総務大臣との定例会見を行う(詳報)

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総務大臣との定例会見を行う(詳報)

2017/12/25

要請書を手渡す川本委員長(右)と野田大臣

自治労は12月20日10時35分から、野田総務大臣との定例会見を行った。川本委員長、杣谷副委員長、仙葉副委員長、青木副委員長、田中書記次長が参加。総務省からは、野田総務大臣、佐々木公務員部長ほかが出席した。


川本委員長は、「交付税算定における『トップランナー方式』の拡大は納得できるものではない。今回、窓口業務を同方式の対象に追加することが表明されたが、窓口は住民ニーズを的確に把握するための重要なポジションだ」と述べ、慎重な検討を求めた。自治体の基金については、公共施設等の老朽化対策や災害など将来の備えのためとしているものが多く、今後も交付税算定の材料としないよう要請した。臨時・非常勤等職員に関する地公法等改正に関しては、2020年4月1日の法施行を前に各自治体議会で条例制定に向けた動きを本格化させなければならず、総務省に制度内容の周知や環境整備、公務における臨時・非常勤等職員の処遇改善・雇用安定のために必要な財源の確保を求めた。


これに対し、野田大臣は、「今回の地方財政対策において、基金残高の増加を理由として地方交付税等を削減するといったことは、行っていない」とし、地方交付税の「トップランナー方式」については、地方の行財政改革により生み出された財源は地方に還元することが必要との見解を示し、地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう適切に対応するとした。20年4月の会計年度任用職員制度の導入にむけては、「各地方公共団体に対し、丁寧な支援を行っていきたい。必要となる財源については、地方公共団体の実態なども踏まえつつ、地方財政措置についても検討していく」と答えた。


川本委員長は、「地方自治を守り発展させていくという思いは共有できると認識する。異常気象による災害が全国各地で相次ぐ中、自治体が住民にとってのセーフティネットとして、いかに機能していくかが問われている。安定的かつ持続的な行政運営の実現のため、地財確保、地方税制全般の充実などご尽力いただきたい」と重ねて要請した。


引き続き、消防職員に関する定例協議を実施した。同省が10年に設置した「消防職員の団結権のあり方に関する検討会」では、自治労と全国消防職員協議会が、民主的な消防職場づくりと地域の消防行政の向上のため団結権を認めることが重要である旨を主張し、検討会の報告書でも団結権を回復する場合の制度設計が示されている。川本委員長は、ILO(国際労働機関)が1973年の勧告以降、消防職員を団結権から除外することが不適当であると繰り返し指摘していることに言及。一方で、政府内で真摯な議論が行われた形跡が見えないことに遺憾の意を表明した。また、依然として深刻なパワハラ・いじめ等、消防職場においては改善すべき課題が多いことや、消防職員委員会制度については多くの問題があることに触れた。


野田総務大臣からは、「現在では、すべての消防本部で消防職員委員会が開催されており、職員の勤務条件の改善に一定の成果を挙げている」との認識が示され、より円滑に制度運用を進めるため労使双方からの意見聴取の場の設置や、消防本部むけのアンケート方式による運用状況の実態調査を考えているとのコメントがあった。パワーハラスメントや暴力については、「相手の尊厳や人格を侵害する、断じて許されない行為」であるとし、全国の消防本部に対し、ハラスメントの撲滅にむけ対応策を講じるよう助言したとの説明があった。同省として各消防本部における対策の実施状況について今後調査を行い、実態を把握するとともに来年度以降も継続的にフォローアップするとしている。


川本委員長は、「課題解決の根本は団結権の保障である。大臣には、重ねて公務員の労働基本権問題についての前向きな検討をお願いする」と要請し、定例会見を終えた。

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