「第7次エネルギー基本計画」に対する書記長談話(2025年2月19日)

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「第7次エネルギー基本計画」に対する書記長談話(2025年2月19日)

2025/02/20

2月19日、自治労は2025年2月18日に政府が閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」について、下記の通り談話を発出しましたので掲載します。(最下段よりWordファイルをダウンロードできます)


「第7次エネルギー基本計画」に対する書記長談話

 2025年2月18日、政府は中長期のエネルギー政策の指針を示す「第7次エネルギー基本計画」を閣議決定した。
 これまでのエネルギー基本計画では、福島第一原発事故の教訓から、原子力の利用については「再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する」としていたが、今計画ではこの方針を削除するとともに、「特定の電源や燃料源に過度に依存しない」とした上で原子力を「最大限活用」と明記した。多数の国民が原発の安全性に懸念をもつ中で、短期間で重大な方針転換を行うものであり、極めて遺憾である。
 
 今計画では、2050年の「カーボンニュートラル」の実現や、ウクライナ侵攻などの情勢をめぐる「エネルギー分野におけるインフレーション」、DXやGXの進展にともなう今後のエネルギー需要の増大などの要因をあげ、原発を「脱炭素電源」として2040年度の電源構成に占める割合を「2割程度」としている。さらに、「GX実現に向けた基本方針(2022年12月政府決定)」では、廃炉後の原子炉の建て替えを同一敷地内としていたものを、今計画では同一事業者の原発敷地内であれば建て替えを認めるとして、リプレースの要件が緩和された。その上、次世代革新炉の開発研究を進めるとするなど、全体として原発回帰を鮮明にした。
 
 閣議決定に先立ち、計画案に対するパブリック・コメントが実施され、自治労としても意見反映に取り組んできた。その結果、政府の発表によると4万1,421件とパブリック・コメントでは過去最多の意見が寄せられたとしている。しかし、これほどの意見数にも関わらず、政府は計画内に「原子力の安全性やバックエンドの進捗に関する懸念の声がある」とつけ加えたのみで、審議会の開催や計画の見直しを行わなかった。
 
 計画内では、再生可能エネルギーを主力電源と位置付けているが、そうであるならば、今後さらに再生可能エネルギーの比率を高め、原発依存度を低減させるべきである。そもそも、核燃料サイクルが破綻しているのは明らかであり、最終処分場の課題も解決しないことを踏まえれば、もはや原子力に頼ることは不可能であると言える。
 
 私たちは、地震などの自然災害が多発する日本において、一度事故が起きれば制御不能となる原発の実態と被災住民の耐え難い苦しみを2011年の福島第一原発事故で目の当たりにしてきた。自治労は、引き続き原水禁に結集して「脱原発」社会の実現に向け、政府の原発依存エネルギー政策の転換を求める取り組みを強化していく。
 
2025年2月19日
全日本自治団体労働組合
書記長 伊藤 功


第7次エネルギー基本計画に対する書記長談話.docxをダウンロード  

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