2024/06/13
自治労は5月27~28日、第166回中央委員会をウェブ方式で開催し、約300人が出席。当面の闘争方針と2024春闘中間総括について議論・確認した。春闘によるかつてない高水準の賃上げ成果を受けた、人事院勧告期のたたかいが始まる。
議事1日目は、冒頭、執行部を代表して石上千博中央執行委員長があいさつ(末尾参照)。能登半島地震の被災地で奮闘する組合員、自治労の災害緊急カンパ、現地での支援ボランティア活動に参加した組合員への感謝を述べた後、2024人事院勧告に向けた課題と取り組み、地方自治法改正案をめぐる対応、今日の政治情勢と来年の第27回参議院選挙に擁立する「岸まきこ」の支持拡大などについて、組合員の結集を呼びかけた。
◇一般活動経過報告と春闘中間総括案めぐる討論
引き続いて、伊藤功書記長が一般活動経過報告と2024春闘中間総括案を報告・提起し、質疑・討論では12県本部12人の中央委員から発言があった。
役職定年者、再任用者の組合加入の推進(島根)、ユース部による新規採用職員の組合加入や独自交渉の取り組み(福岡)、単組への春闘アンケート、会計年度任用職員の組織化と競合単組対策の取り組み(佐賀)、被災単組の人員確保の課題とメンタルヘルス対策の強化(石川)、春闘による労務費の価格転嫁の必要性(岩手)などの報告があった。
また、国保総合システムの改修コストの国庫負担など国保連合会の課題(京都)、新規採用職員の組合加入の推進と病院の経営形態見直しへの組織対応(北海道)、看護職員の処遇改善の取り組み(富山)、辺野古新基地建設にかかる「代執行」、南西諸島の軍事力強化等への対応(沖縄)、宇城市の分限処分撤回裁判闘争の勝訴(熊本)、単組の春闘、人勧に向けた人事委員会との交渉、地方選での勝利(新潟)などの報告や問題提起、本部への取り組み要請の発言があった。報告と総括は承認された。
◇「当面の闘争方針」等、質疑・討論経て賛成多数で可決
議案は、第1号議案「当面の闘争方針(案)」、第2号議案「2024年度一般会計・特別会計補正予算(案)」、第3号議案「自治労会館・大規模修繕工事の実施(案)」、第4号議案「加盟登録規程の改正について(案)」を提案。質疑討論では26県本部26人の中央委員から発言があった。
2日目の本部答弁の後、電子投票による議案の採決を行い、いずれの議案も賛成多数で可決された。最後に、人勧期・自治体賃金闘争期に向けたたたかいの推進、組織強化・拡大の取り組み、地方自治・地方財政確立、憲法改悪阻止・平和を守るたたかいの推進、「岸まきこ」の組合員への周知・浸透・定着をはかる取り組みの強化を柱とする「闘争宣言」を採択。石上委員長の発声で「団結がんばろう」を行い、閉会した。
石上千博 中央執行委員長あいさつ
「全世代の賃金・労働条件の改善めざし人勧期をたたかう」
能登半島地震の被災地で奮闘されている組合員の皆さん、支援活動にご参加・ご協力いただいたすべての皆さんに御礼申し上げます。
2024春闘では5%を超える賃上げ水準を獲得しています。職員・組合員のモチベーションを維持するためにも、全世代での賃金・労働条件の改善をめざします。
「社会と公務の変化に応じた給与制度の整備」については、扶養手当の見直しや地域手当の大くくり化などについて公務員連絡会を通じて人事院に対し意見反映してきました。また総務省交渉を配置し、「国の制度変更に準じた扱いを自治体に求めないこと」「地方の実態と自主性を尊重した柔軟な対応を可能とすること」などを追及します。
地方自治法改正案については総務省対策、野党などへの要請を重ねてきました。国会の関与もなく閣議決定だけで指示権を行使できる仕組みは、政府による恣意的な運用・乱用が行われかねないことについて、強い懸念を抱かざるを得ません。地方自治の後退へとつながることのないよう対策を強化します。
4月の衆院の補欠選挙では、3選挙区すべてで立憲民主党の候補者が当選しました。政権交代を望む国民の声も日々増大しています。政治状況を転換するためには、第27回参議院選挙は極めて重要です。「地域公共サービス」の維持・拡充のためにも、組織内である岸まきこ参議院議員を、再度、国政の場に送り出さなければなりません。すべての県本部・単組・組合員の皆さんが、「岸まきこ」の名前、活動、想いを広げていただくことをお願いします。
(機関紙じちろう2024年6月15日号より転載)