2022/03/02
各地から約300人の医療従事者が参加
自治労本部・衛生医療評議会は2月27日、「地域医療のあり方を考える-Withコロナ から Afterコロナ-」をテーマに、「2022年度地域医療ウェブセミナー」を開催しました。全国各地から、医療従事者ら約300人が参加しました。
セミナーでは、自治労本部・平山衛生医療局長からの基調提起の後、西村事務局次長(高知県本部)から、この間、組合員の協力のもと実施してきたアンケート調査の速報値について説明が行われました。
保健所職員らを対象にした調査に関しては、2月に報道記者発表を行い、過酷な労働実態がメディアにも取り上げられたことなどが報告され、コロナ対応が長期化する中で、保健所の機能強化・体制強化に向けての基礎的データとして活用していきたい考えが述べられました。
その後、山口県本部・山陽小野田病院労組から河村典子さん、山梨県本部・大月市立中央病院労組から坂本千恵美さんから、コロナ禍においても進行する地域医療再編、経営形態の変更に関して、組合の取り組みが報告されました。
続いて行われた講演では、「コロナ禍のもと地域医療構想はどう進むか」をテーマにニッセイ基礎研究所・主任研究員の三原岳さんが講演に立ち、「地域医療構想には過剰な病床の適正化と切れ目のない提供体制の構築という2つの異なる目的が混在していることで、国と都道府県、国と現場の間でギャップが起きている」と指摘しました。
さらに、コロナ対応で浮き彫りとなった日本の医療提供体制の課題と地域医療構想に触れ「コロナ禍によりいったん議論は止まっているが、今後も地域医療構想は継続する。2024年の医療計画改定に向けて、新興感染症への対応や医師の働き方改革など、都道府県と医療現場の工夫が求められている」とし、今後、問われることとなる対応について考えを述べました。
参加者からは地域調整会議における情報公開や、住民を巻き込んだ議論のあり方、公立病院の役割と求められる効率化のギャップについて質問が寄せられました。
最後に、佐々木副議長(北海道本部)が「わたしたち現場で働く組合員の活動の力量が試されている。現場で流した汗が糧となるような運動を引き続き展開していこう」とまとめ、セミナーを締めくくりました。
今後も、衛生医療評議会では、診療報酬改定や定年延長についてのセミナーを予定しています。詳細・参加申し込みは所属の県本部までお問い合わせください。