2024/12/17
団結がんばろうで来年春闘にむけて士気を高めた山﨑幸治副委員長
柱は「人員確保」と「1単組1要求」
全単組で要求し交渉しよう
自治労は12月5~6日、東京で2025春闘中央討論集会を開催した。春闘方針案の柱は全単組での「人員確保」要求と賃金改善などの「1単組1要求」。参加者からは職場実態と2024確定闘争の取り組みを踏まえた発言が相次いだ。参加者数はウェブを含め47県本部・1社保414人。
2025春闘方針(案)は伊藤功書記長が提案。次のポイントを示した。
◆すべての単組が「人員確保」について要求・交渉
「人員確保」は全単組共通の課題。春闘期から要求し、6月期の人員確保闘争につなげる。
◆「賃金運用の改善」「働き続けられる職場の実現」について1単組・1要求
賃金の運用改善、長時間労働の是正、ハラスメント対策など、単組実態を踏まえて、1単組1要求を掲げて交渉する。
◆ジェンダー平等の観点から点検、要求・交渉
ジェンダー平等の観点を踏まえた課題の解決や男女間賃金格差の解消などの要求・交渉に取り組む。
◆労務費の適切な価格転嫁の推進
公共民間労働者の賃上げ原資の確保、物価高による行政運営経費の増大への対応のため労務費の適切な価格転嫁を推進する。
その上で、公共サービスの重要性をアピールする街頭宣伝行動、連合春闘への積極的関与、春闘に連動した新規採用職員の組織化と政治活動の推進(岸まきこ勝利の取り組み)、6月予算編成期を見据えた人員確保の取り組みを提起した。
また、一連の春闘スケジュールを示した(以下参照)。
自治労2025春闘スケジュール
①要求書提出ゾーン 2月7~14日
②ストライキ批准投票・集約
県本部集約日(本部報告日):2月14日
拡大闘争委員会(スト批准および闘争指令権の確立):2月28日
③統一交渉ゾーン(3月10~14日)
全単組が結集して統一行動日に向けて交渉を強化
④自治労3.14全国統一行動
ストライキ(民間)、29分食い込み集会(公務)を戦術の基本に配置
職場の『声』を集め、要求・交渉を進めよう
参加者からは、単組・職場の実態や2024確定闘争の状況を踏まえた多くの発言があった。
人員確保については、「採用を募集しても応募がない職種がある」「恒常的業務には常勤職員の配置を」「会計年度任用職員の常勤化の取り組み成果の共有を」などの発言が出された。
再任用職員の処遇改善については「一時金の支給月数は常勤職員と同月数を要求すべき」。定年延長職員の月例給についても「定年前の7割からの引き上げが必要」との意見が出た。
公共民間の労務費の価格転嫁については「公契約条例の取り組みを進めよう」との意見があった。
最後に伊藤書記長が、「職場には課題があり、不安や不満の『声』がある。春闘は1人ひとりが主役。組合員の声を要求とし、交渉を強化しよう」と集約した。
春闘で「異常な日本」を正常化しよう(基調講演:渡辺 努 東京大学大学院教授)
「この30年間日本は、物価も賃金も金利も上がらないという異常な状態にあった。しかし2022年以降、賃金と物価、金利が上がり、正常化しつつある。
人々は、物価が上がることを受け入れ、賃金引き上げを要求し、企業はコストを価格転嫁し始めている。日銀は政策金利を引き上げた。
この循環が定着するかどうかは、これから2年間、賃上げが成功するかどうかにかかっている。アベノミクスの官製春闘はベアを復活させたが不十分に終わった。しかし、今度は違う。
2024春闘の賃上げ幅は大きい。
労働組合の責任は重い。賃金を上げないと普通の国になれない。また政府は、JR運賃など政府が価格決定を握っているサービス料金を引き上げることが必要だ。労働組合はそこでも役割を発揮してほしい。」
(機関紙じちろう2024年12月15日号より転載)