2日目の交流集会には約350人、うち自治労山口県本部は東部総支部の15単組・94人)が参集した。集会では、議長団に岩国市職の中村恒友委員長などを選出。全国基地ネットの古川隆之代表(北海道平和運動センター代表)護憲山口の畑谷六昭議長(自治労山口県本部委員長)があいさつ。佐久川政一沖縄大学教授が「新ガイドラインと沖縄・憲法」と題して講演。また、全国基地闘争報告では、9道県の代表が、沖縄の海上ヘリ基地、静岡の砲撃演習など全国の反基地闘争を報告して交流。特に、岩国市職平和研究所の田村順玄岩国市議が、「新ガイドラインを先取りする米軍岩国基地の動き」「まさに傍若無人で市民の平穏な生活を打ち破る米軍機の濃密な着艦訓練だった」などと、着艦訓練などについて報告した。集会は、「日本全土から米軍基地の縮小・撤去、新日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)反対、有事法制化阻止、基地機能の拡大・強化反対の大衆闘争を、全国各地の職場・地域でたたかっていく」との集会アピールを採択。また、「労働組合が中心となり、全国の労働者仲間が平和運動に取り組もう」と集会のまとめを行い、岩国基地までデモ行進した。基地の町・岩国での全国基地ネットの3回目の交流集会は、初めて大きな規模の集会となり、特に、自治労中国地連の支援の下、寒い時期の開催とはいえ、仲間たちの熱い心を束ねて成功を収めた。
2月19日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、全単組に自治労中央本部の指示で、アメリカ政府と日本政府宛に、「イラクの国連査察問題の解決はあくまで平和的・外交的解決を行い武力行使を行わないこと」と、平和的解決を求める取り組みに付いて要請するよう指示した。
5月1日 ◆岩国市職は、岩国市民会館前で、新ガイドラインと周辺事態関係法に反対して、約30人が参加して緊急の「座り込み行動」を実施した。
6月10日~24日 ◆自治労山口県本部反基地・反原発闘争本部は、6月議会開催中に、「原水爆禁止、核実験抗議、上関原発建設計画の白紙撤回、日米新ガイドライン、有事法案反対」を掲げて、「第1波6月統一座り込み行動」を実施した。行動では、「核実験反対、核軍縮・核廃絶を求めます」「上関原発建設計画を白紙撤回せよ、県知事は原発建設に同意するな」「民間と自治体を戦争に動員する周辺事態法反対、日米ガイドラインには手を貸しません」「アメリカの臨界前核実験に抗議」「新型水爆配備と岩国基地の核攻撃基地化反対、劣化ウラン弾撤去せよ」などの、5つの横断幕が掲げられた。梅雨空のもと、県内26拠点で11県職労支部、6市職労1ガス労組、1現業労組、9町職労1水道労組、1団体の30単組・県職労支部・1,184人(うち男性952人、女性232人、県職評=11支部・364人、市職評=7拠点8単組・303人、町村評=9拠点10単組・517人)が整然と実施した。
6月22日 ◆自治労山口県本部は、山口市の自治労会館で、第144回委員会を開き、春闘や反戦平和闘争などを総括。賃金闘争や合理化反対闘争と共に、米軍岩国基地の縮小・撤去と軍港化反対、アメリカの戦争に自治体・民間など日本の人的物的資源を総動員する新日米防衛協力のための指針/ガイドライン・周辺事態法反対、核兵器廃絶と核実験抗議、上関原発建設阻止などの8月~9月の県本部統一座り込み行動など当面の闘争方針を可決。「新ガイドラインに基づく周辺事態法案に反対し、米軍岩国基地の縮小・撤去を求める決議」を採択した。
7月2日 ◇米軍事海上輸送船団(MSC)所属のケープ・インスクリプション号が、岩国港県営埠頭に、日米地位協定第5条を初めて発動した軍事利用で入港を強行。米タイ合同軍事演習で使った米軍岩国基地の軍事車両と物資を下ろした。米軍基地側は、山口県港湾管理条例を踏みにじり、接岸・入港料も無料で、積み荷リストの提出を拒否した。まさに、新ガイドラインの先取りである。
