2024/05/01
Interview
七尾市職労 藤田陽子 執行委員長
副委員長等を経て、2023年11月に委員長に就任(取材日:4月23日)
自治労支援ボランティアが展開する石川県七尾市を訪れた。能登半島地震の発生から4カ月。職員の『心身の疲れ』が一番の気がかりだと、市職労の藤田陽子委員長は話す。
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仕事は福祉課の生活保護の担当です。4月に障害者福祉グループから異動になりました。引き継ぎもままならず、本当に大変です。
七尾市は4月1日に市内の断水を解消しました。しかし家の配管が壊れていて水道が使えない市民も少なくなく、問題が解決したとは言えません。行政の支援で全国から来ていた職員も減ってくる中で、七尾の職員の疲労度は、3月よりも4月に入り強まったようです。
職員の時間外勤務、休日・深夜勤務は深刻です。最低週1日は休めるように当局に申し入れてきました。少し休めるようになり、自分を振り返ることができるようになると、今度は休むことへの罪悪感を抱いたり、先の仕事が心配になったり、精神面の疲れを訴える職員が目立ってきました。今、そういうフェーズの変わり目にあるようです。
4月15日に震災対応業務に関する要求書と春闘要求書を提出しました。休みの確保と時間外手当、被服費の支給を重点にしました。
被災した東北・熊本の仲間の経験に学びたい
大災害は初めての経験です。自治労には、災害の中でどうしたら組合の活動を組合員に伝えられるのか、東北や熊本の仲間の経験を聞く場を作ってもらえたらと思います。
地震発生後は集まることができず、メールやラインで当局への対応を確認しあっていましたが、3月19日にようやく対面で四役会議を行うことができました。県本部には発災直後に職員のための救援物資を届けてもらい、大変感謝しています。
これからは、メンタルヘルスとハラスメント対策が一番の課題だと思います。皆が疲弊して、職場の雰囲気が荒くなっているようです。組合員からいろいろ相談も受けています。
当局にお願いするだけではなく、組合としての対応も必要だと考えています。専門家の助言や相談窓口など、自治労で検討をお願いできれば幸いです。
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機関紙じちろう2024年5月1日号より転載