地方軽視が復興の遅れに、能登の被災は『自分ごと』《連合ボランティア》参加者インタビュー

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地方軽視が復興の遅れに、能登の被災は『自分ごと』《連合ボランティア》参加者インタビュー

2024/07/31

成相(なりあい)伸哉さん/鳥取・米子市職労(自治労青年部常任)

連合は、能登半島地震の被災地への支援ボランティアを3月24日から開始。自治労は青年部を中心に参加してきた。4月15日から5日間、石川県珠洲市での活動に参加した成相伸哉さん(鳥取・米子市職労)に、活動の様子と思いを聞いた。


 単組では専従の書記次長をしています。青年部の福島スタディツアーに参加し、災害に関心を持っていたので、積極的に活動したいと思い参加しました。

 現地でまず感じたのは、発災後3カ月も経ったと思えない「手付かず感」です。

 活動は、被災市民の支援ニーズの聞き取り調査でした。地図を頼りに集落に入ると、土砂崩れや地割れで家までたどりつけない場所もありました。

 支援ニーズを聞くと、「手助け不要」という答えが多数でした。「住民同士で助け合っているから」と言うのですが、遠慮やあきらめ感もあったのかもしれません。

 困りごとを尋ねると、道路や水道といったインフラの復旧など、ボランティアでは対応できない問題を言われ、無力感を覚える場面もありました。

 ボランティアセンターが、行政の給付などの受付期間の情報を正確にボランティアに伝えきれていないなどの混乱もあり、支援の難しさを感じました。もっと役に立ちたかったという感覚が残りました。

「何か困りごと、できることはありませんか」。市民を個別訪問し、支援ニーズの聞き取りをする成相さん(左)と松長拓朗さん(仙台市働く連)

能登を見捨ててはいけない

 能登の復旧・復興が進まないところを見ると、政府は地方を軽視しているのではないかと感じます。

 今回の震災で公共サービスの重要性が明らかになりました。日々の業務に追われ余裕がない中、他の地域の苦労を「自分ごと」と捉えることは、難しいかもしれません。でも、能登で起きていることは「ひとごと」ではないことを、自治労の仲間に知ってほしいです。

 私は3月まで障がい者支援課で勤務していました。

 災害時の避難行動要支援者には個別避難計画を作ることとされていますが、能登の自治体に個別避難計画はあったのか、今回うまく機能したのか、気になります。総括を共有し、伝えることが大切だと感じます。

連合は7月29日まで18クールにわたるボランティアを派遣。石川県七尾市、珠洲市、輪島市で支援活動を展開した。成相さんが参加した第4クールのメンバー

(機関紙じちろう2024年8月1日号より転載)

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