7月2日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部各単組などから約50人が参加して、「民間や自治体を戦争に動員する周辺事態法反対、新ガイドラインには手を貸しません」と書いた横断幕を掲げ、「緊急抗議行動」を実施した。
8月1日 ◇岩国市で深夜、錦帯橋での花火大会から帰る女子中学生と女子高校生が、同時刻、連続して待ち伏せしていた白人と黒人の2人の「米兵」に襲われるという暴行事件が引き起こされた。女子生徒の抵抗と悲鳴を聞いて現場に駆け付けた住民によって、女子生徒は無事に救出されたが、殺害の危険さえあった。2人の犯人は逃走した。襲われた女子生徒と救出した住民は、「犯人は米兵」と証言。警察は調書を取り犯人の似顔絵まで作っている。しかし、この事件は半月以上も公表されず、8月18日以降、新聞などで報道された。
8月3日~7日 ◆自治労山口県本部反基地・反原発闘争本部は、全県の自治体職場で、広島・長崎での被曝53周年原水爆禁止世界大会に連帯し、「職場から原水爆禁止運動を発展させよう」とのアピールに基づき、「原水爆禁止、核実験抗議、上関原発計画の白紙撤回、日米新ガイドライン・有事法案反対」を掲げ、「第2波統一座り込み行動」を実施した。6月に続く8月の行動は、県内34拠点で県職評8拠点10支部・229人、市職評9拠点10単組・236人、町村評17拠点18単組・697人、関連評1単組の39単組・県職労支部の1,162人(うち男性875人、女性287人)が参加して、炎天下で整然と貫徹された。
8月18日 ◆岩国市職と岩国市職平和研究所は、「米兵」による女子生徒への暴行事件問題で、岩国市長と岩国市教育長に対して、「基地の町における外国人の犯罪防止と教育の徹底について」の要請文を提出し交渉を行い、「行政や教育に携わる当局の責任は重大」「事件解明と再発防止のため迅速な対応を」と申し入れた。
8月19日 ◆岩国市職は機関紙『日刊やくどう』で、「米軍基地の町/岩国で女子生徒レイプ未遂事件起こる」と題して、「米兵」による女子生徒への暴行事件を報道した。
9月4日~16日 ◆自治労山口県本部反基地・反原発闘争本部は、全県の自治体職場で、「原水爆禁止、核実験抗議、上関原発建設計画の白紙撤回、新日米ガイドライン・有事法案反対」と、新たに「岩国での米兵の女子中・高校生暴行事件糾弾、米軍基地の縮小・撤去」を加えて掲げ、「第3波統一座り込み行動」を実施した。行動では、県内30拠点、36単組・県職労支部・1,061人(県職評=8拠点10支部・223人、市職評=8拠点10単組・219人、町村評=14拠点15単組・612人)が参加した。また、6月、8月、9月の3波にわたる統一行動では、40拠点、45単組・県職労支部の延ベ3,439人を結集してたたかった。1995年に沖縄県で米兵による集団少女暴行事件が引き起こされ、沖縄県民の反基地闘争が燃え上がり、全国に波及して、沖縄県民のたたかいに連帯した反安保、反基地闘争が発展してきた。自治労山口県本部も、1995年秋から全国的な反基地闘争に合流し、特に1996年2月に反基地闘争本部を設置し、その後、反原発闘争本部とも連携して、自治労山口県本部が1954年6月10日の結成以来、46年間の伝統でもあり、その運動史上にも残る「地域住民の根本的な利益に関わる課題を掲げた自治労運動」を、さらに一層取り組み、新たな発展を勝ち取った。
9月28日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、全単組に対して、クリントン米大統領宛で米大使館に、4回目の臨界前核実験に抗議し、計画の中止、新型核兵器開発と核兵器の使用反対、核兵器の廃絶などをFAXするよう指示した。
