2024/04/15
能登半島地震の支援ボランティアは、3月31日の第5グループから能登町での避難所運営支援を始めた。支援規模は4人から8人と倍増。支援期間は5月末までを予定している。
新たな支援先は、能登町立能都中学校の体育館に設置された避難所。約60人の町民が避難し、仮設住宅の完成を待つ。支援者は1チーム4人。24時間交代で運営支援にあたっている。
3月31日から避難所の任務に就いたのは東京と神奈川の組合員。
4月6日からは新潟、広島、岡山の組合員が就いている。被災地の自治体職員の疲労は極限。負担の軽減をめざす。
自治労支援ボランティア第3グループインタビュー
「3.11」東北から能登へとつなぐ 支援と感謝、恩返しのこころ
自治労支援ボランティアの第3グループは、3月16日に現地入り。七尾市の「総合支援窓口」と給水車への給水作業を支援した。この活動に参加した4人の支援者に、参加の動機、被災組合員やこれらから支援に参加する組合員への言葉を聞かせてもらった。
行政支援の組合員にも思いを馳せて
栃木県本部 増山秀人さん(給水)
「3.11」の自治労ボランティアでは福島県新地町の避難所支援に参加しました。そのときに被災者から頂いた感謝と労いの言葉、温かいお気持ちが忘れられず、支援行動の参加要請に真っ先に手を挙げました。給水作業は、消防団の経験があるのでお任せください。
栃木県からも行政支援で被災地に職員が入っています。単組委員長ですので、勤務間インターバルの確保について当局への申し入れなど、対応を図ってきたところです。
一歩踏み込み市民に寄り添う相談姿勢で
福島県本部 山田 楽さん(総合支援窓口)
「3.11」は大学入学の年でした。震災で、思い描いていた人生の変更を余儀なくされたという思いはありましたが、そこで得られた経験が、今の自分の中に生きているとも感じています。
総合支援窓口に来る被災市民の方には、形式的な説明ではなく一歩踏み込んで、寄り添う姿勢での相談対応に努めました。
県職員の自分は市民と直接接する機会は少ないので、市町村の皆さんの仕事ぶりに学ぶところが多いです。
メンタルヘルスや自殺への対策復興の後も
宮城県本部 熊谷明寛さん(給水)
勤務先の仙台市若林区役所は、「3.11」の津波で2人の職員を失いました。被災直後、被災者支援にあたる職員には救援物資が渡らないことを自治労に訴えたところ、膨大な支援物資が届いたことは忘れられません。
いつか恩返しがしたくて、今回の支援派遣に手を挙げさせてもらいました。
復興が一段落した後も仙台市ではメンタル疾患や自殺者が相次ぎました。そうしたことへの対策の必要性も、能登の仲間に伝えていきたいと思います。
能登の被災地を目に焼き付け五感で感じて
岩手県本部 日蔭丈朗さん(総合支援窓口)
「3.11」のときは仕事の出張先の釜石市にいました。宮古市田老の自宅は津波で流失。避難先の避難所の運営業務に従事しました。
行政の支援、自治労ボランティアの支援の恩返しがしたい。自分の被災体験が少しでも能登の人たちの役に立てればと思い、参加しました。
全国から来る自治労の支援者には、被災地で見たものを目に焼き付け、五感で感じて欲しい。それが、必ず復興につながります。
機関紙じちろう2024年4月15日号より転載