10月25日 ◆民主リベラル山口県労働組合会議と憲法擁護山口県連合は、岩国市労働会館で、「周辺事態法など新ガイドライン関連法案を阻止し、米軍基地の縮小・撤去を求める岩国反戦集会」を開いた。集会には、自治労、全逓、全水道、私鉄、全農林、全林野、機械金属、日教組などの労働者、教師など約500人(自治労山口県本部は47単組・292人)が参加した。集会では、岩国地区労働組合会議の牧田博史議長が、米兵の女子生徒暴行事件など米軍岩国基地をめぐる現況を報告。「米兵による女子中学生・高校生へ暴行を加えた連続レイプ未遂事件を糾弾する特別決議」と「集会宣言」を採択、岩国基地までデモ行進した。
10月7日~8日 ◆自治労山口県本部は、山口市の山口県婦人教育文化会館で、第47回定期大会を開いた。大会は、「新ガイドラインに基づく周辺事態法案に反対し、米軍岩国基地の縮小・撤去を求め、米兵の少女暴行事件に抗議する特別決議」を採択した。
11月25日 ◇米軍事海上輸送船団(MSC)がチャーターしたシンガポール船籍の貨物船・サラワクが、岩国港県営埠頭に、日米地位協定を発動して7月と9月に続いて、3回目の入港を強行。米韓合同軍事演習(フォール・イーグル)で使用した軍事車両3台と大型コンテナ5個の軍事物資を下ろした。
11月25日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部から15単組・41人が参加して、「民間や自治体職員を戦争に動員する周辺事態法反対」と書いた横断幕を掲げて、「緊急抗議行動」を実施した。
【1999年】
4月14日 ◇米軍軍海上輸送船団(MSC)所属の大型貨物船/マークス・コンステレーションが、日米地位協定第5条を発動して岩国港県営埠頭への入港を強行。米タイ合同軍事演習に使う軍用車両や軍事物資を積み込んだ。1998年11月に続き今回は4回目。今回は初めて、事前に軍事物資を埠頭内の野積み場に一時保管した。野積み場の使用は、日米地位協定の対象範囲外だったため、山口県は県港湾施設管理条例に沿ってリストの提出を要求したが、米軍は、「内容を公表しない」という条件付きで承諾、使用許可申請を提出した。
4月14日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、山口市・県庁の岩国基地沖合移設対策室を訪ね、山口県知事に対して、米軍輸送船岩国港入港への抗議文を提出し、県の考えを質した。抗議文は、「日米地位協定の乱発により、県・岩国市の開係条例を全く無視した一方的な入港が多発」「岩国港においても、新ガイドラインを先取りした、県港湾条例の許可に伴わない入港が続いている」「積み荷の中身も演習用の(爆薬等)危険物も含まれていることが伝えられ、港湾施設、及び県民の安全が大きく損なわれようとしている」と指摘。「野積み場の使用が県の港湾施設条例によって評可されたことは岩国市・岩国港湾管理協定を無視し、岩国市をないがしろにした行為」と批判している。なお、ピースリンク広島・呉・岩国などの市民団体も、同趣旨の抗議文を県知事宛に堤出した。
6月17日 ◇米軍事海上輸送船団(MSC)所属の大型貨物船/マークス・コンステレーションが、日米地位協定第5条を発動して岩国港県営埠頭への入港を強行した。今回は5回目。同船は、4月14日、埠頭内の野積み場を使用し、米タイ合同軍事演習に使う軍事車両や軍事物資を積み込み岩国港を出港した貨物船。荷降ろし物資は、消防車や発電機、F16戦闘機に装着する訓諌用爆弾投下装置、マシンガンなど前回積み込んだ物資の倍近い70点に上った。
6月17日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部の13単組・49人が参加して、米艦船の入港に抗議して「緊急行動」を実施した。
6月22日 ◆自治労山口県本部は、山口市の自治労会館で、第146回委員会を開き、「新ガイドライン関連法廃案を求める決議」「通信傍受関連三法案廃案を求める決議」「上関原発建設計画白紙撤回、来年3月予定電調審上程阻止を目指す決議」と「闘争宣言」を採択した。
8月22日 ◇米軍事海上輸送船団(MSC)がチャーターした日本船籍の貨物船/鹿児島丸、三高丸の2隻が、日米地位協定第5条を発動して岩国港県営埠頭に入港した。米軍がチャーターした日本船籍貨物船が同港に入港したのは初めてで、今回が6回目となる。今回は、オーストラリアでの軍事訓練で使用する岩国基地の軍事器材やトラック、四輪駆動車など60点を積み込み、集積地の那覇港に向けて出港した。なお、積み荷リストの提出を拒否、係船料、入港料なども支払わないまま入港した。
8月22日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部の10単組・35人が参加して、「緊急抗議行動」を実施し、「民間港・岩国港の軍事利用反対」をアピールした。
10月7日 ◇米軍事海上輸送船団(MSC)所属の大型貨物舶/マークス・コンステレーションが、日米地位協定第5条を発動して、岩国港県営埠頭への入港を強行した。今回で7回目である。同船は、呉の弾薬庫でのコンテナ作業を終え入港。埠頭内の野積み場を使用し、米韓合同軍事演習/フォール・イーグルで使うコンテナ、タンクローリーの軍用車両など、20数点の軍事物資を積み込んだ。
10月7日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部の9単組・41人が参加し、米艦船の入港に抗議して「緊急抗議行動」を実施した。
10月20日~21日 ◆自治労山口県本部は、山口市のぱるるプラザ山口で、第48回定期大会を開いた。大会の中では、「戦争協力強制の中で、自治労が中心になって、反戦平和運動を広げよう」などが強調された。最後に、「周辺事態法・新ガイドライン・日米地位協定の撤廃を求める決議」「上関原発建設計画の白紙撤回を求める決議」「地域のための分権自治の確立を求める決議」を採択した。
10月23日 ◆民主リベラル山口県労働組合会議と憲法擁護山口県連合、岩国地区センターは、10・21国際反戦デーの取り組みとして、岩国市労働会館で、「異議あり新ガイドライン、周辺事態法の実行を許さず、有事立法の制定に反対し、米軍基地の縮小・撤去を求める岩国反戦集会」を開いた。集会には、自治労、全水道、私鉄、都市交、全農林、運輸労連などの労働者約300人が参加。山口大学の立山絋毅教授が、「新ガイドライン体制の中でたたかう」と題して基調講演。岩国市職平和研究所代表の田村順玄岩国市議が、米軍岩国基地の現況報告を行った。最後に「集会宣言」を採択、米軍岩国基地までデモ行進した。
11月14日 ◇米軍事海上輸送船団(MSC)所属の大型貨物船/ケープ・ノックス(3万5,058トン)が、日米地位協定第5条を発動して、岩国港県営埠頭への入港を強行した。今回で8回目。同船は、米韓合同軍事演習「フォール・イーグル」で使用した軍事車両20台やコンテナなど軍事物資を荷降ろしした。米軍は陸揚げした軍事車両7台を、休日のため運転手不足を理由に埠頭道路脇に放置。山口県港湾管理事務所の要請で夜になって撤去した。なお、同船は、入港した貨物船では過去最大である。
11月14日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部の12単組・56人の参加で、米艦船の入港に抗議して、緊急抗議行動を実施した。
11月22日 ◇米軍事海上輸送船団(MSC)所属のマースク・コンステレーションが、日米地位協定第5条を盾に、岩国港県営埠頭への入港を強行した。陸揚げした軍事物資は、米豪合同軍事演習「クロコダイル99」で使ったもので、冷蔵庫30台、戦闘機用機関砲弾倉などの部品を含む60点である。
11月22日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部の10単組・44人が参加し、米艦船入港に抗議して、緊急抗議行動を実施した。
12月20日 ◆自治労山口県本部は、山口市の自治労会館で第147回委員会を開催。委員会では、「自治労が先行して平和をかちとる運動の展開を」などが強調され、「新ガイドライン法への対応」(継続審議)などの当面の方針を決めた。
【2000年】
1月7日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、山口市の自治労会館で「第1回会議」(1996年2月に闘争本部設置して以来通算7回目)を開いた。
2月1日 ◆自治労山口県本部が、山口市の自治労会館で斎藤眞治副委員長を講師に、37単組・79人が参加して、「地方分権一括法&新ガイドライン学習会」を開いた。
2月14日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、岩国市民会館前で、岩国市労連と自治労東部総支部の7単組・85人、米軍岩国基地滑走路への進入コースに当たる玖珂郡由宇町の文化会館前で、東部総支部の9単組・63人、合計16単組(県職労4支部)・148人が参加し、「市民生活を脅かす米軍基地の夜間着艦訓練を中止せよ」と、米軍岩国基地での米空母艦載機夜間着艦訓練抗議昼休み座り込み行動を実施した。
2月14日 ◆岩国市職平和研究所は、基地周辺の3,000戸の市民を対象に、「着艦訓練騒音実態アンケート」を配付した。
2月15日~16日 ◇米軍は、米空母艦載機の夜間着艦訓練(NLP)を、岩国、厚木、横田の米軍基地で強行。岩国基地ではFA18ホーネット12機が訓練。岩国市民から岩国市役所などに抗議の電話等が殺到した。岩国基地は最初、3日間の訓練を通告していたが、予定を1日繰り上げて、夜間着艦訓練を中止した。
4月2日 ◇岩国市の県営岩国港埠頭に、米軍事海上輸送船団(MSC)がチャーターした貨物船アラムテガス号(1万320トン)が入港。軍事物資を積載し沖縄経由で、軍事演習が行われるタイへ向けて出港した。98年7月から10回目で2000年は初めて。
4月2日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、午前10時から岩国港県営埠頭で、米軍貨物船の日米地位協定を盾にした強行入港に対して、東部総支部の13単組の48人の組合員などが参加し緊急抗議行動を実施。「民間港の軍事利用絶対反対」の横断幕を掲げ、「米軍は岩国から日本から出ていけ」などのシュプレヒコールを行った。
6月19日 ◇午前7時すぎ、米軍事海上輸送船団(MSC)がチャーターした貨物船BBCジャーマニテイ、(3,113トン)が日米地位協定第5条を発動して、岩国市の岩国港県営埠頭に強行入港した。米艦船の岩国港入港は今年2回目で通算11回目となる。同船は、4月に同港から積み出し、米タイ合同軍事演習で使用した軍事物資約60点を荷降ろしした。
6月19日 ◆自治労山口県本部反基地闘争本部は、東部総支部の9単組の組合員など36人が参加して、岩国港の軍事利用に反対する緊急抗議集会を開き、「有事立法阻止、周辺事態法・新ガイドライン・地位協定撤廃」を求める声明を採択した。
7月16日 ◆中国ブロック平和フォーラムは、中国5県から約400人が参加し、7・20沖縄・嘉手納基地人間の鎖包囲行動に連帯する中国ブロック岩国集会を、岩国市労働会館で開催した。集会では、自治労沖縄県本部の大城治樹委員長が沖縄現地報告を、岩国市職平和研究所所長の田村順玄岩国市議が岩国現地報告を行った。集会は「沖縄・岩国を返せ、有事を許すな」などを訴えた集会アピールを採択。「日本全土からの米軍基地の縮小・撤去」を訴え、米軍岩国基地まで約3キロをデモ行進した。